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浅田政志、山内悠と浅草浪花家さんで展示をしてきましたが、今日からまた新しい展示が始まります。

写真集『挨拶』を2009年に発表し、今年2月にはAKAAKAで「コノキシ」展を開催した佐伯慎亮さんの展示になります。


佐伯慎亮「コノキシ2」

日時

2011年6月25日(土)〜7月23日(土)
OPEN | 10:00 〜 19:00 無休

会場

浅草浪花家
東京都台東区浅草2-12-4(地図
Tel : 03-3842-0988
ホームページはこちら


独自の死生観とユーモアが滲む写真の力。
コノキシとカノキシの果てしない往還、そして接触。
写真集『挨拶』から確実に動き続けている佐伯慎亮の作品を、
最新作も含めて展示します。

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今まで何度か、このブログでも書いていますし、
ホームページのトップの大きなバナーでも紹介しているので
お気づきの方もいるかもしれませんが

この夏、赤々舎は東北各地でスライドショーツアーを行います!!

名付けて、「ON THE MOVE 〜 写真の種をまく 〜」です。


7月31日(日)に青森県の八戸からスタートし、車で南下して、
最後8月7日(日)に東京のAKAAKAにたどり着くというツアーになります。

各地でスライドショーをするのですが、
新作を発表する人もいれば、映像作品になる人もいたり、とても面白いものになります。

また、一部ではワークショップなども開催します。

そういった詳細は、特設ホームページで順次公開していくので、
ぜひそちらをチェックし続けて下さい。

特設ホームページはこちらになります。
http://akaaka.com/tohoku-tour/diary/

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© Masashi Asada


これまで、数回続いてきた産經新聞文化面の【After 3・11】ですが、
今回は写真集『弾道学』の黒田光一さんが寄稿されました。


いま、本当に欲しいものは


自分たちはそれを欲しいと思わされてきたのか、いや、確かに欲しがったのだろう。
耳当たりのいいコピーで飾られた強大なエネルギー源と、
隅々まで明るく照らされた部屋で安穏を消費し続けられる世界を。
そのシステムをいまだ完全には手放せずにいる。

3・11から1週間が過ぎた頃、気付けば、まったく写真を撮っていなかった。いや、忘れていた。
それはあまりに個人的な些事(さじ)にすぎない。
ただ、その空白に何か焦りのようなものが込み上げてきて、
そこからしばらく毎日、多くの写真を撮った。
無理に、嘘でもいいから、と自分の肩を押した。やみくもに歩いた。

大いなる貧しさを内攻させた東京の表面をなぞりながら、
4月初め、当たり前の肉体感覚は取り戻したつもりになっていた。
さまざまな 情報が飛び交う中、胆力はあるつもりでいた。
被災しなかった人間がとるべきであろう態度を保って、
空気やイメージには流されない自分がいると構えていた。

だが、気付かない内にそんな心持ちは擦り減る。
写真を撮る根拠さえ見失いかけた5月初め、相馬を歩く。
崩れた漁港。人に視線を向けるとは思っていなかった。
しかし不調、乱調の中でこそ人はよく生きるのかもしれない。
自分には"撮らない"という選択はないのだと腑に落ちる。
そしていま、ひたひたとやってく るさらなる虚(うつ)ろさが、この足先を浸しかけている。
人間はいとも簡単に目に見えないものに侵食されていく。
自分にとって"写真"は口実だ。足を浸し切らずに生きのびるための。

僕らは、曖昧で手に取りにくいもの、見えづらいもの、
闇を排除し続けてきた果てに、いま、漏れ出る見えない"飛沫(ひまつ)"に付きまとわれている。
それは、あるのかもしれず、ないのかもしれず、ゆえにどこまでも人をおびえさせる。
いま、本当に欲しいものは何なのか。

(産經新聞のWEBでもご覧になれます。)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110622/dst11062207500007-n1.htm

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現在、大阪のギャラリー・アセンス美術で開催中の「夜明け」展の
関連トークイベントの開催が決まりましたのでお知らせします。

「夜明け」の山内悠さんと、写真集『挨拶』の佐伯慎亮さんの対談になります。

お時間ありましたら、ぜひトークにご参加ください。


山内悠 × 佐伯慎亮トークイベント

日時

7月1日(金)19:00 〜

入場無料・予約不要


会場

ギャラリー・アセンス美術 心斎橋アセンス 5階(地図はこちら

【お問合わせ】心斎橋アセンス Tel : 06-6253-0185

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「PHaT PHOTO」7-8月号に、写真集『スカイフィッシュ』の高橋宗正さんが
宮城県山元町で行っている活動についての記事が掲載されました。

宜しければ、手に取ってご確認ください。


「写真を救え!」。被災地で写真技術が求められている

「写真ってこんなに具体的に役立つものなんだ。そう実感しました。」
そう話すのは作品集『スカイフィッシュ』などで知られる写真家・高橋宗正さん。
今回の震災に関するボランティア活動に参画しての言葉だ。

高橋さんが関わっているのは、宮城県山元町での「思い出サルベージ アルバム・オンライン」プロジェクト。
日本社会情報学会・災害情報支援チームが実行しているもので、
埋もれて汚れた写真を洗浄・複写し、持ち主の元へ届ける活動だ。

津波被害地域で瓦礫の撤去作業にあたる人たちは、
思い出となる品をできるだけすくい上げ、持ち帰るようにしている。
各家庭のアルバムはその最たるもので、膨大な写真が持ち主不明のまま保管された状態。

泥を被った写真は、そのままではカビが生えたり劣化したりで、
梅雨どきになると大半の画像が失われてしまうおそれも。
そこでプロジェクトチームがボランティアスタッフを募って作業を開始。
写真を洗浄後、複写してデータ化し、レタッチによる修復を施したうえで持ち主を探そうとしている。

撮影の専門技術を生かして作業に取り組んできた高橋さん。
「複写は進んでいますが、レタッチなどはこれから長期戦で続きます。関心のある方、ぜひ一緒に」という。
写真関連の技術を人のために活かせる機会だ。

テキスト:山内宏泰

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日本社会情報学会・災害情報支援チームでは、
「思い出サルベージ アルバム・オンライン」プロジェクトに参加するボランティアを随時募集中。

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