歴史が眠る闇を見つづけた力作 オサム•ジェームス•中川『GAMA CAVES』について、
「不可視の書物として。闇のなかで息を潜める、未来への霊的暗号として。」という一節にたいへん引き込まれる文章です。
今福先生のご好意により、下記に転載をさせて頂きます。ぜひ皆様もご一読ください。
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今福龍太(文化人類学者)
オサム•ジェームス•中川『GAMA CAVES』赤々舎
沖縄のガマ(洞窟)の暗黒のなかに封印されていた時を、レンズが捕らえる光によって解放する稀有の試み。懐中電灯による数時間をかけた露光と、コンピューター上での色の再生に捧げられた数年の長い努力。風景の一瞬の切り取りではない、像を生み出すための主体的「歴史の厚みがすでにこれらの写真には刻まれている。それがガマに流された苦渋の歴史を分身のように呼び出す。仲里効が解説の文章でも示唆しているように、複製技術によってアウラを失ったはずの写真が、ふたたび一種の聖性をとりもどす端緒、いいかえれば「デジタル•アウラ」の創造にむけての第一歩が、ついにここにしるされた。私は、これらの洞窟の壁面の亀裂を、地面の意味あり気な窪みを、置き去られた遺物を、骨の破片を、ただひたすら食い入るように「読む」。文字以前の歴史の凝集体として「読み」つづける。写真というより、不可視の書物として。闇のなかで息を潜める、未来への霊的暗号として。(月刊みすず2014年1・2月号(2013年読書アンケート)より)
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オサム・ジェームス・中川写真集『GAMA CAVES』は
こちらからお買い求めいただけます。
Posted at : 2014.03.14 16:45
現在発売中の週刊文春 3月20日 55週年記念号 池澤夏樹さんの<私の読書日記>にて、高橋宗正『津波、写真、それから』を取り上げて頂きました。
1ページ長の大きな記事で、過去との断絶に橋を架ける役に立つ写真について、
「実際、この本で海水をかぶった写真を見ていると、かつて幸福な時があり、それが失われたことがよくわかる。晴れ着の子供とケーキ。そういう写真を海水が浸食する。一枚の印画紙の受難がわかる。」
「これもまたぼくたちが津波体験の意味を体感する一つの回路なのだろう。」
と、写真と惑乱とともにある人の姿を書いてくださっています。
ぜひともご一読くださいませ。
(週刊文春 3月20日 55週年記念号は、雪だるまの絵が表紙です。)
『津波、写真、それから』は書店さんなどでも好評発売中です。
Posted at : 2014.03.14 12:08
3月7日の東京新聞夕刊の一面( ! )に『津波、写真、それから--LOST&FOUND PROJECT』の高橋宗正の記事が掲載されました。
文化部記者である森本智之さんが、3年目の3•11を前に、人の生に添うように書いて下さったとても丁寧な記事です。
<写真を見つけるということは生きた過去を取り戻すってことでもあるけれど、死んでしまって戻らない人がいるということを突きつけてしまうことでもあった>高橋宗正
<ある日、人は死ぬ。もう話すことはできないし、ありがとうを言うことも喧嘩をすることも謝ることも何もできなくなる。それが寂しくて悲しくて、別れるのも忘れるのも嫌で、少しでも距離が離れるのを遅らせるために人は何度も写真を見て思い出す。何度も何度も見ているうちに、やがてその不在に慣れ、ちゃんと別れられるようになっていく>高橋宗正
こちらのブログを書いている本日3月11日に気持ち迫る言葉をたいへん丁寧にすくい上げて頂いています。
また3月9日の THE JAPAN TIMESでも、世界各国を展示でまわったことなどに触れて頂きながら、大きくご紹介を頂きました。
『津波、写真、それから--LOST&FOUND PROJECT』も全編 日英併記でお読み頂ける本ですので、宜しくお願い致します。
ぜひお聞きください!
Posted at : 2014.03.11 20:23
3/9付産経新聞「美の扉」にて、
神田恵介さん浅田政志さん
共作『卒業写真の宿題』をご紹介頂きました。
<「人生に寄り添う服で」卒業写真>という、とても素敵な見出しの大きな記事です。
(左:神田恵介さんの作られた制服を着て、生まれ育った群馬県の牧場でキメのポーズをしている、浅田政志さん撮影「牧場スケバン少女」!)
4月5日(土)には写真作品の被写体となった学生たちを迎えてのトークも開催予定ですので、ぜひこの機会に足をお運びくださいませ。
※展示されているシリーズと同名の作品集『卒業写真の宿題』が4月上旬に赤々舎から出版予定です!
現在、水戸芸術館のミュージアムショップ コントルポアンにて先行予約受付中(店頭お取り置きのみ/サイン特典有)ですので、是非宜しくお願い致します。
Posted at : 2014.03.08 20:21
SANKEI EXPRESS 2014.0302 幅允孝(はば•よしたか)さん「本の話をしよう」のコーナで、『津波、写真、それから』について取り上げて頂いております。
人が生きていくのに写真は必要か?という見出しにはじまり、「3年という時間の前に対峙する」、「誰かが生きていた痕跡」、「震災と自分の自然な距離感」という3つの章立てで、とても細かく丁寧に、高橋宗正の活動と『津波、写真、それから』についてのことを書いてくださっています。
人と本がうまく出会えるような提案、活動をされているブックディレクター 幅さんならではの記事とおもいますので、ぜひお手にとりお読み頂ければと思います。
『津波、写真、それから』はこちらからお買い求めいただけます。
Posted at : 2014.03.07 22:20