Blog

現在発売中のアサヒカメラ6月号に写真集『Anticorps 抗体』のアントワーヌ・ダガタさんの
インタビューが掲載されています。

夜と昼の「暴力」を写す、と題されたこの記事、
ぜひお手に取ってご一読ください。



140605_dagata.jpg


ダガタさんは現在、東京・渋谷のアツコバルーにて写真展「抗体」を開催中です。
本日(6月5日)19〜21時にはダガタさんが在廊しており、本人を囲んで飲みながらお話しできます。
会場で写真集をお買い上げくださった方にはサインもしていただけますので、
ぜひ足をお運びください。
展示についてはこちらをご参照ください:http://www.akaaka.com/blog/ev-140522-dagata.html


bk-dagata-anticorps-02.jpg

5月29日、京都事務所で写真をセレクトした。
これまで何度もスカイプでやってきたことを、プリントを共に目の前にして、全点から選ぶ。写真を選ぶのは、まだ揺らげるとわかっていても、重さと痛みを伴う。私が、アントワーヌ・ダガタの映像「AKA ANA」の感想を入口に、会話を重ねようとしたのは、半分はその重さのせいかもしれなかった。二時間余り、「考えつづけることだけが必要」と彼は言いながら、「でも、いま姫野さんと僕がこうしてぐるぐる考えていることも、写真でそれを崩せますよ」と。

写真を選び始める。一気に、迷いを引きずりながらセレクトした後、「全部のなかから10点選びませんか。そうするとより筋がみえそう」となり、300点ぐらいから10点を選ぼうと、「これ」「これ」と繰りながら共に声を出し合ったものの、結局30点ぐらいになってしまった。大事な怖さ。
これとこれがあるのはどうなの? どちらか。 なぜこれが残るのか? 何を見ている?
どうやら20点になったものの、ただそれより先の減数が困難。

「3点、3点だけ、この中からそれぞれが選ぼう」と、(いま、それをやるか?詰めるか?)という運びになり、黙って卓上の写真を見る時間が過ぎる。選んだ。決めたとき、腑に落ちるものがあった。

そして先に、石川竜一が選んだものを挙げていき、2枚目、3枚目で、私は大きく動揺した。完全に一致していたから。
一致してよかった、ではなく、なぜ一致するのかというショック。
感覚も写真の見方も自ずと違うはずの私たちが共に選び出せるとしたら、その写真はどういうもので、どういう存在なのだろうか。傍らにある、写真という穴。

いま130点を選び出している。
私は、それと向き合い、並べながら、私自身を崩せるだろうか。





『津波、写真、それから』の高橋宗正さんが、6月28日(土)にIID(世田谷ものづくり学校)にて
「東北復興学」や「キャンプin仙台」などを手がけてこられた大内征さんとトークイベントに出演いたします。

このトークイベントは、おふたりがそれぞれ3年以上拠点を東京におきながら
東北と関わり続けてきた結果「わかったこと」を余すところなく語り、皆さまとシェアするというものです。
また、高橋宗正さんに写真の撮り方のコツを教われるミニワークショップがあったり、
『津波、写真、それから』の出発点でもあり支援先でもある宮城県山元町の名産いちごを使ったジェラートがふるまわたりと
素敵な参加特典もありますので、皆さまぜひふるってご参加ください。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

IMG_3211_2.jpg


3.11以後、なにか東北のためにできることをしたいと思った別地域出身の方や、地元のためになにかしたいと思った東北出身者の方は多いと思いま す。この3年間、そうした方を中心にさまざまなプロジェクトが生まれ、うまくいったものもあれば、続かなかったものもありました。

本イベントは、3.11を機に、被災した写真を洗浄・複写し、持ち主に返すプロジェクト「思い出サルベージ」に参加し(約30万枚の写真を持ち主に 返却)、新たに世界各地で写真展を行い復興支援金を募る「LOST&FOUND PROJECT」も立ち上げた写真家・高橋宗正さんと、東北出身者として「東北復興学」や「キャンプin仙台」などを手がけ、地方と都市生活者をつなぐ活動をしている大内征さんが、拠点を東京におきながら3年以上継続して活動を行ってきた結果「わかったこと」をシェアするものです。

キーワードは、プロジェクトを自分自身が「おもしろがる」こと。時間が経ったいまだからこそ、改めて震災と自分、地方と自分の関係を考えてみませんか? 東北や地方でやってみたいと思っているプロジェクトを実現するためのヒントも得られるはずです。

トークの後には、参加特典として、高橋宗正さんがミニワークショップで写真のコツを伝授(一眼レフでもiPhone等のスマホカメラでもOK)。休憩時間には写真集『津波、写真、それから』(赤々舎)の支援先である宮城県山元町の名産いちごを使用したジェラートも提供いたします。また、写真集『津波、写真、それから』の物販も行います。

1_original.jpg


高橋宗正(写真家)×大内征(東北復興学)
「東北と東京─震災から3年、わかったこと─」

日時

2014年6月28日(土)
12:00~14:00(11時40分開場)

参加費

3000円(当日お支払い)
※ミニワークショップ+ジェラート付き

参加申込方法

下記リンク先(ページ最下部)のお申し込みフォームから必要事項をお送りください。
主催者より主導で24時間以内に受付完了メールをお送りします。メールの送付を持ちまして受付完了となります。

参加お申し込みはこちらから: http://cloudbooks.biz/archives/678

持ち物

カメラをお持ちの方はぜひ(ケータイカメラでもOK)

場所

世田谷ものづくり学校2A教室(3階)東京都世田谷区池尻 2-4-5



出演者プロフィール

高橋宗正(たかはし・むねまさ)
1980年生まれ。 2002年、「キヤノン写真新世紀」優秀賞を写真ユニットSABAにて受賞。2008年、「littlemoreBCCKS第1回写真集公募展」リトルモア賞受賞。2010年、写真集『スカイフィッシュ』(赤々舎)刊行。2011年、「思い出サルベージ」副代表として津波に流された写真を洗浄、データ化し持ち主に返していく活動に参加。2012年、「LOST&FOUND PROJECT」を立ち上げ、国内外10ヶ所で展示をしながら宮城県山元町への寄付金を集める活動を開始。2014年、写真集『津波、写真、それから』(赤々舎)刊行。

大内征(おおうち・せい)
宮城県仙台市出身。世田谷ものづくり学校内・自由大学で被災地域体験プロジェクト「キャンプin仙台」を立ち上げ、2011年7月より仙台荒浜地区でキャンプ・プログラムをスタート。また、「東北復興学」教授として東北各地のキーパーソンとトークセッションを重ね、"多様な東北との関わり方"を追求。他、同校の人気講義「東京・日帰り登山ライフ」、「アイデアスケッチ・デイズ」のキュレーターも務める。2013年よりローカライズプロダクション代表、低山トラベラー。「PEAKS」「ランドネ」等の登山雑誌寄稿や広報誌・ビジネス誌に連載を持つライターとしても活動中。

スタッフプロフィール

小酒ちひろ(こさか・ちひろ)
「自由大学」運営事務局長。1979年、大阪生まれ。求人情報サイトの企画を担当し、従来の雇用形態による仕事探しに疑問を感じていたとき、自由大学と出会い入学。学びから仕事をつくるという視点に共感し、卒業後、仕事から暮らしまで様々な分野の講義のキュレーターを務める。2012年4月より運営事務局長。自ら学び行動する人のためのプラットフォームづくりに取り組んでいる。

鈴木収春(すずき・かずはる)
クラウドブックス株式会社代表取締役。1979年、東京生まれ。講談社客員編集者を経て、編集業の傍ら2009年より出版エージェント業を開始。須藤元気『今日が残りの人生最初の日』(講談社)、ドミニック・ローホー『シンプルリスト』(講談社)、タニタ&細川モモ『タニタとつくる美人の習慣』(講談社)等がヒット。

主催

IID(世田谷ものづくり学校)、自由大学、「東北と東京」実行委員会



『津波、写真、それから』はこちらからお買い求めいただけます。
bk-lostfound-02.jpg
今年、赤々舎が写真集の刊行を志している石川竜一さん(代表 姫野と現在毎日skype中)が、清水穣さんキュレーションの企画展「showcase #3 日本の肖像 石川竜一+内倉真一郎+原田要介」に参加されます。

アイデンティティ・ポリティクス(「日本」「日本人」という主語の同一性)に飲み込まれつつある現在の時代に、「日本人である」「日本に暮らしている」という述語の同等性を写し出すポートレートとはどのようなものか。

矛盾しあう様々な特性が、それぞれの肖像のなかでぶつかりあう現れの展示会場に、ぜひ足をお運びください。



会期

2014年6月6日〜29日 *金土日のみの開廊 12:00 - 18:00

会場

eN arts(京都円山公園内)


お問い合わせ先

TEL: 075-525-2355 / MAIL: info@en-arts.com





3.jpg

ishikawa4.jpg
 ©石川竜一

uchikura.jpg
 ©内倉真一郎

harada10.jpg
 ©原田要介



アクセス

〒 605-0073 京都府 京都市東山区 祇園町北側 円山公園内八坂神社北側

京阪「四条駅」下車、徒歩約10分。
バス♯201、203、206「祇園」下車徒歩約3分。
四条通の突き当たり八坂神社の西桜門に向かって左手に見えます、京都市営円山公園地下駐車場入口看板のある道路を約100m進んでください。お食事処「鳥久」様の隣です。


2012年ヒューストン国際フォトフェスト個展,アルル国際写真祭個展 、
2013年 京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ「沖縄・オキナワ・OKINAWA」展 、
2014年 ニュ―ヨーク・セピアアイ「GAMA CAVE」展 など、

各地で展示を続けて来られたオサム・ジェームス•中川さんが、このたび東京で2つの個展を同時開催される事になりました。

オープニングレセプションも行われますので、お誘い合わせのうえ是非お越し下さい。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


オサム・ジェームス・中川 写真展「沖縄 ― GAMA/BANTA/REMAINS」

0i3kexfpij.jpg uc2Ng9qSiI.jpg
主催 東京工芸大学芸術学部


会期

2014年6月2日(月)~2014年8月3日(日) 10:00~20:00 無休 
入場無料   6月3日(火) 18:30よりレセプション 


概要

カラー写真作品 25点


太平洋戦争末期、壮絶な地上戦の舞台となって多くの犠牲者を出し、いまもなお米軍基地問題などによって、日本とアメリカの間で翻弄され続けている沖縄。
本展は、アメリカを拠点に活動する写真家オサム・ジェームス・中川による、沖縄戦の記憶が残る場所をテーマとした、「GAMA」「BANTA」「REMAINS」3つのシリーズから構成されます。

「GAMA」は、戦時中に病院壕や避難壕として使用され、集団自決や虐殺によって多くの住民が悲惨な死を遂げた自然の洞窟内部を、長時間露光で捉えた作品。
「BANTA」は、沖縄戦末期に、追い詰められ逃げ場所を失った住民が身を投げた、海面まで数十メートルの断崖を高解像度のデジタル写真で描いた作品。
そして「REMAINS」は、いまも各地に点在する戦争の痕跡を辿って記録した作品です。
これらの作品は、それぞれ違うアプローチで制作されていますが、どれも沖縄の豊かで美しい風土に沁みついた、人々の悲しみの記憶と歴史を可視化しようとしており、圧倒的な存在感をもって見る者に迫ってきます。
アメリカに生まれ、幼少期を日本で過ごし、沖縄出身の妻を持つ中川にとって、沖縄の過去を見つめることは、自らのアイデンティティを見つめることでもあるでしょう。

本展は、中川が捉えた沖縄を通して、決して忘れてはならない過去へと思いを巡らし、いま現在の私たち自身のアイデンティティと、これからについて考えるきっかけになるのではないかと存じます。

場所


写大ギャラリー   (東京工芸大学・中野キャンパス内)    東京都中野区本町2-4-7 芸術情報館2F   
地下鉄丸ノ内線・大江戸線 中野坂上駅下車1番出口・徒歩7分






- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

オサム・ジェームス・中川「GAMA CAVES」         

WEB.jpg

会期

2014年6月6日(金)−7月19日(土)
6月6日(金) 18:00より レセプション

月 - 金 11:00 - 19:00
土 11:00 - 18:00
日・祝日 展示のない土曜日 休館

概要

日本の最南端に位置する沖縄県は、豊かな自然と文化をもつ美しい島々からなります。しかし、17世紀以降、日本による侵攻・支配を受け、琉球王国から沖縄県へと強制された歴史を持ちます。第二次世界大戦末期にはアメリカと日本の地上戦の舞台となり、多くの住民が犠牲となりました。2012年にはオスプレイが配置され、フェンスの向こう側は自分たちの土でありながら踏むことの許されない領土。アメリカと日本、二ヶ国間の問題を押し付けられた形で現在もたくさんの問題を抱えています。

沖縄出身の妻を持つウチナームークである中川が大きなテーマとして沖縄を選んだことは、血のつながりを写した「廻」シリーズに続く家族の物語でもあり、また、中川自身の、アメリカと日本というふたつの国の狭間で揺れるアイデンティティにも起因しています。
第二次世界大戦下、多くの住民が身を投げた崖を写した「バンタ」シリーズは2009年〜2010年に沖縄を始め日本でも個展が開催されました。超高解像度の鮮烈なイメージが記憶に新しいことと思います。

フォト・ギャラリー・インターナショナルでの初の個展となる今回は、GAMA CAVESと題し、バンタ撮影後、戦時中、避難壕や病院、集団自決の場となった洞窟に潜り、闇の中、長時間露光と懐中電灯で撮影した「ガマ」シリーズからインクジェットピグメントプリント、約15点をご覧頂きます。

このシリーズはヒューストン美術館学芸員であるアン・タッカーの「WAR/PHOTOGRAPHY」展でもピックアップされ多くの反響を得ました。
食器や衣類など、未だ戦争の残骸の残る洞窟の内部。自然のものか焼かれてできたものか、その壁の色と模様が写し出されたイメージの数々。目に見えないガマの気配を凝視した中川の写真は、川田喜久治が写した原爆ドームの染み(「地図」より)と同じく、歴史上のカタストロフを刻み、作品を見る私たちに忘れてはならない過去との対峙を促します。




場所

フォト・ギャラリー・インターナショナル
東京都港区芝浦4-12-32 


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


オサム・ジェームス・中川写真集『GAMA CAVES』はこちらからお買い求めいただけます。







<< Previouse 5556575859606162636465