今年7年ぶりの写真集『リバーサイド』を刊行し、各所で話題を呼んでいる佐伯慎亮さんが刊行記念第3弾として、KANZAN gallry(東神田)にて個展を開催されます!
生起するものと移ろいゆくものの様々を反映しながら時の岸辺に立つ佐伯慎亮の写真が、空間へと大胆に展開される、東京での展示の機会です。
5月13日(土)17:00〜は『浅田家』の浅田政志さん、そして両者の写真集の装丁を手がけてこられた川名潤さんのお二方をお招きし、オープニングトーク&レセプションもございます。
家族、小さな虫たち、液晶の光、うろこ雲 ── 私たちはいまどこの川岸にいるのか。
ぜひお誘い合わせの上、ご来場下さいませ!
当展は、7年ぶりの作品集『リバーサイド』を発表した佐伯慎亮の写真集発売を記念した展覧会です。
彼岸と此岸についての独自の死生観と、偶然性によるユーモアに貫かれた前作『挨拶』は大きな話題を呼びました。それ以降の作品を収める写真集『リバーサイド』では、時間の流れに伴う変化を受け入れ、生と死のあいだに射し込む光への眼差しを感じさせます。家族というもっとも濃密な関わりですら、死別は訪れ、その傍ら、新たに生まれる命がある―
その当たり前の日々の巡りのなかで佐伯慎亮が切り撮るのは、生起するものと移ろいゆくものが交差する不可思議で侵しがたい瞬間です。小さな虫たち、液晶の光、うろこ雲にいたるまで、変転し流れるからこそ生命を帯びる。そのような写真群に触れながら、私たちがいまどこの川岸にいるのか、ふと思いめぐらすことができるかもしれません。
本書には、『挨拶』以降に撮られた写真がほぼ時間軸に沿って収められている。家族を撮ったものが目立つ。
子どもの誕生、成長、親との死別......。別に家族がテーマではないのだけど、と写真家は言う。気になるものにカメラをむけたら家族の写真になった、と。
(中略)
写真家は流れる時の岸辺にたたずみ、光と影の結び目に分け入っていく。 写真を見るわたしたちは、ページをめくりながら、写真家とおなじように、息をひそめて画面の細部に目を凝らす。
ふつうの風景のように見えるもののなかに、ほんの少しだけ不思議なことや異様なものが混じっている。 だれかが意図したわけではなく、「偶然」と表現されるたぐいの出来事だが、こうして写真に撮られると、実感せずにはいられない。
その偶然が恩寵に転ずることを。 ──── 大竹昭子「光と影の結び目」(帯文より)
会期:2017年5月12日(金)〜5月21日(日)
時間:11:00〜20:00 *月曜定休/入場無料
会場:Kanzan Gallery http://www.kanzan-g.jp/
東京都 千代田区東神田1-3-4 KTビル2F
Tel. 03-6240-9807
アクセス:
日比谷線 「小伝馬町」徒歩6分 都営浅草線 「東日本橋」徒歩6分
JR 総武快速線 横須賀線「馬喰町」2番出口 徒歩3分
都営新宿線 「馬喰横山」A1出口 徒歩4分
関連企画
オープニングトーク 5月13日(土)17:00〜18:00
佐伯慎亮(写真家) X 浅田政志(写真家) X 川名潤(装丁家)
要予約 mail: info@kanzan-g.jp Tel. 03-6240-9807
レセプション 5月13日(土)18:30〜20:00
佐伯慎亮 / Saeki Shinryo
1979年広島生まれ。大阪芸術大学卒。2001年キヤノン写真新世紀優秀賞。2009年写真集『挨拶』刊行。被写体を限定せず、日常のあらゆる場面で生と死と笑いを収集。国内外での展覧会や、ドキュメンタリー映画の製作など関西を拠点に活動。2017年1月、7年ぶりの写真集『リバーサイド』を刊行。
浅田政志 / Asada Masashi
1979年三重県生まれ。自らも被写体となった家族写真集『浅田家』で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。日本各地の市井の人々を撮影するプロジェクトにて精力的に活動中。2013年 『六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展 LOVE展:アートにみる愛のかたち』に出展。2016年 入江泰吉記念奈良市写真美術館にて「浅田政志写真展 ほぼ家族。」を開催、香港国際写真祭にも招待作家として出展している。近刊に藤咲彩音×浅田政志『あやねいろ』(小学館)
川名潤 / Kawana Jun
1976年千葉生まれ。書籍装丁、雑誌のエディトリアル・デザインなど。手がけた写真集に佐伯慎亮『リバーサイド』、浅田政志『浅田家』、ERIC『LOOK AT THIS PEOPLE』(以上赤々舎)、クロダミサト『沙和子 無償の愛』(青幻舎)、青山裕企『SCHOOLGIRL COMPLEX』(イースト・プレス)、荒木経惟『男 アラーキーの裸の顔』(KADOKAWA)などがある。
Kanzan Gallery(千代田区東神田1-3-4 KTビル2F)