日本写真集史1956-1986

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日本写真集史1956-1986
金子隆一
著 : 金子隆一/アイヴァン・ヴァルタニアン
3,800円+税 | 232 × 306 mm | 192頁 | 並製本
アートディレクション : 庄子結香

Japanese Photobooks of the 1960s and '70s
Edited by Ryuichi Kaneko, Ivan Vartanian


3,800JPY | 232 × 306 mm | 192 page | softcover
Art Director : Shoji Yuka


ISBN : 978-4-903545-44-8
Published in November 2009








About Book


なぜ、これほどまで日本の写真集は世界を魅了しているのか?

近年、1960年代から70年代にかけて日本でつくられた写真集が世界中からの熱い視線を集めています。 その理由のひとつに、数々の名作写真集をつくりあげた印刷製本における 職人的な高い技術力があげられます。 が、それ以上に重要なのは、日本では欧米のようにギャラリーや美術館といった インフラがなかなか整わなかった文化環境もあって、「写真集」という表現媒体に写真家たちの情熱や才能が一極集中していったことです。 つまり、量質ともに傑出した写真集が集中して誕生したのが、1960年代から70年代にかけての日本だったのです。 本書は、この写真集黄金期につくられた歴史的に重要な写真集から、希少本や私家版など含めて多種多様な60作に及ぶ写真集を選りすぐって収録しています。 それぞれの写真集には長期にわたる取材に基づいた詳細な解説、制作の経緯や関係者しか知り得なかった裏話をはじめ、制作にかかわったデザイナーや編集者、出版社などの貴重なデータも記しています。 本書は、いまでは実際に見ることができなくなってしまったような希少な"写真集の写真集"であり、同時に日本の戦後写真史を写真集によって読み解く文献としても、必読の1冊に違いありません。 


目次
序文 金子隆一インタビュー
謝辞
写真集から読む、日本現代写真史 アイヴァン・ヴァルタニアン
印刷物となった写真表現 森山大道インタビュー
濱谷浩 雪国
谷川俊太郎 絵本
石元泰博 ある日ある所
グラフィック集団 無題
細江英公 おとこと女
土門拳 筑豊のこどもたち
小島一郎 津軽
緑川洋一 瀬戸内海
吉岡康弘 吉岡康弘作品集
野島康三 野島康三遺作集
桑原史成 水俣病
川田喜久治 地図
東松照明 日本
篠山紀信 篠山紀信と28人の女たち/Nude
荒木経惟 センチメンタルな旅/沖縄 荒木経惟写真集2(続センチメンタルな旅)/東京 荒木経惟写真集3
森山大道 にっぽん劇場写真帖
奈良原一高 ヨーロッパ・静止した時間/ジャパネスク
中平卓馬 来たるべき言葉のために
金坂健二編 アンダーグラウンド・ジェネレイション
渡辺克巳 新宿群盗伝66/73
「10.21とはなにか」を出版する会 10・21とはなにか
石黒健治 広島
一村哲也 COME UP
杉野安 心触風景
木村伊兵衛 木村伊兵衛の眼
高梨豊 都市へ
沢渡朔 Nadia 森の人形館
塩谷定好 塩谷定好名作集
桑原甲子雄 東京昭和十一年
鈴木清 流れの歌
土田ヒロミ 俗神
築地仁 垂直状の、(領域)
牛腸茂雄 SELF AND OTHERS
石内都 APARTMENT
須田一政 風姿花伝
森永純 河ー累影
北島敬三 写真特急便「東京」No.1-12
渡辺兼人 既視の街
深瀬昌久 鴉
索引
著者、編者略歴

During the 1960s and '70s in Japan, the photobook--through a combination of excellence in design, printing, and materials--overtook prints as a popular mode of artistic dissemination. This process has expanded to an extent where any discussion of Japanese photography now has to include the book work. Today, the most famous works--such as Nobuyoshi Araki's Sentimental Journey and Eikoh Hosoe's Man and Woman--continue to inspire artists internationally. Japanese Photobooks of the 1960s and '70s presents forty definitive publications from the era, piecing together an otherwise invisible history that has played out in tandem with photography as a medium. Included are some of the most influential works along with forgotten gems, placed within a larger historical and sociological context. Each book, beautifully reproduced through numerous spreads, is accompanied by an in-depth explanatory text and sidebars highlighting important editors, designers, themes, and periodicals. Lavishly produced, this unique publication is an ode to the distinct character and influence of the Japanese photobook.

Book Previews

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Artist Information

金子隆一

写真史研究者、写真集コレクター。1990年より東京都写真美術館専門調査員。武蔵野美術大学、東京綜合写真専門学校非常勤講師。共編著に『日本近代写真の成立』、『定本 木村伊兵衛』、『植田正治私の写真作法』、『インディペンデント・フォトグラファーズ・イン・ジャパン 1976-83』、 『The History of Japanese Photography』他、多数。戦前の希少な写真集の復刻版シリーズ『日本写真史の至宝』を監修。各美術館での展覧会キュレーションも多数手がけている。

Ryuichi Kaneko is a photo historian who is currently Curator, Tokyo Metropolitan Photography Museum.