【展示】 田淵三菜「ホオノキ(2013)」-5月1日(金)〜31日(日)/Hiraka Food Labギャラリー(長野県佐久市)-

写真集『森二入ル』を鋭意制作中の田淵三菜さんが先月・先々月に引き続き、
長野県佐久市のMaru Cafe内のHiraka Food Labギャラリーにて写真と手づくりの写真集を展示しています。
メインイメージは3月の「オオカメノキ / Scarlet Leaved Viburnum (2013)」と
4月の「チョウセンゴミシ / Chinese Magnolia Vine (2013)」を経て、
今月は「ホオノキ / Magnolia obovata(2013)」に切り替わりました。

皆さまぜひ足をお運びくださいませ。



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© Mina Tabuchi

田淵三菜
ホオノキ / Magnolia obovata(2013)

引き続き5月のアーティストも、2012年より単身、北軽井沢の森に移り住み、アルバイトをしながら
森の写真を撮り続けている田淵三菜さんです。近々、写真集を出版する田淵さんのはじめての展覧会では、
季節を先取りし緑あふれる森の「ホオノキ」を展示しています。
本棚では手作りの写真集で1年間の森の移り変わりを見ていただけます。明日、5月1日から31日まで
Maru Cafe レジ横のHFLギャラリーにて、今月はスライドショーも企画しています。

会期

2015年4月1日(水)〜 30日(木)

場所

Maru Cafe 内 Hiraka Food Lab ギャラリー

Maru Cafe(Maru Cafeのページへリンクします)


田淵三菜
1989年神奈川県川崎市生まれ。青山学院大学文学部史学科卒。
大学在学中、写真評論家飯沢耕太郎氏の講義を受講し、同時に写真の指導を受ける。
22才の夏、群馬県嬬恋村浅間山麓の森に出会う。
2015年夏、写真集『森ニ入ル(もりにいる)』(赤々舎)を刊行予定。

ホオノキ(2013)/学名【Magnolia obovata】
初夏や夏は大雨が降ったりします。すると、ワクワクして森に入ります。
どんなに大雨でも森に入れば雨が弱まったように感じます。そのかわり、雨粒が葉に当たる音がどこまでも森に響き、
雨音に囲まれて、自分の足音も薄れます。小さな葉にあたる雨音、大きな葉にあたる雨音、立つ場所によっても音が違います。
音に包まれているうちに、森に溶けこんでいける気分になります。
この写真も大きな雨音の中で撮りました。
ホオノキの下では、大きな葉に当たる雨音がバタバタと鳴って、葉の上でまとまった雨粒がボタボタ落ちてきます。
見上げれば顔中のいろんなところに落ちてきます。目を閉じて感じてみると、予測のできない間隔で肌にぶつかる
雨粒のショックが顔中に広がりました 。一粒一粒に心が震えて、生まれてはじめて雨を知ったような嬉しさが沸き上がってきます。
この感覚を持って帰りたかったのか、足もとに広がっていたホオノキの落ち葉のあり様をしつこく何枚も何枚も撮りました。
葉そのものも持って帰って部屋に飾ったら、ふと気がつくとあのすてきな模様や色は消え、ベージュの落ち葉に変わっていました。


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【 4月の展示 「チョウセンゴミシ / Chinese Magnolia Vine (2013)」】

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© Mina Tabuchi

田淵三菜

チョウセンゴミシ / Chinese Magnolia Vine (2013)


引き続き4月のアーティストも、2012年より単身、北軽井沢の森に移り住み、アルバイトをしながら森の写真を撮り続けている田淵三菜さんです。今月、写真集を出版する田淵さんのはじめての展覧会では、季節を先取りし緑あふれる森の「チョウセンゴミシ」を展示しています。本棚では手作りの写真集で1年間の森の移り変わりを見ていただけます。本日4月1日から30日まで Maru Cafe レジ横のHFLギャラリーにて、5月にはスライドショーも企画しています。お察しの通り、来月のアーティストも田淵三菜さんです。


チョウセンゴミシ/学名【Schisandra chinensis】
「今日はどこの森に入ろう?」 ベッドで目を開けてからずっと考えている。
窓から差し込む光の色、時間帯、ドアを開けた時の空気のやわらかさや匂い、太陽の位置、そんなことを
なんとなく感じながら、カメラと熊鈴を持って車に乗り込みます。森の中をきままに走って、「この辺りだ」と思うと
車を置いて、思うがままに森の中に突っ込んでいきます。道無き森を五感を使って奥へ奥へ入っていきます。
動物や虫の気配に怖じ気づきながら、でも写真を撮っていると忘れてしまうから危険です。
この写真に納めた場所もそんなふうにして出会った場所でした。
地面をびっしりと埋めるチョウセンゴミシの脅威的な繁殖魂は、静かに、この森の空気を支配していました。


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【 3月の展示 「オオカメノキ/Scarlet Leaved Viburnum (2013)」 】


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© Mina Tabuchi

田淵三菜
オオカメノキ / Scarlet Leaved Viburnum (2013)

3月のアーティストは、2012年より単身、北軽井沢の森に移り住み、アルバイトをしながら森の写真を撮り続けている田淵三菜さんです。4月に写真集を出版する田淵さんのはじめての展覧会では、季節を先取りし芽吹き始めた森の「オオカメノキ」を展示しています。本棚では手作りの写真集で1年間の森の移り変わりを見ていただけます。本日3月1日から31日まで Maru Cafe レジ横のHFLギャラリーにて、5月にはスライドショーも企画しています。

オオカメノキ/学名【Viburnum furcatum】
北軽井沢の三月はたっぷりとつもった雪がじわじわと溶けて、
まだ見ぬ春への期待に胸が高鳴る頃です。
木々は大急ぎで芽吹きの準備をしているように見えます。
まだまだ寒くて、あとひと月すれば、こんなにかわいい花が咲くなんて信じられません。
でも、春は霧のベールの向こう側でちゃんと待っていてくれると、この写真はわたしに教えてくれます。