山口晃:Singa-planet
About Book
現代美術を代表する作家・山口晃。シンガポールをテーマにした新作!
シンガポールの建築は、重力を無視するかのように空へと伸び、
庶民を地べたから高層階へと放り上げます。
かつて地面で隣り合っていた者が、
同じ距離でありながら中空に隔てられる現在。
気楽な旅行者のちょっと不躾な視線は、
そこにどのようなゲートウェイを見出すのでしょうか......。
ーーー山口晃
広い共感を得る山口晃の作品は、「洛中洛外図」などの日本の伝統的な絵画のスタイルの中に、古今東西の事象や風俗、現代の日常生活を同一画面上に取り込み、時間と空間を自由自在に混在させた、 機知に富んだ画風を特徴とする。本書は、シンガポールのジャパン・クリエイティブ・センターでの個展に際してつくられたカタログで、シンガポールをテーマにした新作と、2000年代の代表的な作品の二部構成。
新作のドローイングのシリーズは現地で制作され、HDB(公団住宅)、チキン・ライス、ビジネスマン、おまる等、庶民生活に着想を得ており、それらの事象を見つめる作家の想像力豊かな思索と批評的な視線が交錯する。
第二部では「百貨店圖 日本橋 新三越本店」などの作品群で、第一部の背景ともなる近年の作家の足どりを紹介する。卓越した描写力と遊び心あふれるポップな表現ーーシンガポールでも"山口ワールド"、益々健在!
テキスト:
五十嵐太郎「素晴らしき哉、山口晃の建築世界」
高野清見「越境するまなざし、絵画のたくらみ」
SimpleViewer requires JavaScript and the Flash Player. Get Flash
Artist Information
山口 晃 | Akira Yamaguchi1969年 東京生まれ、群馬県桐生市育ち。
1994年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。
1996年 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻(油画)修士課程修了。
合戦図、時空の混在、更には画面を埋め尽くすように描き込まれた街の鳥瞰図等のモチーフを使い、観客を飽きさせないユーモアとシニカルさを織り交ぜた作風に代表される。
1969 Born in Tokyo, Japan and grown up in Kiryu City, Gumna、Lives and works in Tokyo, Japan.
1996 Tokyo National University of Fine Arts and Music, MA in oil painting
1994 Tokyo National University of Fine Arts and Music, BA in oil painting