今日、月曜日はギャラリーは休み。
とはいえ、階下のスペースからは作業の物音が響いてくる。
山内悠が展示の照明などを一日かけて調整しているもので、夜に入って見渡したところ、ずいぶん一点一点の彫りが深く見えるようになった。
写真集『夜明け』は近藤一弥さんのアートディレクションによる。
先週いっぱいで刷了したその写真集は、本来の生命感をそこなうことなく、地球上の緯度・経度の一点に絞り込まれていくような美しさをたたえている。
写真集と展示はもちろん別もの。
そして、もしかすると写真集は、山内悠のいまをすらどこかで追い越しているかもしれない、と思う。
作品を作家が追いかける、そんな不思議な怖い時期もあるのかもしれない。
そして今日、懸命に手直しされた展示はまだ荒削りかもしれないが、力強さにあふれていて、納得がいった。
標高3000メートルの山小屋で600日。
一歩も動かずに、何処へ行ったか。
(姫野希美)