6月5日の読売新聞朝刊に、名越啓介写真集『SMOKEY MOUNTAIN』をご紹介して頂きました。
以下ご紹介頂いた記事になります。
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フィリピン・マニラ郊外にあるスモーキーマウンテン。
自然発火の煙が上がる巨大なゴミ山は、再利用できる物を拾う人たちとその家族の生活の場である。
混沌とした現実と同様に、生と死、喜怒哀楽を切り取ったモノクロ写真が入り交じる。
無邪気に遊ぶ裸の子どもや、赤ちゃんを抱く笑顔の大人など「喜」の写真が印象的だ。
米国やアジアで不法占拠者やギャングを撮影してきた1977年生まれの名越さんは、
劣悪な環境下に咲く笑顔の奥を知りたくて、10年間通った。
近くから、遠くから。ブレたり、ボケたり。
さまよう視線が、見る者に生きることの意味を問い直してくる。
あとがき後に、ある家族の集合写真がある。
「悲しみを乗り越えた先にある人間の強さ、ともに生きる喜びと絆を感じる瞬間だった」。
名越さんがたどり着いた答えなのかもしれない。