日本写真集史 読売新聞で紹介

読売新聞 22.10.14 文化面で アルル国際写真フェスティバルで写真集の賞を受賞した
金子隆一、アイヴァン・ヴァルタニアン共著「日本写真集史1956-1986」が紹介されました。


日本の写真集文化 高い評価

日本の写真家はプリントよりも、写真集を重視する傾向が強いとされる。

ー中略ー

写真家の発表手段は、プリントの展示や販売、雑誌掲載、写真集のように幅広い。東京写真美術館専門調査員で、自身、雑誌類を含めれば約2万冊をコレクションする金子さんによると、日本では戦後、プリントよりも写真集を重視する考え方が強まった。
それが90年代に入って、荒木経惟、森山大道さんらが国際的に評価され、彼らの旧作に光が当たる中で、編集者やデザイナー、印刷会社も情熱を注ぎ、高いレベルの写真集が作り続けられてきたことに海外のコレクターらが気づくようになったという。その良質な成果を選んだ『日本写真集史』は長年、企画を温めてきた1冊。

ー中略ー

こうした写真集文化は恵まれた出版環境から生まれたわけではない。今日でも写真家とその仕事を理解する小出版社、専門的な技術を持つ印刷会社などに支えられているのが現実と言ってよいが、その密度の高い共同作業こそが、国際的な評価に値する写真集の質を維持してきたことも改めて注目されるべきだろう。