小野啓写真集『NEW TEXT』作って届けるためのプロジェクトへ応援のメッセージをお寄せいただきました。
ぜひご一読ください。
ハービー・山口さん
齋藤陽道さん
小野啓さん「NEWTEXT」。学校は戦場だから。ひとりっきりでたたかってるから。ふと戦友がほしいなってなるんですよね。そういう戦友が日本各地、昔も、今も、これからもいるんだなっていうこと。寄贈っていうのは、どこかの戦士の逃げ道となる一冊として種を蒔くかんじ。ぼくはそう思ってます。
写真の好き嫌いに関わらず、若いびんぼうな写真家ほどこのプロジェクトを成功させないと、ただでさえ少ない写真の道がせまくなっちゃうな、という予感があります。ひとからひとへ。こんなまっとうな奥ゆきのある企画、成功しなきゃだめでしょ。。
(齋藤陽道さんツイッターより)
福添智子さん
制約のある中で、与えられた規格で、跳んでみろ、というのがクリエイティブな職種の先達の闘いなのでしょう。
なぜこのプロジェクトにこだわるのか、濾過して精製する、みたいなことが必要かもしれません。
意味があると思うのです。「だから何?」と言われても、その意味をシンプルに伝えなくてはなりません。
まだ見ぬ本に出資して頂く為に"跳んで"みなくてはなりません。
撮って欲しいという500人を超える高校生のいる地に出向いて撮影し出来上がった作品群です。
小野さんと1_WALLのアーティストプレゼンテーションという場で引き合わせて頂きお会いすることができました。いつか本を作りたいと考えている私には有り余る熱量を感じました。
掲載順に束ねられたセレクト用のコピーに理屈抜きに納得させられました。
それはこのプロジェクトを知る世の人々が手に取ることはできないものかもしれないけど、素晴らしかったのです。
私は終の住処予定地の図書館に寄贈しようと考え中です。寄贈という形で未来の高校生に紹介したいと思いました。
知り合いの高校生にはさりげなく教えて図書館に誘導しようと思います。大人は勝手に手に取ればいいのです。なんかそんなポートレート群なんです。
私も引き続き考えながら、エールを送ります‼
飯沢耕太郎さん
齋藤陽道さん
那須早苗さん
このプロジェクトのことを知った時、「この本を、私は誰に贈りたいのだろう?」と考えていたら、高校生の自分を思い出した。あまり思い出したくなかったから、久しぶりのことだった。
高3の朝。学校から家が遠かったので、私はどうしても早く教室に着いてしまった。席について、多分、本でも読んでいたのだろう。部屋には他に二人の子がいて、うれしそうに、楽しそうに、
夢中でおしゃべりしている。推薦で大学も決まった彼女らの、春から始まる新しい生活のこと。着る服のこと、住む場所のこと、これから出会うであろう新しい人達のこと、それから・・・なんだっただろう。どれも私には無縁のことだった。高校を出たら働くと決めていたから。経済的な理由で、そうしなくては自分のしたいことが出来なかったから。学びたいことは望めば出来るというものでもないのだと気づいたのは、その頃だった。部屋に響くあかるい声が遠かった。次元の違う場所から聴こえてくるような気がした。
砂を噛むような思いでその場にいた私に、この本をそっと差し出してあげたい。もちろん過去の私に何かすることは出来ないけれど、今を生きる高校生にも、それぞれに抱えているものがきっとある。その人達の傍らにこの本があったら・・・そう思って、少しばかりですが応援させていただくことにしました。誰だって、いつだって、人には抱えているもの、背負っているものがあると思うけれど、高校生の頃は誰しもが、人生を左右するような(方向を決めてゆくような)選択をしなければならない場面があって、それぞれに葛藤を抱えているような気がするのです。本の中の、知らない誰かの存在が、見ている人を強くする。頁の中にいる、ただ「いる」ということに、励まされるような気がする。そんな本を、差し出してあげたいのです。