この度、地点と赤々舎は、石川竜一写真展『草に沖に』を開催いたします。
共に京都に拠点を置く、劇団「地点」と出版社「赤々舎」の初めての共同プロデュースとなります。
いま最も注目される写真家・石川竜一は、『okinawan portrait 2010-2012』『okinawan portrait 2012-2016』に代表されるようにポートレートを撮り続けてきた写真家です。最新作の『okinawan portrait 2012-2016』では風景写真をポートレートとして人物と並置するなど、ポートレートそのものの概念を拡張してきました。
演劇はとりもなおさず舞台上の俳優を見るという行為ですが、劇場空間に石川による草のポートレート、人物のポートレートを置くことで、アンダースローの舞台上に初めてコロスが出現するのではないかと期待しています。
社会と個人、集団のなかの個人を考えつづける石川の作品群に、見る人自身も加わり、舞台がストリートと接続していることを体感していただく機会となるでしょう。
本展は地点の演出家・三浦基による空間構成も見所の一つ。併設のカフェでは赤々舎から刊行された写真集の数々や、アンダースローの雑誌『地下室』もお手にとってご覧いただけます。
皆様のご来場、お待ちしております。
地点のアトリエ「アンダースロー」では、雑誌を作ろうと動き出しています。
『地下室』と名付けられた雑誌は、劇場からするどい言論を生み出すべく右左もわからない中、
とりあえず編集部を立ち上げて奮闘中です。まだ編集長を誰がやるかは決まっていないので、
この文章は私が代表して書いているのです。
いつも劇団のデザインを任せている松本君と編集部で雑誌のビジュアルをどうするか悩み、
かっこいい写真集ばかり発行している赤々舎の姫野さんに相談しました。
あっと言う間に、沖縄に住んでいる石川さんを引き連れてアンダースローに劇を見に来てくれました。
あっと言う間に、酔っぱらった私たちは、雑誌の準備号としてまずは〈草号〉を作ることになったのです。
とりあえず石川さんには、草の写真をいっぱい撮ってもらうことになりました。
やっぱりかっこいい草ばかりが届きました。雑誌に掲載する写真は限られていますから、
他にもいい写真がたくさんあることに気がついた姫野さんは、展覧会をしたいと思ったようです。
アンダースローで石川さんの写真展を開催します。
劇場が雑誌をつくる、劇団が写真展をする。
普段とは違うこの動きもすべては、かっこいいことだけをしていたいという私たちの遊びです。
カフェ・バーも開いていますので、どうぞ、みなさんお気軽にお越し下さい。
たくさんのお酒を飲んで、たくさんの写真を見て。
こんな遊びから言論が生まれたら、一番かっこいいはずだから。
三浦基
地点代表・『草に沖に』ディレクション
■展覧会概要
地点×赤々舎 石川竜一写真展
『草に沖に』
会期: 2017年3月25日(土)〜4月25日(火)
13:00-20:00 会期中無休
*3/25土は18:00よりOPEN
入場無料
会場: アンダースロー 京都市左京区北白川久保田町21地下
■京都市営バス17・203系統、5・204系統「銀閣寺道」下車→徒歩約1分
*JR京都駅からはバスターミナルA2のりばより17系統へのご乗車が便利です 時刻表は
こちら■京阪「出町柳駅」出入口7番下車→徒歩約25分
■出町柳駅よりタクシー利用の場合→所要約5分、800円程度
OPENING TALK 3月25日(土)19:00-21:00
出演:石川竜一、三浦基、姫野希美
要予約 参加費:500円(ワンドリンク付き)
NEW ! クロージングイベント 4月23日(日)18:00-20:00
姫野希美(赤々舎)×松本久木(松本工房)の漏話(クロストーク)
「今の話は聞かなかったことにしてください」
要予約 参加無料
ご予約:メールの場合 info@akaaka.com (赤々舎)
お電話の場合 TEL. 075-371-8025 (赤々舎)
もしくは会場(アンダースロー)にて承ります。
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石川竜一 Ryuichi Ishikawa
1984年沖縄県生まれ。1984年沖縄県生まれ。2010年から写真家・勇埼哲史に師事。翌年、東松照明デジタル写真ワークショップに参加。2012年、『okinawan portraits』で第35回写真新世紀佳作受賞。2014年、写真集『絶景のポリフォニー』『okinawan portraits 2010-2012』(いずれも赤々舎)を刊行し、第40回木村伊兵衛写真賞受賞。2015年、日本写真協会賞新人賞受賞。他、主な写真集に『adrenamix』『CAMP』、最新作に『okinawan portraits 2012-2016』(2016年、赤々舎)。主な出展に、横浜美術館「BODY/PLAY/POLITICS」、三菱地所アルティアムでの個展『okinawan portraits 2012-2016』(いずれも2016年)。
三浦基 Motoi MIURA
1973年生まれ。1999年より2年間、文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在する。2001年帰国、「地点」の活動を本格化。2005年、京都へ拠点を移す。2006年『るつぼ』(作:A・ミラー)にてカイロ国際実験演劇祭ベスト・セノグラフィー賞受賞。2007年より〈地点によるチェーホフ四大戯曲連続上演〉に取り組み、第三作『桜の園』にて文化庁芸術祭新人賞受賞。ほか、2011年度京都市芸術新人賞、第24回(2017年)読売演劇大賞選考委員特別賞受賞など受賞多数。著書に『おもしろければOKか?現代演劇考』(五柳書院)。
三浦基が代表をつとめる。再構成やコラージュによる作劇を得意とし、その独自性は国内外で高く評価される。抑揚やリズムをずらし、意味から自由になることでかえって言葉そのものを剥き出しにする手法は、しばしば音楽的とも。2013年、北白川にアトリエ「アンダースロー」を開場。レパートリー作品の継続的な上演のほか、観劇互助システム「カルチベートチケット」の導入や雑誌『地下室』の刊行など、幅広い活動を行っている。主な作品にチェーホフ作『三人姉妹』、ブレヒト作『ファッツァー』、イェリネク作『光のない。』『スポーツ劇』など。http://chiten.org/
赤々舎 AKAAKA
2006年設立のアートブックの出版社。写真集と現代美術の作品集を中心にこれまで約160冊を刊行。新人のデビュー写真集も多く手がけ、木村伊兵衛写真賞の受賞者は6名を数える。常に写真表現の可能性を模索し、写真とは何か、写真を見ることとは何かという本質を探求しつつ、大きな問いの器として写真集を制作している。また設立当初より、海外の作家作品、特に写真と言葉の関係において注目される作家の作品集も継続的に刊行し、国内の写真界に強い刺激を与え続けている。近年では写真家と共に国内外を巡るスライドショーツアーや展示なども企画し、現在的な写真行為の在り方を、作品のみならず写真家の肉声でも伝える活動も積極的におこなっている。2014年、第29回梓会出版文化賞特別賞受賞。
アンダースロー 京都市左京区北白川久保田町21地下
石川竜一写真集『okinawan portraits 2012-2016』はこちらから