2012年ヒューストン国際フォトフェスト個展,アルル国際写真祭個展 、
2013年 京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ「沖縄・オキナワ・OKINAWA」展 、
2014年 ニュ―ヨーク・セピアアイ「GAMA CAVE」展 など、
各地で展示を続けて来られたオサム・ジェームス•中川さんが、このたび東京で2つの個展を同時開催される事になりました。
オープニングレセプションも行われますので、お誘い合わせのうえ是非お越し下さい。
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オサム・ジェームス・中川 写真展「沖縄 ― GAMA/BANTA/REMAINS」
主催 東京工芸大学芸術学部
会期
2014年6月2日(月)~2014年8月3日(日) 10:00~20:00 無休
入場無料 6月3日(火) 18:30よりレセプション
概要
カラー写真作品 25点
太平洋戦争末期、壮絶な地上戦の舞台となって多くの犠牲者を出し、いまもなお米軍基地問題などによって、日本とアメリカの間で翻弄され続けている沖縄。
本展は、アメリカを拠点に活動する写真家オサム・ジェームス・中川による、沖縄戦の記憶が残る場所をテーマとした、「GAMA」「BANTA」「REMAINS」3つのシリーズから構成されます。
「GAMA」は、戦時中に病院壕や避難壕として使用され、集団自決や虐殺によって多くの住民が悲惨な死を遂げた自然の洞窟内部を、長時間露光で捉えた作品。
「BANTA」は、沖縄戦末期に、追い詰められ逃げ場所を失った住民が身を投げた、海面まで数十メートルの断崖を高解像度のデジタル写真で描いた作品。
そして「REMAINS」は、いまも各地に点在する戦争の痕跡を辿って記録した作品です。
これらの作品は、それぞれ違うアプローチで制作されていますが、どれも沖縄の豊かで美しい風土に沁みついた、人々の悲しみの記憶と歴史を可視化しようとしており、圧倒的な存在感をもって見る者に迫ってきます。
アメリカに生まれ、幼少期を日本で過ごし、沖縄出身の妻を持つ中川にとって、沖縄の過去を見つめることは、自らのアイデンティティを見つめることでもあるでしょう。
本展は、中川が捉えた沖縄を通して、決して忘れてはならない過去へと思いを巡らし、いま現在の私たち自身のアイデンティティと、これからについて考えるきっかけになるのではないかと存じます。
場所
写大ギャラリー (東京工芸大学・中野キャンパス内) 東京都中野区本町2-4-7 芸術情報館2F
地下鉄丸ノ内線・大江戸線 中野坂上駅下車1番出口・徒歩7分
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オサム・ジェームス・中川「GAMA CAVES」
会期
2014年6月6日(金)−7月19日(土)
6月6日(金) 18:00より レセプション
月 - 金 11:00 - 19:00
土 11:00 - 18:00
日・祝日 展示のない土曜日 休館
概要
日本の最南端に位置する沖縄県は、豊かな自然と文化をもつ美しい島々からなります。しかし、17世紀以降、日本による侵攻・支配を受け、琉球王国から沖縄県へと強制された歴史を持ちます。第二次世界大戦末期にはアメリカと日本の地上戦の舞台となり、多くの住民が犠牲となりました。2012年にはオスプレイが配置され、フェンスの向こう側は自分たちの土でありながら踏むことの許されない領土。アメリカと日本、二ヶ国間の問題を押し付けられた形で現在もたくさんの問題を抱えています。
沖縄出身の妻を持つウチナームークである中川が大きなテーマとして沖縄を選んだことは、血のつながりを写した「廻」シリーズに続く家族の物語でもあり、また、中川自身の、アメリカと日本というふたつの国の狭間で揺れるアイデンティティにも起因しています。
第二次世界大戦下、多くの住民が身を投げた崖を写した「バンタ」シリーズは2009年〜2010年に沖縄を始め日本でも個展が開催されました。超高解像度の鮮烈なイメージが記憶に新しいことと思います。
フォト・ギャラリー・インターナショナルでの初の個展となる今回は、GAMA CAVESと題し、バンタ撮影後、戦時中、避難壕や病院、集団自決の場となった洞窟に潜り、闇の中、長時間露光と懐中電灯で撮影した「ガマ」シリーズからインクジェットピグメントプリント、約15点をご覧頂きます。
このシリーズはヒューストン美術館学芸員であるアン・タッカーの「WAR/PHOTOGRAPHY」展でもピックアップされ多くの反響を得ました。
食器や衣類など、未だ戦争の残骸の残る洞窟の内部。自然のものか焼かれてできたものか、その壁の色と模様が写し出されたイメージの数々。目に見えないガマの気配を凝視した中川の写真は、川田喜久治が写した原爆ドームの染み(「地図」より)と同じく、歴史上のカタストロフを刻み、作品を見る私たちに忘れてはならない過去との対峙を促します。
場所
フォト・ギャラリー・インターナショナル
東京都港区芝浦4-12-32
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