浅田彰さんが札幌国際芸術祭2014の松江泰治作品について評を寄せてくださいました

Cultural Search Engine REALKYOTO(http://realkyoto.jp/)にて、京都造形芸術大学大学院学術研究センター所長で批評家の
浅田彰さんが札幌国際芸術祭2014の札幌芸術の森美術館 企画展示「都市と自然」での
松江泰治さんの展示作品「JP-01 SPK」について評を寄せてくださっています。

ぜひご一読ください。


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(略)

札幌芸術の森美術館に戻って、館内に入ろう。そこでもいろいろと興味深い作品を見ることができるが、ここでは松江泰治の新作に触れておきたい。この写真家は、「地球の表面のサンプルを収集する」というコンセプトの下に、空撮技術も駆使しながら世界各地の風景をとらえてきた。そこでは人間中心のパースペクティヴが排除され、すべてが均一かつ網羅的にとらえられる。当然、人間の営みも写っているが、それもまた、安易な感情移入を排し、昆虫学者が蟻の生態を観察するような視線でとらえられているのだ。去年の夏から札幌で撮影されてきた新作群もその延長上にあるが、とくに冬景色は驚異的な精度で、もっと大きなサイズのプリントでも十分鑑賞に耐えただろうと思われる。一見無機的とも見えるそれらの写真は、センチメンタルなエコロジズム(「自然に優しい人間文明/人間文明に優しい自然」というナルシシスティックな幻想に基づく)とは無縁なところで、人間が地球という惑星の上に住む蟻のような存在であることを、静かに、しかし強い説得力をもって、観る者に感じさせる(アンドレアス・グルスキーと比較してみてもいいかもしれない。グルスキーは量に還元されてしまった現代の世界の表面をひたすら量的にとらえてみせるのだが、実はコンピュータによる画像処理を導入して、人間がスペクタキュラーと感ずるような画面をつくっている。それは、確かに人間的なドラマを欠いた、しかしスペクタキュラーなイメージなのだ。松江泰治にそのようなごまかしはない。その作品は、ノンスペクタキュラーなドキュメントとして、はるかに多くのことを見る者に語りかける)。

(略)

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記事の全文はこちらからご覧ください。(REALKYOTOのwebサイトへリンクします)
http://realkyoto.jp/blog/sapporo-internationalartfestival2014/


札幌国際芸術祭2014は2014年9月28日(日)まで札幌市内の9会場で開催中です。
詳細は下記をご参照ください。(札幌国際芸術祭2014のwebサイトへリンクします)
http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/




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