Publishing

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 小野啓『モール』
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  Book Design:groovisions
  Cooperation:silverbooks

  発行:赤々舎

  Size: H182mm × W226mm
  Page:116 pages
  Binding:Hardcover

  Published in Junuary 2022
  ISBN
978-4-86541-139-3


¥ 3,000+tax 

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About Book


私たちが生きている場所を問いかけるモールの風景


小野啓は、2002年から「青い光」や「NEW TEXT」というシリーズで日本全国の高校生を撮り続けてきました。
ウェブを通じて撮影を希望してくる彼らと出会うために、小野は日本中を移動し、各地でモールの建設が増えていることを実感します。やがてモールは、被写体である高校生たちの馴染みの空間として、撮影場所にも多く登場するようになりました。
モールの風景を捉えることは、変化していく日本の風景を見つめ、そこで生きる私たちの生活や在り方を問いかけることになるのではないか──小野は2010年代に入り、モールの撮影を本格的に継続します。
人の欲望やそれぞれの差異を覆い隠す、巨大な箱のような外観。その中に登場する人々の、日常と地続きでありながら少し浮遊するような振る舞い。ひとつの街でもあるモールは、地元の風景にどのように接続し、見え隠れするのか。
そして時間の経過によって廃墟となるモールも現れ、しかし今日もどこかで建設が進む現場。
20年にわたる撮影を通して、人々の共通体験となったモールを記録し、その内側と外側から、社会の循環と人の営みを見ようとする試みです。





"見えてきたのは、自分が生きている場所だった。モール周辺には新しい住宅の建設が行われている。ロードサイドには家電量販店や外食のチェーン店が立ち並び、流通のトラックが行き交う。こういう場所に僕たちはいるのだ。それまでぼんやりと個別に認識していたものたちが 、モールを介してつながるようだった。 写真学生の頃から長年使用してきた中判レンジファインダーのカメラが、このテーマに適していると確信していた。脚を反転させ折り畳んだ三脚を携えて 、歩き続けた。それは、ポートレートからランドスケープへの拡張だっただろうか 。"  

小野啓 あとがきより



"こんな具合にモールについて調べたり、考えるようになったのは、モールは大きな存在にもかかわらず、誰もその歴史や意味について考えていないように思えたからだ。人は、日常的に存在している当たり前のものについて、深く考えたりはしないものだ。一方、モールは社会的にも軽視される風潮にある。有名建築家は美術館や図書館には設計に積極性を見せても、モールの設計に興味を持つことはない(海外の案件は別だったりもするが)。モール建築で有名なジョン・ジャーディーという建築家がいるが、彼はモール以外の世界においてはあまり有名ではない。都市計画や政治学の研究者が公園や広場に興味を持つのは、それが公共や民主主義とつながるから。だがモールは公共とも何主義ともつながっていないように見えている。結局のところモールは、無個性でアノニマスで大衆的な商業施設でしかない。
それでもショッピングモールは世界でもっとも普及しているもののひとつになり、根を張るように存在する。あらゆる専門家は軽視するモールだが、写真家はどうこれに向き合うだろう。(中略)
ショッピングモールの写真集を見てみたいという思いを昔から抱いていた。それが実現したことを喜びたい。"


速水健朗 寄稿「ショッピングモールは、人生にとって必要なものではない」より





"「サイダーのように言葉が湧き上がる」というモールが舞台のアニメ映画を作ったのだが、似たような外観、内観だと思っていたそれにも個性があるのだと気づいた。コンセプトは同じでも、実はその土地に根差した作りになっていることが多い。で、これはモールを凝視するように観察しないと気づけない。アニメ作りは設定作りとも言えて、特に舞台となる美術設定を考える際は普段見落としがちな細部にも目を配る。だからモールごとの個性にも気づけたのだ。
今作にも同じような観察眼を感じる。見落としがちな細部を小野さんのアングルで切り取ると、何気ない場所でも誰かにとっての特別なのだ、とあらためて気づかされる。遠くから見れば塊感のある巨大で無機質な箱だが、その内部にはたくさんの人が行き交っていて、有機的な幾千通りの人生が確実に存在する。カメラの置き所でこれほど表情を変える被写体も珍しいのでは、とも思う。
写真集として見るモールも、さまざまな表情を見せてくれて心が躍る。そしてアニメ作りのため何百枚とモールの写真を撮った自分としては、個人的なシンパシーを感じてしまうのだ。"


イシグロキョウヘイ(アニメーション監督)



MALL 

KEI ONO


The mall makes me wonder what sort of world we are living in now. I wonder about the circulation of human activity, of the world in relation to humans.

Since 2002, I have been the photographing high-school students for a project that has resulted in two books: The Glare of Youth and NEW TEXT. Interested parties respond to a call I put out online, then I visit each of them in their hometown and take pictures at locations familiar to them. As the project went on, I realized that more and more of these students were choosing shopping malls. I've witnessed the mushrooming of gigantic shopping malls all over Japan. Now the malls are everywhere. Sometimes when I'm at one, I lose all sense of where I am. Something very new has been constructed in our society.

Almost twenty years have passed, and the high-schoolers whom I photographed are now in their middle or late thirties. They go to the malls with their new families. The mall is a very common after-school stop among teenagers today.

The project made me think that the scenes of the malls are, in some sense, the contemporary Japanese landscape. My generation missed out on the experience, but I've nurtured my own relationship with malls through photographing the students.

I started taking photos of malls in 2012. This series is a record of Japanese malls in the 2010s.[...]


The mall is like a city, although it is enclosed. Once you are out of it, you feel you no longer belong to it. The idea of whether you're inside or outside switches once you drive away from the building in your car, or in my case, when you take the bus to the nearest train station.

It has always been in the evening that I take a return bus. One day, I wanted to see the area outside the mall. I was curious, like Truman Burbank in the film The Truman Show.

What I found was simply the world in which I live. Around the mall, new residences were being built. Lining the streets were shops of major electronics retailers or fast-food giants, and on the roads were the trucks that supported it all. OK. This is our world. What I had thought of as separate things were in fact connected, and the mall was part of that whole too.

I was sure that the medium-format rangefinder camera was the best fit for the theme. I'd been using the camera since I was a student, and I walked tirelessly with it and a foldable tripod all over Japan. The nature of the project seemed to have expanded from portraits to include landscapes as well.

The more I walked, the more aware I became of the surroundings of each mall. Malls have sides to them that even their creators couldn't have foreseen; and that was the making of the world which we had subconsciously taken for granted. In the twenty years that I've done this, I've always tried to imagine the stories behind the people and places in my photos, but there are still so many things I don't know.

I want to know people. I want to understand this vast world, even a tiny fraction of it. For that purpose, I choose photography.


KEI ONO





Artist Information 



小野啓 

1977年 京都府生まれ 
2001年 立命館大学経済学部卒業 
2003年 ビジュアルアーツ専門学校・大阪写真学科卒業


出版物

2006年『青い光』(ビジュアルアーツ、青幻舎) 
2013年『NEW TEXT』(赤々舎) 
2017年『暗闇から手をのばせ』(silverbooks) 
2019年『男子部屋の記録』(玄光社)

 
個展

2006年「青い光」ビジュアルアーツギャラリー(東京、大阪、名古屋、九州)
2010年「群青」新宿ニコンサロン(東京) 
2011年「群青」大阪ニコンサロン(大阪)
2012年「NEW TEXT」ビジュアルアーツギャラリー(大阪)
2013年「NEW TEXT」72Gallery(東京)
2013年「NEW TEXT」AKAAKA(東京)
2013年「NEW TEXT」Place M(東京)
2014年「NEW TEXT」Place M(東京)
2018年「暗闇から手をのばせ」ビジュアルアーツギャラリー(大阪)
2018年「暗闇から手をのばせ」アーツギャラリー(名古屋)
2019年「男子部屋の記録」ビジュアルアーツギャラリー(大阪)
2021年「モールの風景」富士フイルムイメージングプラザ(東京、大阪)


受賞

2003年 富士フォトサロン新人賞奨励賞
2006年 第26回 写真『ひとつぼ展』入選
2006年 ビジュアルアーツフォトアワード大賞
2014年 第26回「写真の会」賞



KEI ONO


1977 Born in Kyoto, Japan
2001 Graduated from Ritsumeikan Univ., Department of Economics
2003 Graduated from Visual Arts Collage Osaka,Department of Photography


Publications

2006 The Glare of Youth, Visual Arts・Seigensha Art Publishing
2013 NEW TEXT, AKAAKA
2017 Reach out and Touch Faith, silverbooks
2019 Men's Room Record, Genkosha


Solo Exhibitions

2006 The Glare of Youth,Visual Arts Gallery, Tokyo・Osaka・Nagoya・Kyushu
2010 Gunjo, Shinjuku Nikon Salon, Tokyo
2011 Gunjo, Osaka Nikon Salon, Osaka
2012 NEW TEXT, Visual Arts Gallery,Osaka
2013 NEW TEXT, 72Gallery, Tokyo
2013 NEW TEXT, AKAAKA, Tokyo
2013 NEW TEXT, Place M, Tokyo
2014 NEW TEXT, Place M, Tokyo
2018 Reach out and Touch Faith, Visual Arts Gallery, Osaka
2018 Reach out and Touch Faith, Arts Gallery, Nagoya
2019 Men's room record, Visual Arts Gallery, Osaka
2021 Landscape of the Mall,FUJIFILM Imaging Plaza Gallery, Tokyo・Osaka


Awards

2003 Fuji Photo Salon the New Face Prize, Prize for Encouragement
2006 26th Photography "Hitotsubo Exhibition" Prize
2006 Visual Arts Photo Award, Grand Prix
2014 "Society of Photography" Prize





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               小野啓『NEW TEXT』

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『りんご通信 2』
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  Editor in chief:髙橋健太郎
  Editor  :姫野希美
  Design:大多和琴

  Cover photo:川崎祐

  発行:赤々舎

   Size: H406mm × W277mm
  Page:12 pages

  Published in Jan 2022

¥ 500+tax 

国内送料無料!

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About Ringo Letter


りんご通信 2号!


明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。2022年、はじまりのお便り・新聞として、りんご通信2号を皆様にお届け致します。

「りんご通信」は、小社HPから書籍をご購入頂いたお客様に無料で同封し、商品と一緒にお届けをするものです。また、りんご通信のみをご希望の方は、こちらのページからご購入いただくことができます。

創刊1号の8ページから増え、12ページ(!)となった今号では、木村和平、川崎祐、川瀬慈、清水裕貴の連載に加え、新たな寄稿者として、上原沙也加(写真家)、楠本亜紀(写真批評家、キュレーター)、椿昌道(赤々舎)、齋藤陽道(写真家)と、風景と人との関わりを想うエッセイが、波のように連なります。

枝葉を様々に持つように号を重ねながら、それぞれの場所で実りゆくものでもあるだろう「りんご通信」に、今年もぜひご期待くださいませ。

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「りんご通信 2」

川崎祐    本と明け方2  錘としての疾しさ
楠本亜紀   風景を手探る  第一回  はい、風景です。
木村和平   わたしは道すがら2
川瀬慈    虹の蛇
上原沙也加    北海道から。沖縄から。2 ─ ついの住みか
椿昌道      移動する写真集 ─ 台湾
齋藤陽道   ホットブルー日記
清水裕貴   Bar Landscape Vol.2 ─ 光のない部屋

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私の初めての写真の仕事は、国外の新聞からの撮影依頼でした。掲載された写真は、紙面の半分を占めてレイアウトされており、写真と読者に対する信頼だと勝手に感じた私は、そのことにとても驚きました。りんご通信の原点はそこにあります。それまで写真がそのような扱いを受けている国内の新聞を、少なくとも広告以外では見たことがありませんでした。その差異に私は、情報を複層的に伝えようとするメディアの一つの理想的な形態を見た気がしました。

一枚の写真、あるいは連なりの写真群は、それを見て理解しようとする側の意識をも拒もうとしているかのようでとてもわかりにくいです。その複雑さはまるで、この世界と私たちとの間に存在する理解困難な厚みのある隔たりそのもののように思えなくもありません。

がしかし、反面、今の日本では写真にまつわる印刷物が姿を消しつつあるように思えます。それは同時に、この社会が複雑さを受け止めるのではなく、わかりやすいものを消費するように仕向けられている現実と重なる気がしています。

であるならば今、あえて複雑さを詰め込みながら写真を軸に据えた読み物を定期で刊行してもいいのではないだろうか。そう思い立って作られたのがこのりんご通信です。写真だけでなく、言葉すらも破壊される国にあって、写真と言葉を同時に大切に紡いで行こうとするささやかな抗い、試みだと思っています。


りんごが木から落ちて初めて何かを知った。りんごを口にしてこの世界が一変した。りんご通信が届ける写真と言葉が、皆さんの小さな契機になれば嬉しいです。それぞれのりんごと、香港紙アップルデイリーに敬意を表して。
  

髙橋健太郎(りんご通信 編集長)



以前、松本市に住んでいたとき、駅前に魅力的な酒屋を見つけた。オーナー自ら、長野県内を中心に酒蔵やワイナリーを巡り、醸造の苦労や喜びをつぶさに知り、時間を共にしながら仕入れていた。松本を離れてからも、年に数回、手書きの学級新聞のような案内が届く。酒のこと、酒をつくる人のこと、酒を愉しむ人のこと。私もいつか、こんな「手紙」を出せたらと思うようになった。

ふとした夜の会話から「りんご通信」は生まれた。どんな本も忽然と出来るわけではなく、さまざまな水路が周りにある。その光景をお伝えすることから、会話が始まるのも素晴らしい。
そして、今回設けた「連載」という場が、行方を定めない戦きとともに、一冊を生む土壌となるだろうことも初めてのときめきとなっている。

姫野希美(りんご通信 編集員)

 
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『りんご通信 1』
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  Editor in chief:髙橋健太郎
  Editor  :姫野希美
  Design:大多和琴

  Cover photo:木村和平

  発行:赤々舎

  Size: H406mm × W277mm
  Page:8 pages

  Published in November 2021

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About Ringo Letter


りんご通信 創刊!


このたび赤々舎では、「りんご通信」を創刊致します。

「りんご通信」は、小社HPから書籍をご購入頂いたお客様に無料で同封し、商品と一緒にお届けをするものです。また、りんご通信のみをご希望の方は、こちらのページからご購入いただくことができ、今後は、オンライン記事としてもご購入いただけるようになる予定です。

記念すべき1号は、木村和平、川崎祐、川瀬慈、髙橋健太郎、清水裕貴らの言葉と写真による連載、そして、小社姫野のエッセイから始まります。

枝葉を様々に持つように号を重ねながら、それぞれの場所で実りゆくものでもあるだろう「りんご通信」にぜひご期待くださいませ。

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「りんご通信 1」

木村和平   わたしは道すがら1 
川崎祐    本と明け方1  ─ 共通の言葉を探す
川瀬慈    イメージの還流
髙橋健太郎     北海道から。沖縄から。1 ─ 北海道と髙橋家
清水裕貴   Bar Landscape Vol.1 ─ 天より形を為して下す物
姫野希美   坂川栄治さんとクレーム・ブリュレ

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私の初めての写真の仕事は、国外の新聞からの撮影依頼でした。掲載された写真は、紙面の半分を占めてレイアウトされており、写真と読者に対する信頼だと勝手に感じた私は、そのことにとても驚きました。りんご通信の原点はそこにあります。それまで写真がそのような扱いを受けている国内の新聞を、少なくとも広告以外では見たことがありませんでした。その差異に私は、情報を複層的に伝えようとするメディアの一つの理想的な形態を見た気がしました。

一枚の写真、あるいは連なりの写真群は、それを見て理解しようとする側の意識をも拒もうとしているかのようでとてもわかりにくいです。その複雑さはまるで、この世界と私たちとの間に存在する理解困難な厚みのある隔たりそのもののように思えなくもありません。

がしかし、反面、今の日本では写真にまつわる印刷物が姿を消しつつあるように思えます。それは同時に、この社会が複雑さを受け止めるのではなく、わかりやすいものを消費するように仕向けられている現実と重なる気がしています。

であるならば今、あえて複雑さを詰め込みながら写真を軸に据えた読み物を定期で刊行してもいいのではないだろうか。そう思い立って作られたのがこのりんご通信です。写真だけでなく、言葉すらも破壊される国にあって、写真と言葉を同時に大切に紡いで行こうとするささやかな抗い、試みだと思っています。


りんごが木から落ちて初めて何かを知った。りんごを口にしてこの世界が一変した。りんご通信が届ける写真と言葉が、皆さんの小さな契機になれば嬉しいです。それぞれのりんごと、香港紙アップルデイリーに敬意を表して。
  

髙橋健太郎(りんご通信 編集長)



以前、松本市に住んでいたとき、駅前に魅力的な酒屋を見つけた。オーナー自ら、長野県内を中心に酒蔵やワイナリーを巡り、醸造の苦労や喜びをつぶさに知り、時間を共にしながら仕入れていた。松本を離れてからも、年に数回、手書きの学級新聞のような案内が届く。酒のこと、酒をつくる人のこと、酒を愉しむ人のこと。私もいつか、こんな「手紙」を出せたらと思うようになった。

ふとした夜の会話から「りんご通信」は生まれた。どんな本も忽然と出来るわけではなく、さまざまな水路が周りにある。その光景をお伝えすることから、会話が始まるのも素晴らしい。
そして、今回設けた「連載」という場が、行方を定めない戦きとともに、一冊を生む土壌となるだろうことも初めてのときめきとなっている。

姫野希美(りんご通信 編集員)

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『りんご通信 6』
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  Editor in chief:髙橋健太郎
  Editor  :姫野希美
  Design:大多和琴

  Cover photo:上原沙也加

  発行:赤々舎

  Size: H406mm × W277mm
  Page:14 pages

  Published in March 2024

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About Ringo Letter


りんご通信 6号  出来!


待望の6号は、上原沙也加氏の「島のあかり 1 白い街へ」から始まり、場所や名前を時に越え、生きていくことに触れていく切実な感触を身体に残します。

"私はこの島で、生まれるよりも前からずっと、徹底的に破壊されて一度死んだ風景の上で、復元されたものたちといっしょに暮らしてきた。"

さまざまに流れ続ける時間の中、それぞれの見ることが、目の前と過去とこれからをあわせもつ。時に翻りながら、今この場所とその向こうを映し出していくなかに、新たな寄稿者、堀井ヒロツグ氏と大道優輝氏の寄稿も続きます。木村和平氏の連載「わたしは道すがら」は、これまでの暮らしと、次の街の暮らしの間から、引越しの日々を綴り...。

さまざまな時間とともに、歩いていくこの道すがら、りんご通信6の便りを春風にのせてお届け致します。



"街で行き交う人、バスに乗って隣に座った人、広いこの星のほとりで出会った人、手のひらに収まる画面の向こう側にいる光の 中の人。そのそれぞれの生活は向こうでも異なる方法で、鮮やかに明白なまでの当然さをもって進行している。今もそこかしこで喪われてゆく人の生きた時の流れを思い浮かべて、行方を定めず差し出された手紙のようなこのりんご通信が、この世界に根をおろし、ともにさやぐ誰かからのせめてもの報せとなることを願って。 "

(髙橋健太郎 編集後記より)



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「りんご通信 6」

上原沙也加     島のあかり 1 ─「白い街へ」
堀井ヒロツグ からだの波打ち際で
清水裕貴    Bar Landscape Vol.6 ─「忘れたよ」
齋藤陽道    ホットブルー日記
大道優輝         長崎雨情
楠本亜紀         風景を手探る 第3回「南方さん家の方へ」
本吉映理    I am becoming 2
木村和平   わたしは道すがら 6


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りんご通信 編集部では、皆さまのご感想、お便りをいつでもお待ちしております。
SNSを始め、メールは、info(a)akaaka.com ※ (a)を@にご変換ください
お手紙は、赤々舎事務所まで、皆さまからの"返書りんご"も楽しみにお待ち申し上げております。


 



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 深瀬昌久『サスケ』
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  Book Design:François Dézafit
  日本語組版:榊原健祐

  発行:赤々舎

  Size: H260mm × W185mm
  Page:192 pages
  Binding:Hardcover

  Published in June 2021
  ISBN
978-4-86541-136-2



¥ 5,000+tax 

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クレジットカード支払い、PayPal、PayPay よりお選び頂けます。

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About Book


深瀬昌久の新たなる傑作


生涯にわたり、猫を身近に愛しつづけた深瀬昌久。本書は、深瀬の猫写真の主人公サスケと、その妹分モモエの写真を集成した決定版である。
写真のセレクトから編集に至るまで新たに作り上げられた本書は、猫写真というジャンルを超え、深瀬の作品展開の中核を為すものとして「サスケ」を位置づけた。
また、「サスケ」を通して探求した写真表現の数々──主客未分から得られる純粋経験や、視覚と触覚を掛け合わせた知覚──を解き明かす。
深瀬昌久の作品世界への重要な視座となる写真集。

巻末に、トモ コスガによるテキスト「愛という名の純粋経験」を所収。



「私は猫眼の高さで腹這いになってこの1年余り実によく写真を撮っていたので、なんだか猫になってしまった。自然の移ろうなかで気ままに好きなものと遊びながら写真を撮るのは、幸せな作業だった。私はみめうるわしい可愛い猫でなく、猫の瞳に私を映しながら、その愛しさを撮りたかった。だからこの写真集は、サスケとモモエに姿を借りた私の『自写像』といえるのかもしれない」  
深瀬昌久『猫の麦わら帽子』(文化出版局、1979年)より





「サスケ」刊行にあたって

トモ コスガ



代表作「鴉」で写真史に爪痕を残しながらも長らく日の目を見ることのなかった数奇な写真家、深瀬昌久。彼がこの世に残した傑作「サスケ」が満を持して刊行となります。

物心つく頃から猫と隣り合わせの人生を送った深瀬の写真には、実に数多の猫が登場しました。中でも彼によって最も多く撮られ、今でも彼の猫写真を象徴する1匹として世界中から愛され続けているのが、キジトラ模様のサスケです。

深瀬は70年代後半に「ビバ!サスケ」「サスケ!!愛しき猫よ」「猫の麦わら帽子」と猫を題材にした写真集を3冊も世に送り出しました。その全てがサスケと、次いで飼い始めた三毛猫モモエの2匹を被写体にしたものでしたが、あくまでも当時の日本に到来した空前の猫ブーム需要に応える目的に沿った出版であり、彼の写真表現を前面に押し出した作品集とは言いがたいものでした。そうした背景も相まってか、これまで「サスケ」が人々に癒しを与えるような猫写真のジャンル内で評価されることはあっても、作品として批評される機会に恵まれることはそれほどなかったのです。しかし「サスケ」が、実は深瀬の代表作「鴉」と表裏一体にあり、ひいてはその2作が、彼のもうひとつの代表作「洋子」を陰陽にそれぞれ分けたものだと知った時、その真価は初めて問われると言えるでしょう。

深瀬の妻・洋子との離別がきっかけとなって制作が開始されたのが「鴉」でしたが、12年間に及ぶ彼女との結婚生活について、彼が「しまいには写真を撮るために一緒にいるようなパラドックスが生じ、それは決して幸せなことではなかった」と振り返ったように、70年代中盤には夫婦としての関係に終止符が打たれました。まるで霞がかった井戸の底を覗き込むような、虚無のブラック&ホワイト。それはのちに深瀬の代表作となるだけでなく、現在では日本写真の金字塔として世界的に評価されています。

その前身にあたる「洋子」は、題名が示すように自身の妻を題材とした作品ですが、彼女を写した写真群の合間にカラスを写した写真を印象的に織り交ぜて構成されました。それに続く形で発表された「鴉」においては彼女の姿こそ見当たりませんが、闇を舞うカラスにその残像を見るのはそう難しいことではありません。つまり私たちは「鴉」を通じて、妻の喪失を起因とした深瀬の寂寥を感じ取ることができます。

さて当時、深瀬が「鴉」と並行して向き合う題材がありました。それが「サスケ」です。深瀬は、洋子と別れた直後にもらってきたその仔猫をどこへ行くにも伴っては、のびのびとした姿や奔放に戯れる様子を夢中で撮り続けました。その前年に洋子との離別があったことを踏まえると、やはりサスケの影に彼女の残像を見ずにはいられません。しかしその姿は「鴉」とは対照的に、生ける喜びが全面に溢れ出たもの。言ってみれば、古い歌謡集「梁塵秘抄」に収められた文句「遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん 遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそゆるがるれ」を連想させるほど、生に突き抜けた表現であることが見て取れます。そのことから「サスケ」を通じて見ることができる戯れとその享楽とは、かつての賑やかな結婚生活の追憶であるとも受け止めることができます。

このように、「鴉」を通じて自らの業を背負いながらも「サスケ」を通じてそれを前向きに受け止めたという意味で、両者は陰陽の表裏一体にあったと捉えることができるのです。

そのような作家背景を抜きにしても、「サスケ」は写真表現を通じた深瀬の試みを教えてくれます。彼が書き残した言葉の数々を辿りながら2匹の写真をつぶさに視ることで浮かび上がるのは、言葉が通じない動物を相手にするからこそ働かせる身体的な触覚の発動、あるいは被写体に自らを重ねる感覚としての主客未分の境地であり、それらこそ深瀬が一生涯をかけて撮った写真を貫く特有の感覚だったとも言えるでしょう。ですからやはり、「サスケ」なくして深瀬の写真を語り尽くすことはできないと言っても過言ではございません。

今回、「サスケ」を再びこの世に送り出すに当たって、彼の視座は従来の3冊を単に復刻することでは確かめることが難しいと判断し、写真の選出から編集に至るまで、いちから作り上げました。その際には、深瀬が70年代当時に自ら焼いたビンテージ銀塩プリントからの選出と図版作成をし、サスケにまつわる彼の手記を頼りにしながら、深瀬がサスケを通じて試みたに違いない表現の数々が見て取れる写真を余すことなく詰め込みました。

本書をもって、「サスケ」が「鴉」や「洋子」と併せて後世に引き継がれ、また写真史に刻まれることを心から願います。



トモ コスガ
深瀬昌久アーカイブス 創設者兼ディレクター/ 本書編集者






SASUKE 

Masahisa Fukase


This publication 《SASUKE》is dedicated to Masahisa Fukase's emblematic series on his two cats: Sasuke and Momoe, combining unpublished and iconic images.

World famous Japanese photographer, notably known for his cult book The Solitude of Ravens (1986), Masahisa Fukase turns in 1977 his lens towards his new companion: his cat Sasuke. Surrounded by felines since his childhood, Fukase decides with the arrival of this new kitten to make him a photographic subject in his own right. He takes it everywhere with him and, in a long-term almost experimental form, explores a new practice: "That year I took a lot of pictures crawling on my stomach to be at eye level of a cat and, in a way, that made me a cat. It was a job full of joy, taking these photos playing with what I liked, in accordance with the changes of nature." Taking advantage of this model full of life, Fukase created as usual an extraordinary photograph in its technical and visual inventiveness. 

One day, Sasuke disappears and the Fukase sticks hundreds of small posters (as featured on the cover of the book) in his neighborhood. After that, he welcomes a second cat, nicknamed Momoe, who will also enter the frame: "I didn't want to photograph the most beautiful cats in the world but rather capture their charm in my lens, while reflecting me in their pupils. You could rightly say that this collection is actually a «self-portrait» for which I took the form of Sasuke and Momoe." The book is divided in 4 chapters, organizing the chronology of Fukase's life with his cats and, as often in his work, showing a form of projection of the photographer into his subject. The cat, a faithful companion who never leaves him, takes the place of his wife, eternal heartache, also represented by the iconic fleeing crows. 

His cats have been the subject of several books in his lifetime and Tomo Kosuga has dug into the photographer's archives to conceive this ultimate book as the achievement of a series of publications devoted to his cats.

This book closes the series of publications devoted to his cats.





Special gifts for the first customers 


先着ご購入者さまに、特典トートバッグをお付けして、写真集『サスケ』をお届け致します。
(先着700枚限定、無くなり次第終了とさせて頂きます。サイズ:H37cm × W30cm)

→予定枚数に達したため、配布を終了致しました。
This service is no longer offered as the planned number has been reached.



サスケトートバッグc2.jpg






Artist Information 



深瀬昌久 (Masahisa Fukase)

1934年、北海道中川郡美深町に生まれる。日本大学芸術学部写真学科卒業。日本デザインセンターや河出書房新社などの勤務を経て、1968年に独立。1974年、アメリカ・MoMAで開催された歴史的な日本写真の展覧会「New Japanese Photography」への出展を皮切りに、これまで世界各国の展覧会に出展多数。1992年、不慮の事故で脳障害を負い、20年間の闘病の末、2012年没。享年78。代表作「鴉」は日本写真の金字塔として世界的に高い評価を得ている。没後に創設された深瀬昌久アーカイブスの働きにより、2017年には仏・アルル国際写真祭にて没後初の大回顧展「l'incurable égoïste」を開催。2018年、京都のKYOTOGRAPHIE にて国内初の回顧展「遊戯」を開催。また同年、蘭・Foamにて美術館初となる回顧展「Private Scenes」を開催。その開催に合わせて、深瀬がその生涯をかけて制作した作品群を編さんした写真集「Masahisa Fukase」(赤々舎より日本語版、Editions Xavier Barralより英語版及び仏語版)が刊行された。masahisafukase.com 


トモ コスガ (Tomo Kosuga)

1983年、東京都新宿区生まれ。深瀬昌久アーカイブス 創設者兼ディレクター。2000年頃より深瀬の作品研究を開始。深瀬の没後、遺族からの依頼を受け、2014年に深瀬昌久アーカイブスを創設。アーカイブ活動に留まることなく、深瀬の展覧会キュレーションや出版物の編集や解説執筆を担う。アート・プロデューサーとしても各種展覧会の企画やプロデュースを手がけ、また写真表現を専門としたライターとして日本写真の現在を各種媒体に寄稿。これまでキュレーションまたは共同キュレーションに携わった展覧会として、深瀬昌久「Private Scenes」(2018年 蘭・Foam)、深瀬昌久「l'incurable égoïste」(2017年 仏・アルル国際写真祭)、深瀬昌久「救いようのないエゴイスト」(2015年 東京・Diesel Art Gallery)のほか多数。著書として「Masahisa Fukase」(赤々舎より日本語版、Editions Xavier Barralより英語版及び仏語版)がある。写真表現を考えるYouTubeチャンネル「トモコスガ言葉なき対話」にて日々発信中。www.youtube.com/tomokaflex


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