澁谷征司写真展「DANCE」
2010年11月19日(金) ~ 2010年12月25日(土)
OPEN|12:00~20:00
CLOSE|月・祝日
オープニングレセプション
2011年11月19日(金)19:00~21:00
会場にて写真集『DANCE』(定価5000円)を先行発売致します。
この度、AKAAKAでは澁谷征司写真展「DANCE」を下記の日程で開催致します。
あわせまして、写真集「DANCE」を発刊致します。
想像力が現実と切り結び、克明さが混沌を描き出す「DANCE」。
時間と空間が何重にもかさなり、世界の記憶の層に触れていきます。
写真展に合わせて写真集を刊行致します。
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この本に収められた写真はここ15年の間に撮影しました。
ごく最近のものもあるし、撮ったことすら忘れていたものもあります。
写真が新しい束となり、べつの表情や連なりを見せてくれるのはとてもたのしい。
僕が撮影する時にまず考えるのは、どこにその被写体の正面があるのかということです。
どこから撮れば見る人にものの有り様が伝わるのか。できることならより正確に、より親密に伝えたい。
それは決して情報をきちんと伝えたいということではありません。
ものごとに目を凝らし克明に捉えること。その行為の前ではその写真に写っているものが何であるのかはほとんど意味をなしません。
なぜなら写っているものとべつの何かが立ち上がってくるからです。
目で世界を見ることと、写真で世界を見ることのちがい。そこに僕はユーモアや希望のかけらを感じます。
克明であるといってもそれはくっきり写っているとか、細かく写っているとか、そういうことではありません。
ものごとの形や色にさわり、混沌を鮮明に描き、意味も構造も家柄も血液型も気にせずに向き合ってみる。
そうやって見渡した世界に使い古されたイメージやあらかじめついている名前は必要ないのではないかと僕は思います。
深く想像すること。目の前の現実に素足を浸しながら世界を像に結合する。
想像力をもってしか僕らの現実は立ち上がってこない。
扉を開けると、世界は明るくはてしない。いつも通りでなんだか吹き出しそうだ。
まだ名前のついてない新芽が青々と顔を出し始めるとき、まぶしい空をかもめたちが行き交うように、
きみのほほに笑みをたたえて。
澁谷征司 2010年 11月