ERIC 写真展 「中国女」

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7月10日(金) ~ 7月31日(金)

OPEN|12:00~20:00
CLOSE|月曜日

Opening Reception

2009年7月11日(土)18:00―20:00

トークイベント

1 ERIC×瀬戸正人 2009年7月19日(日)17:00 start
2 ERIC×飯沢耕太郎 2009年7月25日(土)17:00 start
両イベントともご予約承ります(himeno@akaaka.com またはTEL 03-5620-1475まで)。
会費500円となっております。

長雨の侯、いかがお過ごしでしょうか。日頃より格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。
さてこの度、スペースAKAAKAでは、ERIC(エリック)個展「中国女」を開催する運びとなりましたのでご案内申し上げます。

エリックは2008年秋、写真集『中国好運』(赤々舎)を刊行し、木村伊兵衛写真賞最終候補作品、さがみはら写真新人奨励賞を受賞しました。
木村伊兵衛写真賞の最終審査に当たった土田ヒロミさんは、以下の評を残されています。

「暴力的ともいえる至近距離でのスナップショットは、肉眼の視覚を超えた形象を見事に捉えて秀逸である。『中国好運』は、北京オリンピックを直前に沸く中国。その表層に隠された欲望の貌を悲壮なまでに赤裸々に捉えている。また、中国への関心は、作者自身の中国人としてのアイデンティティを問う個人的な作業としても始めたという。己を穿つように踏み込んでいった作業がこのドキュメントを一層リアリティあるものにしている」

今回展示する「中国女」はすべて、『中国好運』刊行後、2ヶ月余りをかけて再び撮影された新作です。
「もっと農村や地方に入り込みたい。撮影スタイルも日中シンクロにこだわらなくていいかもしれない」と、刊行後に語っていたエリック。 今回の旅で、雲南地方の伝統的な祭である水かけ祭や泥かけ祭を目指し、変わらず路上でのスナップも繰り返しながら、フィルム400本分を撮影しました。
エリック自身が驚いたことに、そこに立ち現れたのは「中国女」。『中国好運』では、性としての女はほとんど写っていないとも言えますが、今回は、女が、それまでに見なかったエネルギーと切実さを負って出現しています。

スナップによって捕まれたのは、むしろ写真家であるかのような遭遇。
遭遇している、相対しているという抜き差しならない眩しい一瞬。
「中国女」は、もはや画像そのもののインパクトという次元を抜けて、写すことの根源的な可能性に触れ、性と生がかかわる大きさへと、私たちを誘います。
むろん、これからのエリックにとって途上にある作品群ではありますが、重要な兆しとしてAKAAKAはこれを展示したいと考えます。
全80点、未知の道を歩くようにスペースを廻っていただく過程で、おひとりおひとりが、ひとりひとりの「中国女」と邂逅していただければ幸いです。