Publishing


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『りんご通信 2』
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  Editor in chief:髙橋健太郎
  Editor  :姫野希美
  Design:大多和琴

  Cover photo:川崎祐

  発行:赤々舎

   Size: H406mm × W277mm
  Page:12 pages

  Published in Jan 2022

¥ 500+tax 

国内送料無料!

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About Ringo Letter


りんご通信 2号!


明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。2022年、はじまりのお便り・新聞として、りんご通信2号を皆様にお届け致します。

「りんご通信」は、小社HPから書籍をご購入頂いたお客様に無料で同封し、商品と一緒にお届けをするものです。また、りんご通信のみをご希望の方は、こちらのページからご購入いただくことができます。

創刊1号の8ページから増え、12ページ(!)となった今号では、木村和平、川崎祐、川瀬慈、清水裕貴の連載に加え、新たな寄稿者として、上原沙也加(写真家)、楠本亜紀(写真批評家、キュレーター)、椿昌道(赤々舎)、齋藤陽道(写真家)と、風景と人との関わりを想うエッセイが、波のように連なります。

枝葉を様々に持つように号を重ねながら、それぞれの場所で実りゆくものでもあるだろう「りんご通信」に、今年もぜひご期待くださいませ。

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「りんご通信 2」

川崎祐    本と明け方2  錘としての疾しさ
楠本亜紀   風景を手探る  第一回  はい、風景です。
木村和平   わたしは道すがら2
川瀬慈    虹の蛇
上原沙也加    北海道から。沖縄から。2 ─ ついの住みか
椿昌道      移動する写真集 ─ 台湾
齋藤陽道   ホットブルー日記
清水裕貴   Bar Landscape Vol.2 ─ 光のない部屋

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私の初めての写真の仕事は、国外の新聞からの撮影依頼でした。掲載された写真は、紙面の半分を占めてレイアウトされており、写真と読者に対する信頼だと勝手に感じた私は、そのことにとても驚きました。りんご通信の原点はそこにあります。それまで写真がそのような扱いを受けている国内の新聞を、少なくとも広告以外では見たことがありませんでした。その差異に私は、情報を複層的に伝えようとするメディアの一つの理想的な形態を見た気がしました。

一枚の写真、あるいは連なりの写真群は、それを見て理解しようとする側の意識をも拒もうとしているかのようでとてもわかりにくいです。その複雑さはまるで、この世界と私たちとの間に存在する理解困難な厚みのある隔たりそのもののように思えなくもありません。

がしかし、反面、今の日本では写真にまつわる印刷物が姿を消しつつあるように思えます。それは同時に、この社会が複雑さを受け止めるのではなく、わかりやすいものを消費するように仕向けられている現実と重なる気がしています。

であるならば今、あえて複雑さを詰め込みながら写真を軸に据えた読み物を定期で刊行してもいいのではないだろうか。そう思い立って作られたのがこのりんご通信です。写真だけでなく、言葉すらも破壊される国にあって、写真と言葉を同時に大切に紡いで行こうとするささやかな抗い、試みだと思っています。


りんごが木から落ちて初めて何かを知った。りんごを口にしてこの世界が一変した。りんご通信が届ける写真と言葉が、皆さんの小さな契機になれば嬉しいです。それぞれのりんごと、香港紙アップルデイリーに敬意を表して。
  

髙橋健太郎(りんご通信 編集長)



以前、松本市に住んでいたとき、駅前に魅力的な酒屋を見つけた。オーナー自ら、長野県内を中心に酒蔵やワイナリーを巡り、醸造の苦労や喜びをつぶさに知り、時間を共にしながら仕入れていた。松本を離れてからも、年に数回、手書きの学級新聞のような案内が届く。酒のこと、酒をつくる人のこと、酒を愉しむ人のこと。私もいつか、こんな「手紙」を出せたらと思うようになった。

ふとした夜の会話から「りんご通信」は生まれた。どんな本も忽然と出来るわけではなく、さまざまな水路が周りにある。その光景をお伝えすることから、会話が始まるのも素晴らしい。
そして、今回設けた「連載」という場が、行方を定めない戦きとともに、一冊を生む土壌となるだろうことも初めてのときめきとなっている。

姫野希美(りんご通信 編集員)

 
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『りんご通信 1』
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  Editor in chief:髙橋健太郎
  Editor  :姫野希美
  Design:大多和琴

  Cover photo:木村和平

  発行:赤々舎

  Size: H406mm × W277mm
  Page:8 pages

  Published in November 2021

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About Ringo Letter


りんご通信 創刊!


このたび赤々舎では、「りんご通信」を創刊致します。

「りんご通信」は、小社HPから書籍をご購入頂いたお客様に無料で同封し、商品と一緒にお届けをするものです。また、りんご通信のみをご希望の方は、こちらのページからご購入いただくことができ、今後は、オンライン記事としてもご購入いただけるようになる予定です。

記念すべき1号は、木村和平、川崎祐、川瀬慈、髙橋健太郎、清水裕貴らの言葉と写真による連載、そして、小社姫野のエッセイから始まります。

枝葉を様々に持つように号を重ねながら、それぞれの場所で実りゆくものでもあるだろう「りんご通信」にぜひご期待くださいませ。

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「りんご通信 1」

木村和平   わたしは道すがら1 
川崎祐    本と明け方1  ─ 共通の言葉を探す
川瀬慈    イメージの還流
髙橋健太郎     北海道から。沖縄から。1 ─ 北海道と髙橋家
清水裕貴   Bar Landscape Vol.1 ─ 天より形を為して下す物
姫野希美   坂川栄治さんとクレーム・ブリュレ

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私の初めての写真の仕事は、国外の新聞からの撮影依頼でした。掲載された写真は、紙面の半分を占めてレイアウトされており、写真と読者に対する信頼だと勝手に感じた私は、そのことにとても驚きました。りんご通信の原点はそこにあります。それまで写真がそのような扱いを受けている国内の新聞を、少なくとも広告以外では見たことがありませんでした。その差異に私は、情報を複層的に伝えようとするメディアの一つの理想的な形態を見た気がしました。

一枚の写真、あるいは連なりの写真群は、それを見て理解しようとする側の意識をも拒もうとしているかのようでとてもわかりにくいです。その複雑さはまるで、この世界と私たちとの間に存在する理解困難な厚みのある隔たりそのもののように思えなくもありません。

がしかし、反面、今の日本では写真にまつわる印刷物が姿を消しつつあるように思えます。それは同時に、この社会が複雑さを受け止めるのではなく、わかりやすいものを消費するように仕向けられている現実と重なる気がしています。

であるならば今、あえて複雑さを詰め込みながら写真を軸に据えた読み物を定期で刊行してもいいのではないだろうか。そう思い立って作られたのがこのりんご通信です。写真だけでなく、言葉すらも破壊される国にあって、写真と言葉を同時に大切に紡いで行こうとするささやかな抗い、試みだと思っています。


りんごが木から落ちて初めて何かを知った。りんごを口にしてこの世界が一変した。りんご通信が届ける写真と言葉が、皆さんの小さな契機になれば嬉しいです。それぞれのりんごと、香港紙アップルデイリーに敬意を表して。
  

髙橋健太郎(りんご通信 編集長)



以前、松本市に住んでいたとき、駅前に魅力的な酒屋を見つけた。オーナー自ら、長野県内を中心に酒蔵やワイナリーを巡り、醸造の苦労や喜びをつぶさに知り、時間を共にしながら仕入れていた。松本を離れてからも、年に数回、手書きの学級新聞のような案内が届く。酒のこと、酒をつくる人のこと、酒を愉しむ人のこと。私もいつか、こんな「手紙」を出せたらと思うようになった。

ふとした夜の会話から「りんご通信」は生まれた。どんな本も忽然と出来るわけではなく、さまざまな水路が周りにある。その光景をお伝えすることから、会話が始まるのも素晴らしい。
そして、今回設けた「連載」という場が、行方を定めない戦きとともに、一冊を生む土壌となるだろうことも初めてのときめきとなっている。

姫野希美(りんご通信 編集員)

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『りんご通信 7』
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  Editor in chief:髙橋健太郎
  Editor  :姫野希美
  Design:大多和琴

  Cover photo:ファン・イェジ

  発行:赤々舎

  Size: H406mm × W277mm
  Page:12 pages

  Published in April 2025

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りんご通信は小社のWEBで書籍をご購入頂いた方にお付けしております。
こちらのページにて単体ご購入も頂けます。




About Ringo Letter


りんご通信 7号  出来!


待望の『りんご通信』第7号には、韓国の写真家ファン・イェジをはじめとする7名が寄せた、まなざしと言葉が静かに編み込まれています。

遠くから近くへ、近くから遠くへ。ふと立ち止まる場所から、再び、生の時間へ何かを失い、辿り、そのあわいを往復するなかで、目に映るものや手放したものとの距離は、ゆっくりと変わっていきます。

日常にふと訪れる別れへの気づきや、未だ喪を辿り続けるありよう。そして、推動のうちにある、わたしたちの今。そのうつろいに目をこらし、想像をめぐらせる『りんご通信』は、読むたびに新しい光をたたえながら、まだ名前のついていない眼差しや思いに、そっと実りの輪郭を与えてくれることでしょう。


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「りんご通信 7」

ファン・イェジ|ひりつく抱擁死の系譜智星 訳
大道康輝|505
清水裕貴| Bar Landscape Vol.7 ─「酸欠の遊戯」
齋藤陽道|  ホットブルー日記
川崎祐| 本と明け方 6 ─ それだけでない何か別の、とても大切な何か
戸田昌子| フランス・アイルランド日記 ロワゾナショナル編
堀井ヒロツグ|からだの波打ち際で 2

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韓国語の「見る」──보다 (ポダ)には、「会う」という意味もあるのだと、ソウルから京都へ留学に来ていた友人が教えてくれた。その言葉を耳にして、ふと思った。写真を"見る"ということはきっと、そこに写る光と陰に"出会う"ことでもあるのだろう、と。時制を隔てる柵を軽やかにこえていくまなざしで、この世界を先に去ったあの人にも、写真のなかでなら"会う"ことができるのかもしれない。
今号からは新たに大道康輝さん、そして韓国からファン・イェジ(황예지) さんが、過去や未来を行き交う光について記述する。
りんごのページを見つめるその先で、時の岸辺にそっと触れるような出会いがあることを願って── 

(髙橋健太郎 編集後記より)


りんご通信 編集部では、皆さまのご感想、お便りをいつでもお待ちしております。
メールは info(a)akaaka.com まで、お手紙は赤々舎事務所まで、SNSをはじめ、皆さまからの"返書りんご"を楽しみにお待ち申し上げております。

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©Koki Daido



 



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 映里 『饗宴 ── 愛について』1996 ─ 2000
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 Organizers:榮榮&映里
 Art Direction:田中義久
 Design:谷川佳子
 翻訳:ジリアン・シュルツ、趙氷清、Fontaine Limited
 
発行:三影堂撮影芸術中心、赤々舎

  Size:H 350mm x W 260mm
  Page:168 pages
  Binding:Hardcover

  Published in August 2021
  ISBN
9978-4-86541-120-1



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About Book


唯一なるものが生まれる前の闇の時間。未来への蠢き。



「写真を始めてからは、真剣に生きてきたと思います。
 写真をすることを、真剣にしてきたと思います。」(映里)


北京、そして京都を拠点として活動する国際的なアーティスト 「榮榮&映里」(RongRong&inri)。
本書は、映里がユニットとして作品を発表する以前の1996年から2000年にかけて、単独で制作した作品群である。
4つのシリーズから成る『饗宴』は、「本人が写っていてもいなくても、これはすべて、若い女性のセルフ・ポートレイトである。」(笠原美智子/本書所収テキストより)バブルが弾けた後の世紀末東京で、写真を通してひたすら自己を見つめ、葛藤し、知り得るあらゆる技法を注ぎ込みながら制作された作品を、今発表するのは何故か。

東京で一人暮らしを始めたときから一緒の、鉢植えのサボテン。作家は、肉の塊としてのサボテンに自身を投影し、一年に一度の開花に全身全霊で立ち会う。自身を直視し、内側から突き破るためにカメラを向けた「セルフポートレイト」。
被写体と撮影者という関係を超え、互いの野生を呼び覚ます行為としての写真「MAXIMAX」。
クローンに見る存在の耐えられない軽さと、それに拮抗するオリジナルとして吐くグレーの煙「Gray Zone」。
世紀末の東京の闇の影に吸い込まれながら、水銀灯の波長に侵される人間の歪められた存在感「1999 東京」。

20年以上前に別々に撮影された4つのシリーズは、今初めて「愛」という観点のもとに提示された。
写真と愛を巡る、尽きぬ問いの始まりとしての作品群を、プラトンの『饗宴』になぞらえながら。一冊の中の起伏、そこからの未来ー。
2021年の終わらない闇の時間に、自身の創作と生の道筋を見せることで、それでもなお生きることを肯定したいという思いが脈打っている。




「『饗宴 Symposion』に記録された映里の必死の形相は、躊躇いながらも自分の足で立とうともがく多くの現代女性の、何よりの力添えとなるだろう。映里の声が聞こえるようだ。『こっちにいらっしゃい。ひとりで立つことは時に辛くて大変だけれど、清々しい未来の扉を開けることができるよ』と。」(笠原美智子/本書所収テキストより)。





Symposion ── About Love 1996 ─ 2000

inri 


This book takes what were originally four separate series produced over twenty years ago, bringing them together under a single theme ̶ love. In the period when I took these photographs, young people, blindly accepting the predictions of Nostradamus, were caught up in a sense of approaching apocalypse as an era came to an end. Crushed by the very real feeling that life held no hope, it seemed as if my only reason for living was to wait for the doom of humanity due to commence in July 1999. Then, at the age of twenty-three, discover- ing the dance company H Art Chaos and photographing its lead dancer Naoko Shirakawa catastrophically transformed my ideas on the value of photography as artistic expression. If photography were art, I realized, I would have to become the agent in the process, confidently asserting my own ideas and following my own sense of aesthetics. My photographs did not exist for someone else. I gained a painful awareness that it was me, and me alone, who was producing the photographs. I quit my job, but for a while I was unable to shoot people, and I was on the verge of losing my motivation for living. Then I found inspiration in friends who were experimenting freely as they attempted to find out what it was that they really wanted to do. That led me to the act of taking photographs, an act that eventually gave me the drive to live. The photographs I produced at that time now seem highly relevant to what people are going through today. 

When I started out, love was not in my repertoire, and even in my dreams I would not have envisaged myself thinking of love as a theme for my photographs. My idea o'f love'is continually changing as I explore, going deeper and deeper into photography, and its inseparable presence within me leads to big struggles from time to time. I think in terms of"love=photography."Photogra- phy is my only method for learning about love, and love is the only idea from which photographs can emerge. In other words, love is the truth behind the photographs that I am seeking. And it was in the group of works presented here that I discovered the beginnings of that never-ending quest.



Extracted from the afterword  inri 
"Symposion ── About Love) 





"These works make people feel a kind of pent up suffering, the fate and distress of those who have no choice but to express themselves artistically. When it comes to trying to painstakingly control and direct the creative energy that can strike at any moment, it's when the flame touches the point of ignition that "work" is created. She takes that which must be articulated to be revealed--her pent up restlessness, impatience, indignation, conflict, and desire--along with all kinds of thoughts, and personally pours them out in front of the camera. She uses the camera to extract them, developing them on film or bringing them to the printer, makes sample prints, meticulously sifts through them one by one, selects a few to enlarge, and after careful scrutiny, returns to her place in front of the camera. This task is repeated over and over. Self portraiture is the act of relativizing the self in the midst of a continuously repeating process. Thousands of photographs are born from the seemingly uncontrollable vortex within her, she makes an objective selection and ultimately only the handful that survive become "artworks."


Extracted from the text Kasahara Michiko (Vice Director, Artizon Museum, Ishibashi Foundation) 






関連情報



KYOTOGRAPHIE 2021 Exhibition

榮榮&映里(ロンロン&インリ)
「即非京都


会期:2021年9月18日(土)〜10月17日(日)
休み:9/21、9/27、10/4、10/12

時間:9:00〜16:30 
会場:琵琶湖疏水記念館 屋外スペース
(京都府京都市左京区南禅寺草川町17 

入場無料








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Artist Information 


映里 

1973年神奈川県生まれ

1994年日本写真芸術専門学校卒業後、朝日新聞社出版写真部に嘱託勤務。97年独立。2000年に中国に渡り「榮榮&映里」として中国人写真家榮榮と共同制作を開始。2007年、中国北京市草場地に中国初となる写真専門の現代アートセンター、三影堂撮影芸術中心を榮榮と共同設立。2015年には福建省厦門市に三影堂厦門撮影芸術中心開設。中国における現代写真芸術の発掘、普及、発展のプラットフォームとなることを目指し年間を通して様々な展覧会やプログラムを行う。2009年から開始した中国の若手写真家の発掘と支援を目的としたアワード「三影堂撮影賞」や、フランスのアルル国際写真祭と正式提携した北京初の国際写真祭「草場地春の写真祭、アルルから北京へ」(2010-2012年)、「ジメイ×アルル国際写真祭」(2015年ー)などの国際的写真イベントを開催。2016年にワールド・フォトグラフィー・オーガナイゼイションが主催するソニー・ワールド・フォトグラフィー・アワード・アウトスタンディング・コントリビューション・トゥー・フォトグラフィー賞受賞。

主な参加展に「MAXIMAX」(fujikawa gallery/next/日本、2001年)、「交差する圧力」(オウル市美術館、フィンランド写真美術館/フィンランド、2001年)、「変容:榮榮&映里の影像世界(1993-2003年)」(798芸術区大熔炉/中国、2003年)、「CHINART:中国の現代美術」(キュッパースミューレ美術館グロテ・コレクション/ドイツ; ローマ現代美術館/イタリア;ルートヴィヒ美術館/ハンガリー、2003-2004年)、「第5回上海ビエンナーレ」(上海美術館/中国、2004年)、「天の下で」(アントワープ現代美術館/ベルギー、2004年)、「僧侶と悪魔:中国現代アート特別展」(リヨン現代美術館/フランス、2004年)、「美の協商」(ハウス・オブ・ワールド・カルチャーズ/ドイツ、2005年)、「アルル国際写真祭」(フランス、2007年)、「大邱フォトビエンナーレ」(韓国、2008年)、「ディオール&中国のアーティスト」(ユーレンス現代美術センター/中国、2008年)、「榮榮&映里:破壊と再生の間で」(Casa Asiaバルセロナ;Casa Asiaマドリード/スペイン、2008年)、「第3回広州国際写真ビエンナーレ」(広東美術館/中国、2009年)、「ユーロパリア国際芸術祭」(ブリュッセル美術館/ベルギー、2009年)、「複眼」(何香凝美術館/中国、2010年)、「三世万物」(資生堂ギャラリー/日本、2011年)、「世・界:三世十方」(越後妻有大地の芸術祭/アジア写真映像館/日本、2012年)、「LOVE展:アートにみる愛のかたち―シャガールから草間彌生、初音ミクまで」(森美術館/日本、2013年)、「写真のエステ」(東京都写真美術館/日本、2013年)、「フォーカス」(フォートワース現代美術館/アメリカ、2015年)、「きっと初めてじゃない:中国現代写真」(フォーム写真美術館/オランダ、2015年)、「中国の写真ー20世紀以来」(三影堂撮影芸術中心/中国、2015年)、「妻有物語」(京都国際写真祭/日本、2015年)、「初見:アジアで現代を収集する」(アジア美術館/アメリカ、2015年)、「記憶の円環」(水戸芸術館/日本、2016年)など。



inri


Born in 1973 in Kanagawa prefecture, Japan.

In 1994, she graduated from Nippon Photography Institute and began working as a press photographer for Asahi Shinbun in Tokyo. In 1997, she became a freelance photographer and began independently creating work. In 2000, she began creatively collaborating with Chinese art photographer RongRong. In 2007, she and RongRong cofounded China's first nongovernmental contemporary photography art center, Three Shadows Photography Art Centre, in Beijing's Caochangdi district. In 2015, Three Shadows Xiamen Photography Art Centre opened in Xiamen, Fujian province. Dedicated to building and developing a platform to explore and promote Chinese contemporary photography, Three Shadows produces a variety of exhibitions and programs every year. Starting in 2009, she founded the "Three Shadows Photo Award" with the aim of discovering and supporting young photographers in China. That same year, she kicked off a number of international photography projects, including the first official partnership with Rencontres d'Arles to produce Beijing's first international photo festival, "Caochangdi PhotoSpring--Arles in Beijing" (2010-2012), followed by "Jimei x Arles International Photo Festival" (2015 onward). In 2016, she and RongRong were awarded the Sony World Photography Awards Outstanding Contribution to Photography prize, issued by the World Photography Organization. 


Selected exhibitions: 

MAXIMAX, fujikawa gallery/next, Japan, 2001. Cross Pressures, Oulu City Art Museum, The Finnish Museum of Photography, Finland, 2001.Tui-Transfiguration: The Image World of RongRong&inri, 1993-2003, 798 Art District, China, 2003. Chinart, Museum Kuppersmuhle Sammlung Grothe, Germany; Museo Arte Contemporanea di Italy; Ludwig Museum, Hungary, 2003-2004. 5th Shanghai Biennale-Techniques of the Visible, Shanghai Art Museum, China, 2004. All Under Heaven, Museum van Hedendaagse Kunst, Belgium, 2004. Le moine et le demon: Art Contemporain Chinois, Musée Art Contemporain Lyon, France, 2004. About Beauty, House of World Cultures, Germany, 2005. RongRong & inri, Rencontres d' Arles, France, 2007. DIOR & CHINESE ARTISTS, Ullens Center for Contemporary Art, China, 2008. Daegu Photo Biennale, Korea, 2008. RongRong & inri: The Power of Ruins. Between Destruction and Construction, Casa Asia, Madrid and Barcelona, Spain, 2008. Europalia--International Art Festival, Brussels Art Museum, Belgium, 2009. Third Guangdong International Biennale, Guangdong Museum of Art, China, 2009. Compound Eye, HeXiangNing Art Museum, China, 2010. Three Begets Ten Thousands Things, Shiseido Gallery, Japan, 2011. WORLD BOUNDARY: Three Realms & Ten Directions, Echigo-Tsumari Art Triennale, Japan, 2012. Collection Exhibition 2013: The Aesthetics of Photography, Tokyo Metropolitan Museum of Photography, Japan, 2013. All you need is Love: 10th Anniversary Exhibition, Mori Art Museum, Japan, 2013. We may have met before--Chinese Contemporary Photography, Foam Amsterdam, Netherland, 2015. Chinese Photography: Twentieth Century and Beyond, Three Shadows Photography Art Centre, China, 2015. Tsumari Story, Kyoto Graphie international photography festival, Japan, 2015. Focus: RongRong&inri, the Modern Art Museum of Fort Worth, USA, 2015. Memories Through Cycle, Art Tower Mito, Japan, 2016. 




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 今福龍太『原写真論』
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  Book Design:佐藤篤司

  発行:赤々舎

  Size: H185mm × W148mm
  Page:344 pages
  Binding:Softcover

  Published in June 2021
  ISBN
978-4-86541-135-5



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About Book


写真が生まれる場所に潜んでいた〈原写真〉という衝動を、
イメージ発生の現場に追い求めた鮮烈で厳格な批評の集成。


本書は、文化人類学者・批評家である今福龍太氏が、これまでさまざまな媒体で発表してきた写真論、批評的エッセイから、自身の批評の一つの到達地点を簡潔に示すという意図によって厳選しまとめられた、2000年以降に発表された批評テクストの集成である。

"写真そのものではなく、その前に、その背後に、あるいはその彼方にあって明滅する「世界」と「眼」とのむすびつきの「原史」" に一貫して関心を抱きつづけてきた氏の筆は、写真が生まれる場所に潜んでいた〈原写真〉という衝動を推度し、山村雅昭、大原治雄、ブロツキー、ペドロ・メイヤー、東松照明、レヴィ=ストロース、ミゲル・リオ・ブランコ、多木浩二、セバスチャン・サルガドなどへの省察を通し、写真が生まれた場所を問いかける。
〈原写真〉という、写真の感情、意思、欲望、衝迫、痛み、そして希望─。
写真が日常を覆い尽くし、私たちの注視の眼からこぼれ落ち、思考の対象としては見過ごされてゆく、「撮るまえに撮られてしまっている」時代に抗する一冊である。




《目次》

 Prologue  顔が顔であった時代に 


I

 「瞬間の歴史」を証す人 大原治雄とブラジル
 「ここではない場所」への想像力 ブロツキーあるいは都市への不可能な帰郷 
 親密さと聖なるもの ペドロ・メイヤーの〈ディジタルな真実〉
 サルガドの「大地」(テーラ)とともに 

II

 映像による占領 戦後日本における写真と暴力
 長崎から、時の群島へ
 ユートピアの震える風カメラを持ったディオゲネス 


III

 時の地峡をわたって レヴィ=ストロースと写真
 眼と眼のはざまに砂漠が アブ・グレイブを目撃しないこと
 墓標を残すな! 
 家々は海深く消え去りぬ 多木浩二の〈反│建築写真〉


  E p i l o g u e  大地の平和、映像の平和

 
 あとがき

 初出一覧
 図版資料出典

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" 〈原写真〉とは定義しがたい謎のような運動体である。それは「世界」じたいが内部に持つ、イメージの豊かな生産力のようなもの。
外界からの刺戟によって写像イメージを生みだす、なんらかの情動やメカニズムがたしかに世界にはあったのである。近代の写真術の発明とは、その内在的な力の必然的な帰結に過ぎないのではないか。私はどこかで、写真そのものではなく、その前に、その背後に、あるいはその彼方にあって明滅する〈原写真〉としか呼びようのない「世界」と「眼」とのむすびつきの「原史(ウアゲシヒテ)」(ベンヤミン)に、ひたすら関心を抱きつづけてきたのだと思う。(「あとがき」より)" 


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"あなたが、写真が生まれる場のことを「暗い部屋」ではなく「明るい部屋」と呼んだとき、私のなかのなにかが変わった。買ったばかりのその本の活字を、ブリュッセルからパリまでの急行列車のなかでひたすら追いつづけた。暗闇の謎から生まれるはずの解釈の言葉は、車窓を飛び去ってゆく田園風景のように後ろへ逃げていった。私から、それとも、私が考える「写真」なるものから? ことばをもって考えるということの普遍性が立ち去った車窓に、とるにたらないと思われていた個別性の光がフランドルの夕暮れの斜光とともに差し込んだ。眩いほどのヤコブの梯子。明るい天穹から降りてくる天使たち。あなたの本にはさまれた、一人の黒人奴隷の写真から発する視線に私は射られた。パリのベレー帽の少年が抱える子犬の虚ろで漆黒の眼を見て涙が流れた。明るい未知の部屋のなかで、私は新しい旅を信じはじめた。"





Artist Information 


今福龍太 (Ryuta Imafuku)


文化人類学者・批評家。一九八〇年代初頭からラテンアメリカ各地で人類学的なフィールドワークに従事。早くから写真、映画、音楽、メディア、スポーツ、文学等の領域でも旺盛な批評活動を展開。二〇〇二年から奄美・沖縄・台湾の群島を結ぶ遊動型の野外学舎〈奄美自由大学〉を主宰。ブラジルのサンパウロ・カトリック大学でも随時集中セミナーを持つ。著書に『ミニマ・グラシア』『薄墨色の文法』『ジェロニモたちの方舟』『レヴィ゠ストロース 夜と音楽』『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(讀賣文学賞)『ハーフ・ブリード』『ブラジル映画史講義』『宮沢賢治 デクノボーの叡知』(宮沢賢治賞・角川財団学芸賞)『サッカー批評原論』ほか多数。二五年にわたる対話を集成した『小さな夜をこえて』もある。主著『クレオール主義』『群島─世界論』を含む新旧著作のコレクション《パルティータ》全五巻(水声社)が二〇一八年に完結。





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