ヤズディの祈り
A4変・並製・208ページ
定価2800円+税
ISBN : 978-4-86541-058-7
12月中旬(→下旬に変更になりました)小社より刊行いたします、林典子写真集『ヤズディの祈り』を発売に先がけまして、本日より先行予約の受付を開始いたします!
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2014年8月、イスラム国に攻撃され、美しい故郷を失った民族、ヤズディ。
ひとりひとりの存在に寄り添い、その祈りと願いをあらわすフォトストーリー。
シリアとイラクの国境にほど近いシンガル山に、独自の宗教と文化を継承してきた民族、ヤズディ。
2014年8月3日、イスラム国がその村々を攻撃した瞬間から、彼らの苦難は始まる。山中に逃げ込み、暑さと空腹で衰弱する子どもたち。イスラム国戦闘員に捕らえられ「結婚」させられる女性たち。集団殺害された男性たち。
林典子の写真は、故郷を後にした彼らの「落とし物」に目を凝らし、難民キャンプやシンガル山での日々の暮らしを静かに照らし出す(時には数ヶ月も彼らと生活を共にして)。
難民としてヨーロッパやアメリカを目指すヤズディもいる。コミュニティが存在するドイツへと渡った彼らひとりひとりのポートレートと、はるばると携えてきた大切なもの。
道はここにも続き、脈々と心に在りつづける故郷の面影を写し出す。
出来事を直接的に説明する写真は一枚もない。だからこそ、切実に写真と言葉が語りかける───ヤズディの悲劇は他人事だろうか。私たちは想像力をもって世界と関わることができるのだろうか。
『キルギスの誘拐結婚』の写真家 林典子が世に差し出す新たな写真集。
「それからの約2週間、私たちは腕を縛られながら殴られ続け、地下室に閉じ込められたまま、食事も水もほとんど与えられずに死にそうになりました。トイレ
には1日1回だけ行く機会を与えられました。ここで私は一本の針を見つけました。針を手に取ると 腕に
『お父さん、お母さん、愛している』と、もう会うことができないかもしれない両親のことを想いながら、アラビア語でこう彫りました」(サラ /
文中より)
林典子 | noriko hayashi
1983 年生まれ。大学在学中に、西アフリカ・ガンビアの地元新聞社、ザ・ポイント紙で写真を撮りはじめる。
「ニュースにならない人々の物語」を国内外で取材。米ワシントン・ポスト紙、独デア・シュピーゲル誌、仏ル・モンド紙、デイズ・ジャパン誌、米ニューズウィーク、マリ・クレール誌(英国版、ロシア版)など、数々のメディアで作品を発表。
著書に、『フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳 ̶̶ いま、この世界の片隅で』(岩波書店)、『キルギスの誘拐結婚』(日経ナショナル ジオグラフィック社)
【受賞歴】
2011 年 第7 回名取洋之助写真賞
2012 年 第8 回DAYS 国際フォトジャーナリズム大賞1 位
2013 年 米アレクシア写真財団写真賞ファイナリスト、フランス世界報道写真祭「ビザ・プール・リマージュ」特集部門最高賞「ビザ・ドール(金賞)」
2014 年 全米報道写真家協会(NPPA)「フォトジャーナリズム大賞」現代社会問題組写真部門1 位