光陰
江渡華子 句集
江渡華子 句集
1,500円+税 | 131 × 187 mm | 92頁 | 並製本
アートディレクション : 新庄清二
アートディレクション : 新庄清二
Koin
Haikus by Hanako Eto
1,500JPY | 215 × 250 mm | 100 page | softcover
Art Director : Seiji Shinjo
ISBN: 978-4-903545-11-0
Published in March 2007
Published in March 2007
About Book
今春、京都の大学を卒業した若手作家による、初めての句集。
「田水沸く」(夏)、「空の裏」(秋)、「マスクして」(冬)、「春鹿」(春) の順に展開される四季の句は、季語を新鮮に生かしつつ、思い切りのよい把握と身体感覚を見せる。随所にのぞく、キャンパスの風景や故郷青森への思慕も等身大で印象的。
また、内向する恋の情感や、生死を突き抜けたような目の抽象性も、その個性の萌芽といえるだろう。
「春鹿」より
塵も春象が階段降りてゆく
春はそこ放物線を越えてくる
春鹿や兄の木刀欠けており
暗き部屋メールで届く春の虹
「待て」命ず身体は白く風光る
春雷や犬の鼓動に耳澄ます
麦青む身は鉛筆を真似ており
空の中人を探して竹の秋
晩春の枕の染みをこすりおり
半身は男のままで春暮れる
「あとがき」より
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