Publishing

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   鈴木理策  『知覚の感光板』


  アートディレクション:須山悠里

  発行赤々舎

  サイズ:246mm × 342mm 
  ページ数:112 pages
  上製本 布装

  Published in April 2020.
  ISBN: 978-4-86541-112-6



        ¥ 8,000 +tax
                    国内送料 無料!

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You can buy the special editon from the bottom of the page.       

  










About Book


鈴木理策の新たな代表作の誕生
 
「太陽が照って、希望が心のなかで笑っている。」(ポール・セザンヌ)


この春、赤々舎は鈴木理策『知覚の感光板』を出版いたします。
『知覚の感光板』は、19世紀に起こった「写真の誕生」につよい刺激を受けて、それに反応しながら新たな絵画を模索した一連の画家たちが訪れ制作した場所を、鈴木が巡って撮影した58点の作品から構成されています。

そのテーマのシンプルさから、『知覚の感光板』は、これまでの鈴木作品に親しんできた方はもちろん、写真・アート・表現に関心のあるすべての方が惹き付けられる大きさを湛えた作品集となっています。
しかし、同時に、『知覚の感光板』が、驚異的なまでの緊密さと深さを携えた、鈴木理策のひとつの到達点とも評しうる作品であることはお伝えしておかなくてはなりません。それは、この作品が、鈴木がデビュー以来一貫して持ち続けてきた独自の関心と方法論の結晶とも言えるからです。巻末に寄せた作者自身によるテキスト「知覚の感光板」で、鈴木は次のように書いています。

カメラという機械による知覚は身体を持たないため、行動のために像を映し出さないという純粋さを持っている。
撮影時に現れているこの純粋さをその後プリントという物質の状態までいかに残すことができるか、それが私の作業のモチーフである。
この純粋さを手に入れられれば、写真を見ることは拡がりだけでなく、深さを持った経験になるのではないか。対象から何事かを感覚し、感応することは深さの経験であり、深さは見るたびに新しく生まれる。
(鈴木理策「知覚の感光板」より抜粋)



思えば鈴木理策の写真家としての歩みは、知覚の「純粋さ」を追い求める作業の積み重ねだったのかもしれません。
ハンディな中判レンジファインダー機で視差=ズレを持ち込んだ初期作品『KUMANO』『PILES OF TIME』に見られる身体から解放された目の自由で軽快な動き。『MONT SAINTE VICTOIRE』の途中で大判カメラに移行してからの「視覚による知覚」への接近と試行錯誤。
ただの一度として中断されることなく持続された鈴木理策の試みは、「写真の誕生」による絵画のもつ意味の変容と向き合い、「絵画とは何か」と自身に問いながら絵画の可能性を切り拓いた印象派以降の画家たちの歩みと共振しています。芸術家のあるべき姿を表したセザンヌの言葉をタイトルとするこの作品集に収められた58点は、その一点一点が見ることと描く行為への挑戦と深く共振し、写真の可能性や「風景」との向き合い方を真に新しく拓くものと言えるでしょう。

鈴木理策の新たな代表作『知覚の感光板』が全身で伝える「視覚による知覚」の歓びを、ぜひお手にとって体験してください。表紙の布に触れるところから、見尽くせぬイメージの移り変わりが始まります。ご覧になったあと、あなたにとっての写真を見るという経験は、大きく変わっているかもしれません。


 世界は持続し、変化し続けている。 (鈴木理策「知覚の感光板」より抜粋)


 *『セザンヌ』ガスケ著 與謝野文子訳 岩波文庫より




 『知覚の感光板』オリジナルプリント付エディション(special edition with print)   


¥ 88,000 tax included) 


国内送料 無料!


* 限定30部 (プリント2種 / 各15部)

* 作家本人による手焼きプリント1葉 (裏面にサインとエディションが入ります)

* サインとエディション入の写真集


プリントを以下、2種類よりお選び頂けます。

You can select  from 2 types of prints. limited 15 edition each.

 

suzuki_P17s.jpg   知覚の感光板特装Bsoldout.jpg

A)
Print size : 10×12 inch (254 x 304.8 mm)
Image size : 8×10 inch (203.2 x 254 mm)
A type-c print individually hand printed by the artist (signed)

A signed copy of the book
limited 15

  B)
Print size : 10×12 inch (254 x 304.8 mm)
Image size : 8×10 inch (203.2 x 254 mm)
A type-c print individually hand printed by the artist (signed)
A signed copy of the book
limited 15

 
         



Risaku Suzuki "La plaque sensible"

The Present Work


"My interest in artists who began painting before the advent of photography, and who explored new approaches during the emergence of photography, lead me photograph the sites of their work. I was not interested in the perspectives from which they painted nor the present state of the landscapes they depicted. Traveling to the places they painted, I wanted to experience the landscape, the weather, the changes in light, the direction of the wind, to think about what the painters felt and what they sought there.


Driving through France, I could feel the changes in the landscape, the smell of the land, the goût de terroir. I imagined that the painters of the past experienced this landscape in a similar way. The new medium of the photograph allowed people in the nineteenth century to hold the world still, the miracle of showing past time in the present, through a mode of mechanical vision so different from that of the human eye. Wonder fades over time, but some painters incorporated features of photography now taken for granted. The discovery of the "moment" was particularly significant. Degas, who painted momentary scenes is an obvious example but, in addition to informing their subject matter, both Monet and Cezanne sought to directly connect the act of painting and seeing in order to capture the moments that unfolded successively before their eyes. As soon as something is seen, the moment has already past; each momentary look is to see anew. These painters sought to render on canvas the ever-changing present.
The continued vibrancy of the light and wind they painted attest to their innovation and originality. 


The mechanical perception of the camera takes place outside of the body. It is as if one were to look at the image captured on the retina of a disembodied eyeball. It is decidedly different from the way that something is seen with the naked eye. Because our vision is always informed by our memories of the past, unadulterated vision is an impossibility. What we see in the present cannot be disaggregated from our memories of the past. Yet the mechanical perception of the camera, unlike that of the body, produces images with a clarity unaffected by human activity. My goal is to retain as much of this clarity as possible in material form of the photographic print. If this clarity is obtained, the experience of looking at a photograph can be one of expansiveness as well as depth. This sensation, this response, is a profound experience. It is a profundity that arises anew with every look at a world that continues to forever change."  (Risaku Suzuki  afterword  "La plaque sensible")





Artist Information 


鈴木理策 

1963年和歌山県生まれ、87年東京綜合写真専門学校研究科修了。98年、地理的移動と時間的推移の可視化を主題に、東京から自身の故郷への道のりと新宮の御燈祭りを撮影した写真で構成した初の写真集『KUMANO』(光琳社出版)を発表。
翌年、《Osorezan》と《Izanami》のふたつからなる『PILES OF TIME』(同)を出版し、2000年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞。
一貫して写真のメディア性に対する関心と「見ること」への問題意識を持ち、生地・熊野をはじめ、南仏のサント・ヴィクトワール山やセザンヌのアトリエ、自然の風景、ポートレイト、水面といった様々な対象を被写体としてきた。

これまでの主な個展に「意識の流れ」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館ほか、香川、2015)、「水鏡」(熊野古道なかへち美術館、和歌山、2016)、「Mirror Portrait」(タカ・イシイギャラリー、東京、2016)、「熊野 雪 桜」(東京都写真美術館、2007)。
作品は、サンフランシスコ現代美術館、ヒューストン美術館、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、国際交流基金などに収蔵されている。


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  稲岡亜里子 『EAGLE AND RAVEN』
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  アートディレクション:稲岡亜里子

  デザイン:津田井美香

        発行赤々舎

  サイズ:B5変型
  ページ数:80 pages
  布装(コデックス装) 

  Published in Feb 2020.
  ISBN: 978-4-86541-111-9







       ¥ 4,400 +tax
        国内送料、代引き手数料 無料!

【国内/Domestic Shipping】

表紙文字の箔色をゴールドとシルバーの2種類からお選び頂けます。


【海外/International Shipping】

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About Book


前作『SOL』(2008年)に続く、稲岡亜里子 待望の写真集。


本作は、アイスランドで出会った双子の姉妹を、7年にわたり夏ごとに撮影したシリーズです。
タイトルの「鷲と烏」は姉妹の名前に由来し、彼女たちの9歳から16歳までの時期に当たります。

「私たちは時々おなじ夢を見る」と、ある時語ったように、不思議な共振を宿すふたりの姿。
「もうひとりの私」の存在を、稲岡はときに鏡や水を生かした構成で写し出し、浮かび上がらせます。
ふたりが学ぶバレエのシンプルな衣装と、振り付けられたような身振りも、その存在を抽象化します。

アイスランドの土地や空や海とも響き合いながらほどかれていく、自然の一部としての「私」。
双子の姉妹を通して、遍在する生命の在り方と、それが宿る空間を描き出す注目作。



本書は深いブルーの布に包まれ、天体を想わせる円形に写真を貼り込んでいます。
背表紙はなく、重ねられたページの色が、美しい綴じ糸とともの覗きます。
タイトルの文字の、ゴールドまたはシルバーをお選びいただけます。

Artist Information 


稲岡亜里子
1975年京都生まれ。パーソンズスクール写真科(ニューヨーク)卒。
京都を中心に写真家として活動を展開する。
2008年『SOL』(赤々舎)刊行。

Ariko Inaoka (b. 1975, Kyoto, Japan) moved to the United States at the age of 17 and gained a BFA in photography from Parsons School of Design in New York. After working as a photographer in New York and Tokyo, in 2011 while continuing her personal photography projects, she decided to take over her family business, her ancestral restaurant in Kyoto that has been running since 1465. Her first photo book SOL was published in 2008 by the Japanese house, Akaaka, and her second book Eagle and Raven is published in 2020. Her work has been published by various international media, including the BBC and The Guardian. She lives in Kyoto. She shoot film and make her prints in her darkroom.

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作家と現在 Artists today
 
  展覧会カタログ


  発行 沖縄県立博物館・美術館

  サイズ: A5変型 
  5冊入り | 中綴じ製本 

  





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About Book


沖縄県立博物館・美術館で、2019年12月24日〜2020年2月2日の会期で開かれている「作家と現在 ARTISTS TODAY」展の図録。
石川竜一、伊波リンダ、根間智子、ミヤギフトシの4名の参加アーティストは、いずれも沖縄県出身で、
それぞれの現場で制作に取り組み、独自の探求を続けている。それぞれの作家は、直面する現在に対して、
どのように対峙し、また応答しようとしているのか。
各作家ごとに1冊の冊子には、作品の図版とあわせて、ロングインタビューと寄稿が収載されている。
ロングインタビューは、本展を担当した学芸員 亀海史明によって、間隔をあけて2回にわたり収録され、
作家の考え方の変化を辿ろうとしている。


石川竜一は、「home work」と「MITSUGU」を出品。

ロングインタビューの内容は
•カメラに出会うまで
•初期のさまざまな試みについて
•外の世界を撮ることについて
•<絶景のポリフォニー>
•フォーマットの変化と、写るもの、ポートレイトと背景について
•写真の選択はポリフォニー(多声音楽)か、インプロビゼーション(即興)か
•自然を撮ること
•<home work>に至るまで
•<MITSUGU>映像へのきっかけ
•ジャマイカに行って腑に落ちたこと

吉増剛造とのダイアログ『「道なき道」の彷徨』も収載。「掘削」の穴と「MITSUGU」について語る。


関連展覧会



作家と現在 ARTISTS TODAY

沖縄県立博物館・美術館
会期:2019年12月24日(火) ~ 2020年02月02日(日)

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平安紋鑑 令和改訂版
 
  京都紋章工芸協同組合
   一般財団法人 京染会


  発行赤々舎

  サイズ:216 mm × 157 mm × 25 mm 
  ページ数:258 pages
  上製本 

  Published in January 2020
  ISBN: 978-4-86541-107-2





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About Book



最も繊麗にして由緒ある家紋の決定版。 


令和改訂版発刊に寄せて

博物館の収蔵庫や展示室で、上半身に堂々と家紋が据えられたキモノを手にする時、
キモノをまとった人の姿とともに、その人を支える「家」の存在を感じることがある。
直径3cmほどの森羅万象を意匠化した形を通して、威厳とともに、
着用者を祝福する家族の喜びを感じるからだろうか。
家ではなく個人を尊び、儀礼が簡略化される傾向にある現代では、家紋を入れたキモノを目にする機会は多くない。
その種類は数千種にも及ぶというカ文自分の家の紋に無頓着な人もいることだろう。この平安紋鑑は、
家紋の基準として昭和11年に発刊され、現代もなお手本にされる、家紋のいわば決定版。現代を生きる私たちも、
家の重みと温かさをしつかりと受け止め、家紋を知り、その世界を堪能したい。

京都国立博物館
学芸部企画・工芸室長山川

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   小林紀晴 孵化する夜の啼き声
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  アートディレクション:田中義久

  発行赤々舎

  サイズ:A4変型 
  ページ数:128 pages
  並製本 

  Published in December 2019.
  ISBN: 978-4-86541-109-6


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About Book



闇の中での日本の祭事。変容する空間から生まれ出づるもの。  



小林紀晴が日本各地の祭事、祭祀を撮りつづけたシリーズが、遂に一書となった。第22回林忠彦賞を受賞した「遠くから来た舟」の流れを汲み、比較的知られた祭から地元に秘められた奇祭まで、40ほどの祭の光景を収める。
闇を深く背負い、人ならざるものとして立ち現れる姿に、祭と現実との交錯を見、感覚の奥へと遡るような衝迫を捉える。さらに目を惹くのは、岩場に見え隠れする身体や、夜の浜辺の裸体、出番を待っているのか、静かに佇む扮装の影。
意識と無意識、俗と聖との境界に立つ姿を等身大で写し出した。
本書には、幾つものトンネルや、疾走する車中からの光景が現れる。それは全体を通して、空間を移動する眼差しを感じさせるとともに、日常をくぐり抜け、奥へ奥へといざなわれる異界への通路とも見える。フラッシュバックするバスの後ろ姿。写真そのものもまた、個の意識を超えていこうとする瞬間に貫かれている。





ここ6年ほどのあいだに日本全国に40ほどの祭事、祭祀などを巡った。

古くから伝承されているそれらの多くは闇のなかで行われることが多く、夜通し行われるものも珍しくない。その場に身を置いていると必ず不思議な感覚に襲われていく。目の前の人や風景、光景が裏返ってゆくのだ。現世と異界が激しく反転を繰り返す。時間と空間がねじれ、裏返ってゆくかのようだ。1000年前の隣にいまが、あるいは100年後の未来の隣に100年前の光景が接している。やがて参加している人たちがマレビトへと姿をかえる瞬間、闇に亀裂が生じ、私たちは異界へと吸い込まれる。そして、ぷっくりと生まれ出でたものを目撃する。 

小林紀晴




制度の創設と、さらに言えばその撤廃の瞬間に、人間は一瞬、自由な存在となる。
祭とは、いつ誰が始めたかわからない制度だ。それはいまに至るまで継承されているにせよ----むろん、まるで別物に変質しているかもしれないが----、大した理由もなく消滅するかもしれない。祭は、というか制度一般は、それを遂行するたびにそのさなかに、ただ一回の創設と撤廃の気配をつねに漲らせている。ある制度が始まる。ある制度が終わる。そこに自由がある。そこに個としての人間が立っている。写真の瞬間性が、それを捉えようとするのである。

収録テキスト 千葉雅也「僕は祭が嫌いだったーー制度について」より



Artist Information 

小林 紀晴(Kisei Kobayashi)

1968年長野県生まれ。1988年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。

新聞社にカメラマンとして入社後、1991年に独立。アジアを多く旅し作品を制作。2000-2002年渡米(N.Y.)。
近年は自らの故郷・諏訪地域でも作品制作を行っている。
著書に『ASIAN JAPANESE』『days new york』『kemonomichi』『Silence of India』『ニッポンの奇祭』『見知らぬ記憶』『写真で愉しむ 東京「水流」地形散歩』など多数。
1997年『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞、2013年『遠くから来た舟』で第22回林忠彦賞を受賞。


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