Blog
今回の東北関東大地震では、今なお余震そして深刻な被害も続いております。被災され苦しい日々を送る皆様には心からお見舞い申し上げ、お亡くなりになった多数の方々のご冥福をお祈りいたします。
昨日から東京のAKAAKAギャラリーにおいて写真展が始まりました。
正直、開催に関しては考え迷いました。そして、こういった事態の中で、影響を受けつつも難を逃れられた、支障もない生活を送ることが出来ている自分が今やるべき最善のことは何かと考えた結果、開催に至りました。
そもそも平時においても、何かを表現し(日常会話なども含め)人前に晒すなどということはそういうことなのですが、まさに今、この社会の中で行う一つ一つ の行為は一体何なのであって、他者にどう影響するのか、という問いが自分のみならず、すべての人に突きつけられていると思います。
展示する写真は、地震発生のほんの少し前、1月中旬から2月の終わりまでの1か月余りの間に東京で撮影したものです。
ご無理のない状況において、足を運んでいただけたら幸いです。
黒田光一 2011.3.16(火)
続いていくことを信じ、続けていくために、
『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』の特設ページをつくりました。
多くの方々にご協力いただき、この本に寄せてくださるエッセイを掲載していきます。
第一回目として、笠原美智子さんの言葉を掲載させていただきました。
笠原さん、本当にありがとうございます。
どうかみなさんご覧いただければと思います。
『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(写真・インタビュー/ジョナサン・トーゴヴニク)は、
竹内万里子さんの企画・翻訳により日本語版を昨年秋に刊行致しました。
お陰さまで様々な書評をいただき、この2月には銀座ニコンサロンの展示会場でも
通常より遥かに多い来場者がございました。
水紋が静かに広がっていくように、写真やアートのジャンルを越えて、
この本の存在がより浸透していく手応えを感じております。
そしてさらにこの先、本書がもつ深さと多様な可能性を伝えていきたく、今回は特設ページを設け、
『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』にまつわるエッセイを掲載していきます。
おひとりおひとりから発せられる言葉こそ、最もひとに響くものと信じ、
幅広い分野で活躍される10名ほどの方々のエッセイを順次掲載できればと思います。
写真集「弾道学」から3年を経て、全40余点の新作で構成される本展は、
スペースAKAAKAでは初の個展となります。 ご来場を心よりお待ち致しております。
峠
2011年3月15日(火)~2011年3月27日(日)
OPEN 12:00~18:00
CLOSE 会期中無休
----- ギャラリートーク 1 -----
出演
黒田光一 × 若林恵(編集者)日時
2011年3月20日(日) 16:00~ (その後オープニングパーティーを行います。)会場
スペースAKAAKAご予約不要、入場料無料
----- ギャラリートーク 2 -----
出演
黒田光一 × 園子温(映画監督)日時
2011年3月27日(日) 16:00~会場
スペースAKAAKAご予約不要、入場料無料
-------------------------------
2011.1.20(木)入谷、六本木 → 2.25(金)渋谷、新宿、池袋へ。
歩くことに区切りを持てない。
が、なぜか 'ここは峠' と知らされる時があり、
それは逃げるようにふっと消える。
そして変わらずに見える、もっともらしく整った景色を行く。
生き物と、やはり生き物の自分との
夥しいクラッシュの痕跡がありあり透けて見え出す。
さも軽快に「人間の髄を見たんだ」と笑い転げ、
阿呆のように爽快に一日中歩き廻れればいい。
もはや道もなくした風の僕たちは、
なぜ未だに写真なんてものを撮っているのかと考え、
腑に落ちたことはない。
本当に誰にでも必要なものは、
スーパーマーケットでもH&Mでも、近所のごみ溜め、自分の足跡にも、
いつだって山積みだ。
黒田光一