自然の鉛筆 / The Pencil of Nature

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『自然の鉛筆』
ウィリアム・ヘンリー・フォックス・トルボット
4,000円+税|210 × 297 mm|192頁|上製本
編集・翻訳:青山勝
執筆:畠山直哉、マイケル・グレイ、青山勝、ヘンリー・F・トルボット、金井直、ジュゼッペ・ペノーネ
造本設計・デザイン : 大西正一

The Pencil of Nature (Japanese version)
Photographs by William Henry Fox Talbot
4,000JPY|210 × 297 mm|192 page|hardcover
Editing & Translation : Masaru Aoyama
Writing : Naoya Hatakeyama, Michael Gray, Masaru Aoyama, Henry F. Talbot, Tadashi Kanai, Giuseppe Penone
Design : Masakazu Ohnishi

ISBN:978-4-86541-043-3
Published in January 2016.

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About Book 


世界最初の写真集、トルボット『自然の鉛筆』。待望の完全日本語版。

写真術の発明者のひとり、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・トルボットが著した『自然の鉛筆』(1844~1846年)は、世界最初の写真集と位置づけられています。本書は、写真術の発見に至るまでの経緯やその重要性をトルボット自ら記した文章と、写真図版一枚一枚に添えられた撮影にまつわる文章の、初の完全日本語訳となります。
『自然の鉛筆』の24枚の写真図版はすべて、元トルボット・ミュージアム館長のマイケル・グレイ氏の監修によるものです。氏は、可能な限りトルボットのオリジナルの紙ネガを元の素材として印刷用データを作成してきました。その貴重なデータにより、かつてない精緻なディテールと豊かな階調をそなえた原寸大の図版で、当時のプリントの状態が鮮やかに蘇ります。あわせて「自然・写真・芸術----『自然の鉛筆』考」と題し、『自然の鉛筆』を巡る写真家、美術家、研究者によるエッセイと、トルボット自身の重要な言葉を収載。「写真史」の域を超える本書の現代的意義と未知の魅力を照らし出します。


「自然・写真・芸術----『自然の鉛筆』考」目次

畠山直哉  自然と鉛筆----レイコックの日々
マイケル・グレイ  光の言葉----「自然の鉛筆」をめぐって
青山勝  トルボットの生涯と『自然の鉛筆』
ヘンリー・F・トルボット  『リテラリー・ガゼット』誌編集長宛の手紙3通
金井直  写真と彫刻 あるいは互恵性
ジュゼッペ・ペノーネ  <写真>をめぐる3つの断章
畠山直哉  団栗と写真





「その製法を知らない人は、もしこれらのうちに手で描かれたものが何一つないと言われれば、〈アラジンの魔法のランプ〉をいつでも自在に使えるかのように想像するに違いありません。実際のところ、〔写真術とは〕そのようなものだと言ってしまってもほとんど差し支えないのかもしれません。それは、ほんのわずかですが、魔法が実現されたものなのです----自然の魔法(ナチュラル・マジック)が。
〔......〕その制作の迅速さと完成度には、何か非常に驚異に満ちた(ワンダフル)ところがあります。しかしよくよく考えてみれば、自然とは、私たちの理解力を超えた大いなる驚異の原野(フィールド・オヴ・ワンダーズ)でないとしたら、いったい何でありましょう? 
〔......〕私は、一つの〈技術〉を完成したなどと申し上げるつもりはありません。私はただその端緒を開いたにすぎないのです。その限界がどこにあるのか、現時点で正確に述べることはできません。」

(トルボット『リテラリー・ガゼット』誌編集長宛の手紙三通 より)



Book Previews

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Artist Information

<編集・翻訳> 青山勝 |Masaru Aoyama

1967年生まれ。京都大学大学院文学研究科美学美術史学専攻博士後期課程修了。現在、大阪成蹊大学芸術学部准教授。2016年1月に『自然の鉛筆』全訳を含む編著書を赤々舎より出版。その他、主な共著・訳書に『写真の誘惑----視線の行方 記録集』(国立国際美術館)、S・ティスロン『明るい部屋の謎』(人文書院)、G・モラ『写真のキーワード』(昭和堂)、J・A・ウォーカー+サラ・チャップリン『ヴィジュアル・カルチャー入門』(晃洋書房)、A・ダガタ『Anticorps 抗体』(赤々舎)等。