これまでグルメとお買い物のイメージしかなかった香港。そこにいきなり巻き起こった学生の抗議デモの様子に、多くの人が驚いたのではないでしょう か。雨傘で催涙ガスに抵抗する姿や、路上を埋めるテントの群れなど、どれもこれまでの香港には見られなかった光景です。若者たちの怒りとパワーはどこから 来たのか、他の人々は彼らの行動をどのように見ているのか、香港社会が直面している状況を、香港出身で東京で活動する写真家ERICにリポートしてもらいます。
ERICの両親は中国の広東省出身で、1972年、まだ文化大革命の影響下にあった中国を脱出、仲間ともに一週間かけて山越え、川を渡って香港にた どり着きました。ERIC はその2年後に香港で生まれています。今回の抗議活動については、友人たちは賛同で、両親は反対と、当然ながらその評価は一様ではありません。
ERIC はこれまで日本、中国、インドなどで人の蝟集する場を至近距離で撮影し、独特なスタイルで写真作品を作り上げてきましたが、香港を撮ったのは、実は今回が はじめです。どうしてこんなことになったのか自分の目で確かめたい、いま香港がどのように動いているのか知りたい、という思いにかられたと語ります。
デモ隊に催涙ガス弾が投げられ2日後に香港に入り、これまで2度にわたって取材をおこなってきましたが、撮影された写真には、デモの現場だけではな く、デモとは無関係の街の情景も入っています。いかにもERICらしいエネルギーと色に溢れたそれらの写真を上映してもらいながら、会場からも質問や意見 を受けて双方向で進めます。
(企画:大竹昭子)
日時
参加費
学割 1,000円(学生証提示)NEW
予約方法
出演
ERIC(エリック)
1976年香港生まれ。1997年、日本語を習得するために来日。写真店「西村カメラ」に住み込みで働きながら写真を学ぶ。代表作に『中国好運|GOOD
LUCK CHINA』(赤々舎、2008年)、『LOOK AT THIS
PEOPLE』(赤々舎、2011年)等。2009年第9回さがみはら写真新人奨励賞受賞。2014年9月にインドで撮影した最新作『Eye of
the Vortex』(赤々舎)を刊行。
http://ericolour.com
大竹昭子(おおたけあきこ)
1950年東京生まれ。作家。小説、エッセイ、批評など、ジャンルを横断して執筆。小説に『図鑑少年』『随時見学可』『鼠京
トーキョー』、写真関係に『彼らが写真を手にした切実さを』『ニューヨーク1980』『この写真がすごい』など。朗読イベント「カタリココ」を開催中。
http://katarikoko.blog40.fc2.com
場所
SARAVAH東京TEL/FAX 03-6427-8886