Publishing

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 『われわれはいま、どんな時代に生きているのか
  ー岡村昭彦の言葉と写真ー』

  監修 戸田昌子
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  造本設計:大西正一
  発行:赤々舎

  Size:127 mm × 188 mm
  Page:256 pages
  Binding:Softcover

  Published in Aug 2020
  ISBN
978-4-86541-101-0




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About Book


ベトナム戦争、北アイルランド紛争、ビアフラ戦争などを取材し、世界のOKAMURAとして知られた報道写真家の言葉と写真を集成し、いまに問いかける一冊。


徹底した疑り深さと視野の広さに根ざして、語られるべきことを写真に撮った岡村昭彦。
本書はその独自の思考のエッセンスと関係性が見えてくるように、文章を抜粋し構成された。 
戦場と日常を行き来しながら考え、日常にあって医療やホスピスといった生と死の現場に切り込んでいった岡村の視点は、現代という動乱の時代に大きな意味を投げかける。
遺された言葉を編む全6章、カラー口絵32ページ。 



岡村昭彦の写真家人生は、はじめから「戦争写真家」としてのものであり、平時にあっても、テーマはつねに「戦争」であった。岡村は、戦争が風化しつつあった時代、「戦争を知らない子どもたち」が成人するような時代に、ベトナム戦争の戦場のありさまを日本人に突きつけた。
そして、ベトナム戦争が風化してゆく時代の中で、戦場からだけでなく、あらゆる現場から、撮り、書き続けた。
戦場を日常のまなざしで切り取り、同時に、日常を常に戦場として捉えていた人であった。〔......〕

写真家としては十五年余りという短い期間に集中的に撮影を行って、五万点の写真と、二万点以上の蔵書と、人々に多くの宿題を残して去って行った。本書をそうしたひとりの人間の、生き方のドキュメントとして読んでくださったら嬉しい。
(戸田昌子)


「二度と武器は持たぬと誓った日本人の一人として、私が戦場に持ってゆく武器は、ちいさなカメラだけだった。カメラが、私の武器だった」
(岡村昭彦)




目次




まえがき


1章 戦場の写真家

2章 植民地とはなにか

3章 フリーランスという生き方

4章 植民地の内側から

5章 ベトナムから遠くはなれて

6章 いのちをつなぐために

あとがき






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Author Information 



岡村昭彦(1929-1985) 

海軍軍人・岡村於菟彦の長男として生まれる。1947年東京医専(現・東京医科大学)を中退。輪タク屋や米軍相手のヤミ屋、渡島当別トラピスト修道院の客室係などを転々とした後、部落解放運動に取り組む。62年、PANA通信社特派員となりベトナム戦争を取材、64年『LIFE』に9ページにわたって掲載。65年『南ヴェトナム戦争従軍記』(岩波新書)がベストセラーとなり、『岡村昭彦写真集 これがベトナム戦争だ』(毎日新聞社)を出版。北アイルランド紛争、ビアフラ戦争、エチオピアの飢餓などを取材、カラー写真による戦争報道を確立した。
講談社写真賞、芸術選奨文部大臣賞、アメリカ海外記者クラブ最優秀報道写真年度賞、日本写真協会年度賞などを受賞。晩年は生命倫理やホスピス運動に取り組む。1985年3月24日、敗血症のため56歳で死去。



戸田昌子(1975-)

写真史家。1999年上智大学文学部新聞学科卒業。 2015年東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学 研究専攻博士課程満期退学。2006年、日本写真芸術学会奨励賞を受賞。
共著に『日本の写真家101』(新書館、 2008、飯沢耕太郎編)、『写真経験の社会史』(岩田書院、2012、緒川直人編)、『幻のモダニスト 写真家 堀野正雄の世界』(国書刊行会、2012)、『岡村昭彦の写真 生きること死ぬことのすべて』(美術出版社、 2014)ほか。
報道写真家・岡村昭彦をはじめ、主観主義写真の作家・迫幸一や今井寿恵などの日本の写真家の再評価をおこなう。武蔵野美術大学、東京綜合写真専門学校非常勤講師。




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  桐生眞輔『文身』
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  アートディレクション:藤本 敏行(株式会社ライブアートブックス)
  発行:赤々舎

  Size:257mm × 182 mm
  Page:144 pages
  Binding:Softcover

  Published in Aug 2020
  ISBN: 978-4-86541-114-0





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About Book


「文身」=「いれずみ」という行為を通して、「肉体」と「精神」、二つの個人を可視化する。



「祈り・誓い・願い」から文身(いれずみ)を身体に施す人をインターネットにより募集し、その「言葉」が「一文字の書」となって刻み込まれた身体と、そこでの過程を写し出す。ひとりひとりがなぜその文字に至ったのか、身体に刻むことへの思いを短く語るなかに、生の軌跡や不条理、それを超えゆこうとする意志が浮かび上がる。
「一文字の書」は精神と肉体を繋ぎ、自らの存在を切に問いかける。
書家であり、写真家である桐生眞輔が、書と美術との関わりを考察し、その境界を越えて創出された作品。

「いれずみ」は、宗教や文化に応じて多義性を持つ。刑罰としての負の文脈と、願いや神聖化の意味合いで行われる正の文脈とが日本においては存在した。行為する人と見る人の間の意識や価値のズレ。その境界線を扱うことで、人の視点や認識の在り方を提示する作品でもある。 



 文身


それは感情、思考を永く心に留めておく行為であり、
そのための徴しとして、肉体に文字を刻む。

それを見ては心を憂し、
それを見ては心を興し、
それを見ては心と対し、
それを見ては心を奮わし、
それを見ては心の静に至る。


(巻頭文より)


Artist Information 



桐生眞輔 

1978年 京都府生まれ
奈良教育大学 教育学部 総合文化科学課程 書法芸術専修卒業
奈良教育大学大学院 教育学研究科 美術教育専攻 書道コース修了
東京芸術大学大学院 美術研究科 美術専攻 先端芸術表現科 修了
東京芸術大学大学院 博士課程 美術研究科 美術専攻 先端芸術表現領域修了 博士(美術)
現在、京都芸術大学 文明哲学研究所 特別研究員
 
著書(単著)
2020年『文身』赤々舎
2019年『文身 デザインされた聖のかたち』ミネルヴァ書房



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  上田義彦『椿の庭』
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  アートディレクション:葛西薫 矢入幸一
  協力:2020"A Garden of The Camellia" Film Partners
  発行:赤々舎

  Size:148 mm × 223 mm
  Page:296 pages
  Binding:Softcover

  Published in July 2020
  ISBN: 978-4-86541-117-1




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About Book


海を望む家。花々が揺らぐ庭。
日々を慈しむ家族の記憶と生が響き合う、珠玉の写真集。



写真集『椿の庭』は、「上田義彦映画作品」から生まれた一冊です。写真家として重要な軌跡を辿ってきた上田義彦が、長年抱いてきたテーマをもとに初監督、脚本、撮影を務めました。そのフィルムから切り出され、少しの言葉とともに構成されたこの写真集は、ストーリーからふと浮遊しつつ、イメージが織りなす豊かな呼吸と時間を湛えています。 

 人がそれぞれに抱える喪失と記憶。その揺らぎを秘めつつ庭の傍で営まれる暮らしの所作。季節の巡りと響き合いながら生の、そして死への時間が進むなかに、静謐であり切実である美しさが立ち昇ってきます。写真と映像、本と映画のあいだに在ってこの一冊は、手に取るひとりひとりと交わり、さまざまな記憶と今を呼び覚ましてくれるでしょう。 <2024年5月 重版>




"あれから15年があっという間に過ぎていった。あれから、というのは、僕がある日思い立ち、ある家の小さな物語を書き始めた日からということ。その日、家の近所を散歩していると見かけない空き地が目に飛び込んできた。 次の瞬間、「あの家が無い、あの好きだった大きな木が無くなっている。」僕の中で何かが失われていくのが分かった。喪失感? 空っぽの地面が僕に何かを突きつけてきた。

あの日、僕の映画が始まった。

これらの写真は、映画で撮影したフィルムの中から選んだものです。僕にとっては、思い出深い、大切なシーンが写されています。
どんな家にも、それぞれの大事な家族の記憶が宿っている。家だけではない。小さな庭にも、そこに長く育った木にも、何気なく片隅に置かれた物たちにも。それらが無くなった空き地で、行き場を失った場所の記憶の、小さなつぶやきを、あの日、僕は聴いたような気がした。"


「椿の庭」について      上田義彦





About Movie 



映画『椿の庭』

監督・脚本・撮影 上田義彦

富司純子 沈 恩敬(シム・ウンギョン)

田辺誠一 清水綋治
張 震(チャン・チェン)特別出演

鈴木京香

エグゼクティブプロデューサー:小佐野 保、畠中鈴子
プロデューサー:橋本竜太、小川真司、宋 姈信
協力プロデューサー:飯田雅裕
音楽:中川俊郎

製作:ギークピクチュアズ/yoshihiko ueda films/ユマニテ/朝日新聞社
配給:ビターズ・エンド 制作プロダクション:ギークサイト
2020年/日本/128分/5.1ch/アメリカンビスタ/カラー

©2020 "A Garden of Camellias" Film Partners


https://natalie.mu/eiga/news/372917
https://twitter.com/tsubaki_niwa

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Artist Information 



上田義彦 

1957 年生まれ、兵庫県出身。写真家、多摩美術大学教授。福田匡伸・有田泰而に師事。1982 年に写真家として独立。以来、透徹した自身の美学のもと、さまざまな被写体に向き合う。ポートレート、静物、風景、 建築、パフォーマンスなど、カテゴリーを超越した作品は国内外で高い評価を得る。またエディトリアル ワークをきっかけに、広告写真やコマーシャルフィルムなどを数多く手がけ、東京ADC 賞最高賞、ニューヨークADC賞、カンヌグラフィック銀賞はじめ、国内外の様々な賞を受賞。作家活動は独立当初から継続し、2018年までに34冊の写真集を刊行。近著に『FOREST 印象と記憶 1989-2017』、『林檎の木』など。2011年、Gallery 916 を主宰し、写真展企画、 展示、写真集の出版をトータルでプロデュース。2014 年には日本写真協会作家賞を受賞。現在に至る。



Yoshihiko Ueda 

Photographer/Curator Born 1957 in Hyogo Prefecture, Japan. Assisted Masanobu Fukuda and Taiji Arita, before launching his career as an independent photographer in 1982. From editorial work, he went on to shoot numerous commercial photographs and films. International recognition for his commercial work includes the Tokyo Art Directors Club Grand Prize, New York Art Directors Club Award, and a Silver Lion at the Cannes Lions International Festival of Creativity among many others. In parallel, Ueda has also since 1982 continually pursued his artistic practice. As of 2018, he has published 34 photography collections. He is the director (since 2011) of Gallery 916, where he plans and produces photography-related exhibitions, publications, and talks.





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『あれから ─ ルワンダ ジェノサイドから生まれて』
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  Photographs and interviews:Jonathan Torgovnik
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  Planning, Translation:竹内万里子(Mariko Takeuchi)
  Book Design:大西正一(Masakazu Onishi)
  Publisher:赤々舎(AKAAKA)


  Size:250 mm × 212 mm
  Page:114 pages
  Binding:Softcover
  Language:日本語, English

  Published in July 2020
  ISBN: 978-4-86541-115-7



 




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About Book



1994年ルワンダで起きたジェノサイドにおいて、100日間でおよそ80万人もの人々が虐殺され、さらに大勢の女性たちが武器としての性暴力の犠牲となりました。その結果およそ2万人の子どもたちが生まれたという事実は、長らく闇に葬られていました。
2006年にルワンダを訪れて偶然この事実を知った写真家のジョナサン・トーゴヴニクは、自ら女性たちにインタビューを行い、親子のポートレートを撮影して、前書にまとめました(日本語版『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(竹内万里子訳、赤々舎、2010年)。この作品は発表後、世界各地で大きな反響を呼び、2012年にフランスのアルル写真祭でディスカバリー・アワードを受賞しています。

この最初の出会いから12年後、トーゴヴニクは再び家族のもとを訪れ、さらに彼らを記録するプロジェクトに取り組みました。それをまとめたのが本書です。ここには、前書に登場した30組のうち16組の親子が再び登場しています。
今回は、いまや成年に達している子どもたちに初めてインタビューが行われました。母親たちは子どもたちへ、彼らの出自についてそれぞれに告げていました。そこで子どもたちは初めて、これまで「人殺しの子」と呼ばれ、差別や拒絶のなかで生きてきた日々について自ら語ったのです。その一方で、母親たちはこれが二回目となるインタビューのなかで、今なお様々な問題や葛藤を抱えながらも、生き続けるなかで生じた思いがけない変化(精神的回復や親子関係など)にも触れています。

このプロジェクトで、トーゴヴニクは武器としての性暴力という十分に報道されていない問題とその結果を浮き彫りにし続けています。性暴力から生まれた子どもたち、そして何世代にも渡って受け継がれる複雑で深いトラウマを。これらの家族のポートレートとインタビューから浮かび上がるのは、希望と許し、壊れやすさ、そしてジェノサイドの深刻なトラウマと影響によって今なお続く葛藤という強い意味合いをもった、困難でありながらも意義深いストーリーです。
   

During the 1994 genocide in Rwanda, a large number of women were victims of sexual violence used as a weapon of war, and some 20,000 children were born as a result of the rapes they endured. Jonathan Torgovnik interviewed a number of the women and photographed them with their children, publishing Intended Consequences: Rwandan Children Born of Rape in 2009). Published as Disclosure: Rwandan Children Born of Rape, this project continues to highlight the use of sexual violence as a weapon and its consequences. It is a tortuous and profound trauma that affects the children born as a result and is also passed down to future generations. In revisiting these families, Torgovnik has uncovered a difficult but meaningful story with powerful implications. It is a story of hope and forgiveness, of fragility, and of the deep trauma and effects of genocide.

This book was published with the support of 402 people who participated in the crowdfunding effort. Every support was essential to this project, and is greatly appreciated.





About Project 



 


本書は、和英併記にすること、世界的な流通や展示などの展開を目標として、2019年12月〜2020年2月10日の期間
クラウドファンディングを実施し、402名の方のご支援をいただき、制作されました。
前作『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』は英語版、ドイツ語版、スペイン語版、日本語版が各国で刊行されましたが、本書『あれから─ ルワンダ ジェノサイドから生まれて』は、小社の単独刊行となります。
現在の出版を取り巻く状況によるものと言えますが、ここを起点として、広く本書を世界に伝えることを考えたいと思っています。
人々を揺さぶり、問いかけ、時に生きる力すらもたらしてきた肖像と言葉。
同じ時代に、同じ地平の上にある私たちは、互いに静かに耳を澄ませ、その存在から多くを汲み上げていきたいと願っています。




Set-Sales


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『あれから ─ ルワンダ ジェノサイドから生まれて』
+『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』セット

¥7,000(税込、国内送料無料)

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2冊で7480円(税込)のところを、7000円(税込)にてお求め頂けます。
前作『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』についてはこちらから

 
『あれから ─ ルワンダ ジェノサイドから生まれて』
+『沈黙とイメージ -写真をめぐるエッセイ-』セット

¥7,000(税込、国内送料無料)

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2冊で7480円(税込)のところを、7000円(税込)にてお求め頂けます。
竹内万里子『沈黙とイメージ』についてはこちらから




Artist Information 


ジョナサン・トーゴヴニク 

1969年イスラエル生まれ。写真家、映像作家。教育にも携わる。十分に報道されていない社会問題に個人的に取り組んだドキュメンタリー作品は、英国ナショナル・ポートレート・ギャラリー肖像写真賞、デュポン・コロンビア大学ジャーナリズム賞、アルル写真祭ディスカバリー・アワード、オープン・ソサイエティ財団ドキュメンタリー写真プロジェクト・フェローシップ賞、ゲッティ・エディトリアル写真賞、エミー賞ノミネーション、ウェビー・アワード、世界報道写真賞などを受賞。作品集に『Bollywood Dreams: An Exploration of the Motion Picture Industry, and it's Culture in India』(Phaidon,2003)、『Intended Consequences: Rwandan Children Born of Rape』(Aperture,2009)がある。世界中の美術館やギャラリーなどで数多くの個展・グループ展に参加。その作品はヒューストン美術館、フランス国立図書館 (パリ) 、アメリカ議会図書館 (ワシントンDC)に収蔵されている。
長期間にわたってルワンダで「Intended Consequences」のプロジェクトに深く関わり、ルワンダのジェノサイドにおける性暴力から生まれた子どもたちの中等教育を支援するため、民間組織「Foundation Rwanda」を共同設立した(www.foundationrwanda.org)。社会が変わるきっかけとしての写真の力を信じ、社会的不公正、人権、トラウマ、地球規模の健康問題などを熱心に記録している。南アフリカ在住。


竹内万里子 

1972年東京生まれ。国内外の作品集、新聞雑誌等に写真批評を寄稿。写真展企画も多数。訳書にジョナサン・トーゴヴニク『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』( 赤々舎、2010年)、著書に『沈黙とイメージ--写真をめぐるエッセイ』(日英対訳、赤々舎、2018年) がある。現在、京都芸術大学教授。京都府在住。



Jonathan Torgovnik

Jonathan Torgovnik (born in Israel,1969) is an award winning photographer, Emmy nominated filmmaker, and educator. His personal documentary projects dealing with underreported social issues have been recognized with numerous awards and honors such as the UK National Portrait Gallery Photographic Portrait Prize, the duPont Columbia University Journalism Award, Prix Découverte d'Arles, Open Society Foundations Documentary photography Project Fellowship Grant, the Getty Grant for Editorial Photography, an Emmy nomination, Webby Award, and World Press Photo award.
Torgovnik is the author of two books: Bollywood Dreams: An Exploration of the Motion Picture Industry, and it's Culture in India (Phaidon,2003), and Intended Consequences: Rwandan Children Born of Rape (Aperture,2009). His work has been featured in numerous solo and group exhibitions in museums, galleries, and institutions around the world and are in the permanent collections of The Museum of Fine Arts, Houston, the Bibliothèque nationale de France in Paris, and the Library of Congress, Washington, DC.
Following Torgovnik's deep involvement in his long-term project Intended Consequences in Rwanda, Torgovnik co- founded the non-governmental organization Foundation Rwanda, that supports secondary school education for children born of rape during the Rwandan genocide. (www.foundationrwanda.org).
Jonathan is a firm believer in the power of photography as a catalyst to help create social change and is committed to documenting issues relating to social injustice, human rights, trauma, and global health. Torgovnik is currently based in South Africa.


Mariko Takeuchi 

Mariko Takeuchi was born in Tokyo, Japan in 1972, and currently based in Kyoto. She is currently professor of Kyoto University of the Arts. She has contributed to many photography books, newspapers and magazines as photography critic, and curated many exhibitions. Published works include her Japanese translation of Jonathan Torgovnik's Intended Consequences: Rwandan Children Born of Rape (2010) and a collection of her writings Silence and Image: Essays on Japanese Photographers (Akaaka Art Publishing, 2018).





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   鈴木理策  『知覚の感光板』


  アートディレクション:須山悠里

  発行赤々舎

  サイズ:246mm × 342mm 
  ページ数:112 pages
  上製本 布装

  Published in April 2020.
  ISBN: 978-4-86541-112-6



        ¥ 8,000 +tax
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About Book


鈴木理策の新たな代表作の誕生
 
「太陽が照って、希望が心のなかで笑っている。」(ポール・セザンヌ)


この春、赤々舎は鈴木理策『知覚の感光板』を出版いたします。
『知覚の感光板』は、19世紀に起こった「写真の誕生」につよい刺激を受けて、それに反応しながら新たな絵画を模索した一連の画家たちが訪れ制作した場所を、鈴木が巡って撮影した58点の作品から構成されています。

そのテーマのシンプルさから、『知覚の感光板』は、これまでの鈴木作品に親しんできた方はもちろん、写真・アート・表現に関心のあるすべての方が惹き付けられる大きさを湛えた作品集となっています。
しかし、同時に、『知覚の感光板』が、驚異的なまでの緊密さと深さを携えた、鈴木理策のひとつの到達点とも評しうる作品であることはお伝えしておかなくてはなりません。それは、この作品が、鈴木がデビュー以来一貫して持ち続けてきた独自の関心と方法論の結晶とも言えるからです。巻末に寄せた作者自身によるテキスト「知覚の感光板」で、鈴木は次のように書いています。

カメラという機械による知覚は身体を持たないため、行動のために像を映し出さないという純粋さを持っている。
撮影時に現れているこの純粋さをその後プリントという物質の状態までいかに残すことができるか、それが私の作業のモチーフである。
この純粋さを手に入れられれば、写真を見ることは拡がりだけでなく、深さを持った経験になるのではないか。対象から何事かを感覚し、感応することは深さの経験であり、深さは見るたびに新しく生まれる。
(鈴木理策「知覚の感光板」より抜粋)



思えば鈴木理策の写真家としての歩みは、知覚の「純粋さ」を追い求める作業の積み重ねだったのかもしれません。
ハンディな中判レンジファインダー機で視差=ズレを持ち込んだ初期作品『KUMANO』『PILES OF TIME』に見られる身体から解放された目の自由で軽快な動き。『MONT SAINTE VICTOIRE』の途中で大判カメラに移行してからの「視覚による知覚」への接近と試行錯誤。
ただの一度として中断されることなく持続された鈴木理策の試みは、「写真の誕生」による絵画のもつ意味の変容と向き合い、「絵画とは何か」と自身に問いながら絵画の可能性を切り拓いた印象派以降の画家たちの歩みと共振しています。芸術家のあるべき姿を表したセザンヌの言葉をタイトルとするこの作品集に収められた58点は、その一点一点が見ることと描く行為への挑戦と深く共振し、写真の可能性や「風景」との向き合い方を真に新しく拓くものと言えるでしょう。

鈴木理策の新たな代表作『知覚の感光板』が全身で伝える「視覚による知覚」の歓びを、ぜひお手にとって体験してください。表紙の布に触れるところから、見尽くせぬイメージの移り変わりが始まります。ご覧になったあと、あなたにとっての写真を見るという経験は、大きく変わっているかもしれません。


 世界は持続し、変化し続けている。 (鈴木理策「知覚の感光板」より抜粋)


 *『セザンヌ』ガスケ著 與謝野文子訳 岩波文庫より




 『知覚の感光板』オリジナルプリント付エディション(special edition with print)   


¥ 88,000 tax included) 


国内送料 無料!


* 限定30部 (プリント2種 / 各15部)

* 作家本人による手焼きプリント1葉 (裏面にサインとエディションが入ります)

* サインとエディション入の写真集


プリントを以下、2種類よりお選び頂けます。

You can select  from 2 types of prints. limited 15 edition each.

 

suzuki_P17s.jpg   知覚の感光板特装Bsoldout.jpg

A)
Print size : 10×12 inch (254 x 304.8 mm)
Image size : 8×10 inch (203.2 x 254 mm)
A type-c print individually hand printed by the artist (signed)

A signed copy of the book
limited 15

  B)
Print size : 10×12 inch (254 x 304.8 mm)
Image size : 8×10 inch (203.2 x 254 mm)
A type-c print individually hand printed by the artist (signed)
A signed copy of the book
limited 15

 
         



Risaku Suzuki "La plaque sensible"

The Present Work


"My interest in artists who began painting before the advent of photography, and who explored new approaches during the emergence of photography, lead me photograph the sites of their work. I was not interested in the perspectives from which they painted nor the present state of the landscapes they depicted. Traveling to the places they painted, I wanted to experience the landscape, the weather, the changes in light, the direction of the wind, to think about what the painters felt and what they sought there.


Driving through France, I could feel the changes in the landscape, the smell of the land, the goût de terroir. I imagined that the painters of the past experienced this landscape in a similar way. The new medium of the photograph allowed people in the nineteenth century to hold the world still, the miracle of showing past time in the present, through a mode of mechanical vision so different from that of the human eye. Wonder fades over time, but some painters incorporated features of photography now taken for granted. The discovery of the "moment" was particularly significant. Degas, who painted momentary scenes is an obvious example but, in addition to informing their subject matter, both Monet and Cezanne sought to directly connect the act of painting and seeing in order to capture the moments that unfolded successively before their eyes. As soon as something is seen, the moment has already past; each momentary look is to see anew. These painters sought to render on canvas the ever-changing present.
The continued vibrancy of the light and wind they painted attest to their innovation and originality. 


The mechanical perception of the camera takes place outside of the body. It is as if one were to look at the image captured on the retina of a disembodied eyeball. It is decidedly different from the way that something is seen with the naked eye. Because our vision is always informed by our memories of the past, unadulterated vision is an impossibility. What we see in the present cannot be disaggregated from our memories of the past. Yet the mechanical perception of the camera, unlike that of the body, produces images with a clarity unaffected by human activity. My goal is to retain as much of this clarity as possible in material form of the photographic print. If this clarity is obtained, the experience of looking at a photograph can be one of expansiveness as well as depth. This sensation, this response, is a profound experience. It is a profundity that arises anew with every look at a world that continues to forever change."  (Risaku Suzuki  afterword  "La plaque sensible")





Artist Information 


鈴木理策 

1963年和歌山県生まれ、87年東京綜合写真専門学校研究科修了。98年、地理的移動と時間的推移の可視化を主題に、東京から自身の故郷への道のりと新宮の御燈祭りを撮影した写真で構成した初の写真集『KUMANO』(光琳社出版)を発表。
翌年、《Osorezan》と《Izanami》のふたつからなる『PILES OF TIME』(同)を出版し、2000年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞。
一貫して写真のメディア性に対する関心と「見ること」への問題意識を持ち、生地・熊野をはじめ、南仏のサント・ヴィクトワール山やセザンヌのアトリエ、自然の風景、ポートレイト、水面といった様々な対象を被写体としてきた。

これまでの主な個展に「意識の流れ」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館ほか、香川、2015)、「水鏡」(熊野古道なかへち美術館、和歌山、2016)、「Mirror Portrait」(タカ・イシイギャラリー、東京、2016)、「熊野 雪 桜」(東京都写真美術館、2007)。
作品は、サンフランシスコ現代美術館、ヒューストン美術館、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、国際交流基金などに収蔵されている。

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