企画・構成・文:水原晶代(株式会社WACT)
デザイン:FARMS DES STORE
写真:百々武
制作:team wact
Photographs: Takeshi Dodo
Published in October 2017.
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About Book
「釘一本見逃さない」
廃棄されたモノを純度100%に近い資源に再生する、地方中小企業の仕事魂。
廃棄物がリサイクルされる現場は、たいがい高い塀に囲われていて、私たちには見えない。
種々雑多にして大量に廃棄されたモノを、機械と人とが徹底的に分解し、選別し、加工して、限りなく純度100%の資源に近づけていくーーそれは「処理」を超えた、「もう一つのものづくり」の現場だった。
今回、写真家 百々武のカメラが、日本の資源リサイクル業を先導する平林金属株式会社(本社 岡山市)の工場内に踏み込んだ。壮大で、緻密で、アーティスティックで、泥臭い、稀有な光景が繰り広げられていた。
製品を製造・流通・販売する産業を「動脈産業」と呼ぶのに対し、廃棄物を加工し、原料として再生する産業を「静脈産業」と呼ぶ。レンズが捉えたどの一枚にも、静脈産業の矜持、循環型社会を支える自負が潜んでいる。
「洗濯機は洗濯機に。冷蔵庫は冷蔵庫に。元通り再生できるレベルに到達したい。だから理想はずっと先にあるんです。できない理由に逃げず、できる方法を語り合うのが楽しい。父親として娘に誇れる仕事にしたい」(社員のインタビューより)
ヒラキン(平林金属株式会社)とは?
昭和31 年に平林久一氏が個人創業した、岡山県にある、家電及び金属・非金属リサイクル事業会社。
質の高いその資源再生事業は、もう一つのものづくりと言われ、現在は300 名のスタッフを抱える。
2016 年グッドデザイン賞、 第4回 グッドライフアワード実行委員会特別賞。
Artist Information
百々武|Takeshi Dodo
ビジュアルアーツ専門学校・大阪卒業。ZIGEN氏に師事。現在 ビジュアルアーツ専門学校・大阪講師。 パブリックコレクション:東京都写真美術館 清里フォトアートミュージアム。写真集に『島の力』(2009年)がある。