Publishing


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   大西成明 『骨肉』
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  アートディレクション:柏木美月

  書:早崎瑞月

  発行赤々舎

  サイズ:220 mm × 297 mm 
  ページ数:120 pages
  並製本 

  Published in April 2019.
  ISBN: 978-4-86541-094-5





        ¥ 3.800 +tax
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About Book



骨と肉の細部に分け入り、生命記憶の痕跡をさぐる。 


「骨の肌理を触り 肉の香気を嗅ぎながら 原初の光のただ中に 骨肉のバラッドを聴く」

博物学や動物学、医療の現場の取材を重ね、ドキュメンタリーと表現との架け橋となる写真を探求してきた作家の集大成。
人は己の骨や臓器を直接に見ることはできない。
自らの内なる神秘に導かれ、生命につながるリアルさや自然の造形の美しさに魅入られて、骨の撮影を重ねてきた。
脊椎動物が誕生した5億年前から刻まれてきた骨の記憶。"生命の編集"を繰り返してきた痕跡。
その生命記憶を体現する胎児の身への驚きを通して、老い、病、死の現場にも立ち会ってきた。
「肉の具体」が溶けて「骨の抽象」が現れ、鉱物への兆しを帯びる。ひとつの生命が宇宙に還る有り様----。

本書は、写真を通して、内奥にある骨肉を光と交わらせ、生命の謎、存在の闇と切り結ぶ叙事詩でもある。
「われわれはどこから来て、どこへ行くのか」。根源的な問いが、骨肉の壮麗なる佇まいの前に横たわる。


Artist Information 


大西成明 (ONISHI NARUAKI) 

1952年奈良県生まれ。写真家。「生命」や「身体」をテーマにした写真を撮り続けている。
動物の細部を生命記憶の視点からとらえた写真集『象の耳』(1992年)、全国の病院を訪ね、現在の生老病死の姿を凝視した『病院の時代』(2000年)、リハビリテーションの現場を、夢見る力のフォトドキュメントとして 記録した『ロマンティック・リハビリテーション』(2008年)などがある。
また、同時に「脳」「骨」「皮膚」にも着目し、『ひよめき』(2004年)では脳そのものの写真を、『ホネホネたんけんたい』『ホネホネどうぶつえん』『ホネホネすいぞくかん』のホネホネ三部作 (2008年~2010年)では動物 のホネの写真を、『日本のムラージュ』(2018年) では皮膚病蝋製模型標本を撮りながら、新しい身体イメージの構築を試みている。
 





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    GOTO AKI 写真集 『terra


  編集:池谷修一

  アートディレクション:三村漢

  発行赤々舎

  サイズ:240 mm × 252 mm 
  ページ数:128 pages
  上製本 

  Published in January 2019.
  ISBN: 978-4-86541-093-8

       ¥ 4.000 +tax
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地球[terra]の表情を追い、かつてない「風景」へ。



「人間の時間的な尺度から離れて、地球という惑星の膨大な時の流れの中で日本の風景を捉えたらどう見えるのだろう」 
その問いを抱いて撮影を続ける[terra]のシリーズ。 
風景のなかに分け入り、律動する風景に反応する。 
網膜に引っかかるのは<場所>ではなく、<光・時間・色・造形・音・気温・匂い・風>という要素。 
眺めとして捉えられる風景ではなく、情緒や既視感をそぎ落とし、変化し続ける風景を受け入れる。 
時の堆積と一瞬。風景とスナップショットが激しく交わり、 
歴史を穿つ風景写真が立ち上がる。




肉眼で見る風景の表情を、平面の写真へ「翻訳」することで、情緒や既視感はそぎ落とされ、現在の光と風景に堆積した時の痕跡が写真として浮かび上がります。私はそこに太古の時代から続く、惑星の根源的な美を観るのです。 

モチーフである撮影地は、日本の観光地や誰でも登坂可能な山々が大半です。人間が新陳代謝をするように、風景を生き物のような動体として捉えると、目の前の風景が、見たままとは異なるイメージとして膨らみ、スケール感を超越して、私の目を魅了します。 

作品は、その発見の衝動を押し広げるものでありたいし、鑑賞者の心を通過する時には、また別のイメージとして立ち上がるものであってほしい。そんな無形の広がりを願うのです。 
── GOTO AKI 


Exhibiton Information 


キヤノンギャラリー品川:2019年1月19日(土)~3月4日(月)




Artist Information 


GOTO AKI(ごとう あき) 

1972年川崎市生まれ。1993年上智大学経済学部経営学科卒業。1999年東京綜合写真専門学校第二芸術学科卒業。武蔵野美術大学造形学部映像学科非常勤講師。1993年の世界一周の旅から現在まで56カ国を巡る。写真集に「LAND ESCAPES」(traviaggio publishing 2012年)、「LAND ESCAPES - FACE-」(同 2015年)、「terra」(赤々舎 2019年)がある。主な個展に「LAND × FACE」(キヤノンギャラリー 2015年)等がある。現在は日本の風景をモチーフに地球的な時間の堆積と光をテーマとした創作活動を続ける。






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   佐伯剛正 『撮ることは、撮られること 1967-1976
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  2019年1月17日(金) 一般発売


  アートディレクション:中島雄太  宮嶋隆輔

  発行赤々舎

  サイズ:188 mm × 128 mm 
  ページ数:256 pages
  並製本 

  Published in December 2018.
  ISBN: 978-4-86541-085-3
       ¥ 2.000 +tax
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佐伯剛正フォト・エッセイ集。1960年代後半から70年代の激動の時代。
「世界を読み解く手段」であり、世界を引き受けていくための写真。



上京して学生時代を過ごした池袋や新宿。 風景や人、それらが生きた「時」の証拠写真を撮り始めた著者は、激しく変化しつづける時代に晒される。占領下の沖縄、ベトナム戦争に「加担」する罪の意識。学生と機動隊との攻防。三里塚闘争。 

「『撮ることは、撮られること』 ── 撮る行為そのものが世界との関わりを生み出し、己れと撮る対象とが同時に『この世界に在ること』の証しとなる。そして、撮った対象はもとより、撮影者自身の視線や立場、その事象との距離感や関わり方、さらにはその思惑までもが赤裸々に記録されてしまうことになる」(本文より) 

時代を記録する貴重な写真を、自身との関わりから撮りつづけた著者は、やがて70年代の苦悩するアメリカを訪れる。ヒューストンに現れ、キリストの再来とされたインドの少年グル・マハラジ。ランカスターの小さな町で自然と共に生きるアーミッシュの人々。世界と向き合うヒントとなった 「静かな出来事」も美しいフォト・エッセイ集。 



Artist Information 


佐伯剛正 (さえき こうせい) 

1949年愛媛県生まれ。和光大学人文学部芸術学科卒業。1966年に細江英公氏と出会い、写真の道へ。以後、アメリカ占領下の沖縄や三里塚闘争などを撮影。1972年には、作家、詩人、評論家、思想家の肖像写真を撮影し、銀座「サトウ画廊」で写真展を開催。1973年、アメリカ ヒューストンにてグル・マハラジを撮影。1976年には、アメリカ ランカスターでアーミッシュを撮影。 




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 インベカヲリ★『ふあふあの隙間①②③
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  Book Design:寄藤文平 + 鈴木千佳子
  
  発行:赤々舎

  Size:297 mm × 210 mm
  Page:8 pages
  Binding:Softcover

  Published in November 2018 

  ①ISBN:978-4-86541-089-1
  ②ISBN:978-4-86541-090-7
  ③ISBN:978-4-86541-091-4

¥ 3,500+tax 
(3冊セット/3 books set are available from the following)

国内送料無料!

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About Book


写真界を超えて反響を広げつづけるインベカヲリ★の最新作。生プリント付き三部作!



「他の人が当たり前にできることができなかったり、なぜかいちいち立ち止まってみたくなったり、完成したものを叩き壊したくなったり、知っていて破滅に向かいたくなるとき、ふわっと隙間が開いてその人が見えてくる」


インベが今年、初めてのデジタルカメラで撮影したシリーズ。撮影を希望するひとを募集し、会って聞いた話から汲み取った心象をもとにシチュエーションを考え、女性たちと作り出すポートレート。「ふあふあの隙間」では、より猥雑に街を写し込み、展開する場面をシャープに照らし出した。

やわらかくシリアスな深淵に通ずる隙間①

どこかポップで大胆な女の業が覗く隙間②

ストリートに生息するダークな隙間③

いずれも生プリント(各1枚、2Lサイズ)を貼り込んだり蛍光色を用いたり、ページの隙間を覗いてみたい欲望にもかられる。

女性たちとの対話の断片や呟きが、生々しく胸を打つテキストも挟み込む。



収録タイトル


ふあふあの隙間① 間に入る影に飲まれる最終ステージ/排毒/ぬいぐるみに珈琲を飲ませる


ふあふあの隙間② あなたは病気じゃありません/ガタンゴトンがきこえる/山陰の女/千夜、牙を研ぐ/6月の赤い雨/バービー疾走/ダイヤと石ころ


ふあふあの隙間③ サイクルの速い冬眠/処世術/森でとまり沼までこない/新・考えない人/無視されると絶望/傍観者/バブー/頭を冷やす/さいきんおもうこと/書面上の幸福






"soft opening" ①②③ can be sold individually.



以下より、それぞれ単体のご購入も頂けます。(当ページ上部のセット購入の方が少しお得です)



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Artist Information


インベカヲリ★

1980年、東京都生まれ。写真家。一般人女性の人生を聞き取り、その心象風景を写真で表現するポートレート作品を撮影。写真集に『やっぱ月帰るわ、私。』、
写真と言葉から成る『理想の猫じゃない』、『ふあふあの隙間』(ともに赤々舎 刊)。共著に『ノーモア立川明日香』(三空出版)、忌部カヲリ名義のルポ『のらねこ風俗嬢-なぜ彼女は旅して全国の風俗店で働くのか?-』(新潮社電子書籍)などがある。

国内外での個展、グループ展多数。主な個展に、「たしか雨が降っていたから、」(GALLERY KTO 東京 2022)、
「理想の猫じゃない」(中野ガード下ギャラリー 東京 2019、富士フォトサロン 東京 2019、神保町画廊 東京 2019、America-Bashi Gallery 恵比寿 2019、ニコンプラザ THE GALLERY 新宿 大阪  2018-2019 などで開催)、
「ふあふあの隙間」(ニコンプラザ THE GALLERY 新宿 大阪 2018-2019 などで開催)、
「車輪がはけるとき」(神保町画廊 東京 2017)、「境界侵犯」(AMERICA-BASHI GALLERY 恵比寿  2016)、「誰かのためでなく」(神保町画廊 東京 2015)、「BRUGGE FOTO 2014-KAWORI INBE STEPHANIE VAN DE VELDE TOKYO REVERSE」(SCHIPPERSKAPEL Belgium 2014)、「始まりに向けての青」(AMERICA-BASHI GALLERY 恵比寿 2014)、
「やっぱ月帰るわ、私。」(神保町画廊 東京 2014、M2 gallery 2013、ニコンサロン 新宿 大阪 2013、テルメギャラリー 2013 などで開催)、
「Suburbia,Kigurumi,Hikikomori」(Mo.Om Art Gallery Milano Italy 2012-2013)など。

主なグループ展に、「比人更大的世界」(RONGYI ART MUSEUM 上海、2021-2022)、「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」(東京、2021)、「赤々舎から 本から 写真から -ポートレートの風景- 」(AWAJI Cafe and Gallery 2017)、「TOKYO PHOTO 2014」、「赤々舎から 本から 写真から」(青山スパイラルガーデン 2014)、「シブカル祭」(渋谷PARCO  2013)など。

2008年 三木淳賞奨励賞受賞。2018年 第43回 伊奈信男賞受賞。2019年日本写真協会賞新人賞。



Kawori Inbe

Photographer, born in Tokyo in 1980.
Many 
solo and group exhibitions,
"Imperfect Cat"  "Time to go back...to the moon." including those held not only in Japan but also in Milan and Shanghai.

Has shown at group exhibitions in Los Angeles, Barcelona and Hong Kong, and staged a solo 5 month-long solo exhibition in Milan over 2012 - 2013.
Assembled a special collection of works for the june 2013 feature issue of TEiCAM BOOKS, a free magazine in Paris. 


Awards
2008 Nikon salon Jun Miki encouragement award
2018 43th The Ina Nobuo Award
2019 Photographic Society of Japan Newcomer's Award


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 インベカヲリ★『理想の猫じゃない
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  Book Design:寄藤文平 + 鈴木千佳子
  
  発行:赤々舎

  Size: H260 mm × W210 mm
  Page:154 pages
  Binding:Softcover

  Published in November 2018 
  ISBN
978-4-86541-088-4


¥ 3,200+tax 

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About Book


インベカヲリ★と62人の女性によるポートレートとことば。


大きな話題を集めた前作『やっぱ月帰るわ、私。』から4年、インベカヲリ★はHPに応募してくる女性たちとポートレートの撮影を続けた。
人と人、人と社会の関わりのなかで生じる揺れや問いや矛盾を抱いて、女性たちはインベの前に現れる。
たとえマイナス面であってもそれを表現したいと願うそれぞれの女性の姿が、話し合いを重ねて生み出されたイメージとなり、写真の中に、そして言葉の中に立ち現れる。
それは、被写体と写真家という位置付けを超えた創造であり、ドキュメントと虚構を新たな方法で重ね合わせるものだ。怒りや哀しみや問いがバネになって生まれるユーモアや大胆さ、矜持。
今回は初めて女性たちの話し言葉によるテキストも収載した。写真、作品タイトル、テキストが織り成す、フィクションとノンフィクションのせめぎあい。時代に刻まれた鮮やかな肖像。 



「日々、情報を浴びる生活の中で、自分が本当に考えていることを探し出すのは至難のわざだ。うっかりすると、どこかで聞いたことがある台詞を自分で考えたことのように話してしまう。逆に、簡単には言葉にできないほどの感情は、凄まじいリアリティをもって心に響く。それは、私が女性たちから話を聞いていて感じることだ。向かい合って対話を続けているうち、独特な表現や価値観がふいに飛び出し、個 人の存在が生々しく浮かび上がってくる瞬間というのがある。一人ひとりは、こんなにも多様なのかと感動する瞬間がある。だから人間は面白く、写真の中で存在感を放つのだと思う。」(あとがきより)




インベカヲリ★の写真を初めて見たときは、2、3日写真の世界に取り憑かれた。そこには他人から見たら闇と痛みと孤独と汚物かもしれないけど、いろんなフィルターを外すと本当に純粋な『生と性』が写ってた。それからアルバムのジャケ写やアーティスト写真を撮ってもらうようになった。写真からインスパイアされたこともあった。いわゆる芸術写真やアートとは、やっぱり何かが違う。カメラでなければ、インベカヲリ★でなければ写せない何かを撮っているんだと思った。
毎回個展に行くたび、写真に取り憑かれるのが怖かったけど、ここ数年で少し写るものが変わってきた気がする。色で言ったら漆黒一色だったのが、色々な種類の黒色になった感じかな。それはこの写真集を見ていけば、なんとなくわかってもらえるんじゃないかと思う。

─  スガシカオ(シンガーソングライター)帯文より



<第43回 伊奈信男賞 受賞!>


インベさんの被写体はほとんど笑わない。日頃わたしたちが目にするあらゆる種類の写真のなかで、女性たちはたいてい静かに微笑んだり、元気に笑っているにもかかわらず。そうでなければ、彼女たちは少し開いた口元でこちらをじっと見つめたり、意思の強そうな視線を投げかけたりする(ように指示されている)。女性たちは、自分がいつも「誰かに見られている」ことを知っているかのようだ。


インベさんの写真にうつる女性は、鏡の中の自分を見ているか、部屋でひとり、誰にも気兼ねなく自分に集中している人がしそうな表情でそこにいる。もし、インベさんの写真があなたに違和感を感じさせるとすれば、それは被写体の女性たちがにこやかにあなたを見つめ返したり、あなたが見ているとわかったうえで自分を演出していないからかもしれない。


「理想の猫じゃない」展は、被写体とインベさんが話し合いを重ねて生み出したイメージで構成されていた。被写体の多くは自分が置かれている、どちらかといえば不思議な状況を驚くでもなく喜ぶでもなく、ただ、フレームの中でやるべきことを淡々と遂行している。写真の世界では長らく、クリエイティビティという意味において被写体は写真家の下位に位置づけられてきた。いっぽうで、写真という表現媒体も単なる「記録」とみなされて、アートの下位に位置づけられることがある。インベさんの作品はそのようなヒエラルキーの構造を撹乱し、創造する者とその対象、パフォーマンスする側と記録者のような二極対立的な役割分担では語れない、新しい写真行為の可能性を示唆するもののようにみえる。


────  長島有里枝「第43回伊奈信男賞 授賞理由」ニコンイメージングサイトより


Imperfect Cat

Kawori Inbe


The women featured in Kawori Inbe's photography often appear before her in crucial moments of their lives, amidst significant life changes, ongoing problems, or unresolved worries.

Being photographed is an act of expression, and Inbe thinks that many women who are photographed have something to convey. Even if it has on negative aspects, the urge to express oneself may be particularly unique to women, which is why Inbe is drawn to taking photos images of women.


The title of the photobook, "Imperfect Cat," is a line spoken by a perpetrator in a certain incident. In October 2017, a man employed as a temporary teacher at a high school in Kitakyushu, Japan, was accused of killing his pet cats one after another and disposing of a total of 20 cats as burning garbage. Explaining his motive,  the man claimed, "I killed them because they didn't meet my idea of the perfect cat, elaborating that a perfect cat should respond when called, allow touching, and use the litter box properly."

Upon hearing this line, Inbe was struck by an indescribable shock, feeling it succinctly encapsulated the essence of Japan's educational system and society in one sentence, with the perpetrator being a teacher adding a darkly ironic twist.

It is inherently unreasonable to demand obedience from a free-spirited cat, and the notion of a "Perfect Cat" simply doesn't exist in the feline realm. 

However, for humans, it's often easier to adopt the role of someone else's ideal rather than staying authentic to oneself. Society is full of people who emulate the "Perfect Cat" And when one fails to conform the "Perfect Cat" or attempts to escape from being one, they may risk being metaphorically "killed" by society.


In today's society,  uncovering one's genuine thoughts is a daunting task. If one let their guard down, they might end up speaking words  they've heard elsewhere as if they were their own thoughts.. 

The photographs featured in "Imperfect Cat" are created through conversations between the subjects and Kawori Inbe. During these exchanges, unique expressions and values emerge, vividly showcasing the individual's presence. 


Within the realm of photography, the subject especially women, has long been perceived as subordinate to the photographer in terms of creativity. Similarly, photography itself is sometimes relegated to a mere documentary or record status, placed lower in the art hierarchy. Inbe's work challenges these hierarchical norms, opening up new avenues for photographic expression beyond the conventional roles of creator and subject, performer and recorder.


 




Related Contents 







Artist Information


インベカヲリ★

1980年、東京都生まれ。写真家。一般人女性の人生を聞き取り、その心象風景を写真で表現するポートレート作品を撮影。写真集に『やっぱ月帰るわ、私。』、
写真と言葉から成る『理想の猫じゃない』、『ふあふあの隙間』(ともに赤々舎 刊)。共著に『ノーモア立川明日香』(三空出版)、忌部カヲリ名義のルポ『のらねこ風俗嬢-なぜ彼女は旅して全国の風俗店で働くのか?-』(新潮社電子書籍)などがある。

国内外での個展、グループ展多数。主な個展に、「たしか雨が降っていたから、」(GALLERY KTO 東京 2022)、
「理想の猫じゃない」(中野ガード下ギャラリー 東京 2019、富士フォトサロン 東京 2019、神保町画廊 東京 2019、America-Bashi Gallery 恵比寿 2019、ニコンプラザ THE GALLERY 新宿 大阪  2018-2019 などで開催)、
「ふあふあの隙間」(ニコンプラザ THE GALLERY 新宿 大阪 2018-2019 などで開催)、
「車輪がはけるとき」(神保町画廊 東京 2017)、「境界侵犯」(AMERICA-BASHI GALLERY 恵比寿  2016)、「誰かのためでなく」(神保町画廊 東京 2015)、「BRUGGE FOTO 2014-KAWORI INBE STEPHANIE VAN DE VELDE TOKYO REVERSE」(SCHIPPERSKAPEL Belgium 2014)、「始まりに向けての青」(AMERICA-BASHI GALLERY 恵比寿 2014)、
「やっぱ月帰るわ、私。」(神保町画廊 東京 2014、M2 gallery 2013、ニコンサロン 新宿 大阪 2013、テルメギャラリー 2013 などで開催)、
「Suburbia,Kigurumi,Hikikomori」(Mo.Om Art Gallery Milano Italy 2012-2013)など。

主なグループ展に、「比人更大的世界」(RONGYI ART MUSEUM 上海、2021-2022)、「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」(東京、2021)、「赤々舎から 本から 写真から -ポートレートの風景- 」(AWAJI Cafe and Gallery 2017)、「TOKYO PHOTO 2014」、「赤々舎から 本から 写真から」(青山スパイラルガーデン 2014)、「シブカル祭」(渋谷PARCO  2013)など。

2008年 三木淳賞奨励賞受賞。2018年 第43回 伊奈信男賞受賞。2019年日本写真協会賞新人賞。



Kawori Inbe

Photographer, born in Tokyo in 1980.
Many 
solo and group exhibitions,
"Imperfect Cat"  "Time to go back...to the moon." including those held not only in Japan but also in Milan and Shanghai.

Has shown at group exhibitions in Los Angeles, Barcelona and Hong Kong, and staged a solo 5 month-long solo exhibition in Milan over 2012 - 2013.
Assembled a special collection of works for the june 2013 feature issue of TEiCAM BOOKS, a free magazine in Paris. 


Awards
2008 Nikon salon Jun Miki encouragement award
2018 43th The Ina Nobuo Award
2019 Photographic Society of Japan Newcomer's Award


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