Publishing

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 浜田涼『とぼとぼと』
  
  Book Design:櫻井一輝
  
  発行:赤々舎

  Size: H252mm × W188mm
  Page:160 pages
  Binding:Hardcover


  Published in May 2023 
  ISBN
978-4-86541-146-1

  

¥ 4,000+tax 

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About Book


記憶や認識の曖昧さを眼差す「ぼんやりした写真」


90年代以降、現在に至るまで、記憶や認識の曖昧さをテーマに、なにかを明確化することや、なにかに結論を出すことへの違和感を、完全にピントの外れた写真表現を通して発表し続けてきた浜田涼。「とぼとぼと」「ふりむく」「かぞえる」「すきとおる」「なか」「にわ」「さがしもの」「あたらしいばしょ」の8シリーズ(カラーイメージ約109点)から成る本書は、全てがカメラで撮影されたイメージであり、画像処理に頼らず、レンズ本来の機能のみで制作された「ぼんやりした写真」が収録されている。

"最初、絵を描く資料集めに使っていたカメラが、いつの間にか制作に必須のものとなった。
資料集めにカメラを使う以前は、ちゃんとピントを合わせたスナップ写真を撮っていたものだが、資料集めを始めてからはなぜか色と形が写っていれば問題ないと感じていた。それからずいぶん年月が経つのだが、今は、"問題ない"どころか、はっきりしてしまったら意味がないと思っている。"

自我という焦点から解かれるとき、群衆のひとりでもあるわたし(=あなた)たち──、いろんなものの端っこが混じり合いぼんやりとして曖昧なものだらけで出来ている日常生活を、抽象的で中間的な浜田涼の視覚表現は現していく。
フィルムの時代からピントがぼんやりしたレンズで撮るという自身が決めた撮影ルールに従いながら、シャッターが切られ現れる写真は、"物事を鮮明に明確にすることが求められる"社会からとぼとぼと離れ、ぼんやりと静まりかえった光景へと、わたしたちを誘っている。


収録テキスト:
「ぼんやりした写真 浜田涼の表現について」石田哲朗(東京都写真美術館 学芸員)
「近傍の美を求めて」石井正伸 (インディペンデント・キュレーター)




tobotonoto (stroll around...)

Ryo Hamada


Ryo Hamada is an artist who, beginning in the 1990s up to the present day, explores the possibilities of what can be artistically expressed with photographs that are entirely out of focus. Because of the abstractness of this visual expression, not everyone may be able to determine, viewing her works, that "This is a photograph." More accurately, Hamada's works can be described as somewhere between a picture and a photograph. Although the works appear as halfway entities, they are all images photographed with a camera and, moreover, the artist does not rely on what is termed image processing but creates "blurred photographs" using only the functions of the camera lens. The images are undeniably photographs. But here the expectations of photographs that people have held thus far effortlessly fall away. What has fallen away? In a manner of speaking, what has fallen away is "truth." No, perhaps we should say "truth" that is gently beginning to vanish.


"This is strange, I'm not sure I understand it, but I guess I don't have to--if you can feel that way, then when there are other more complicated and abstruse things that you and the other person can't understand at all, even if you don't, as long as you feel like you kind of understand, that's pretty much enough I think."


Hamada herself does not use filters on her lenses or use image processing to transform images. She has followed her own rule, from the time she worked with film cameras, of photographing with lenses that blur the focus. Even after the transition to digital she felt that "There was no point for me personally in changing my approach then," and says she produces her photographic images without making any changes to them. 


The abstractness of Hamada's blurred photographs causes us to feel as if these pieces of someone else's daily life overlap with our own memories and experiences. I think the effect of blurring is also the possibility of access to others. When, where, and what are unclear, and yet you seem to have seen or sensed something, or perhaps you are mistaken and it is just your imagination.


Excerpts from the text "Blurred Photographs: The Artistic Expression of Ryo Hamada"

by Tetsuro Ishida (Curator, Tokyo Photographic Art Museum)





Related Exhibiton



「TOPコレクション セレンディピティ 日常のなかの予期せぬ素敵な発見」


会期:2023年 4月7日(金)~7月9日(日)

時間:10:00~18:00(木・金 20:00まで/入館は閉館時間の30分前まで)

会場:東京都写真美術館 3F(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)

月曜休み




出品作家:相川勝、石川直樹、井上佐由紀、今井智己、潮田登久子、葛西秀樹、北井一夫、牛腸茂雄、齋藤陽道、佐内正史、島尾伸三、鈴木のぞみ、中平卓馬、奈良美智、畠山直哉、浜田涼、本城直季、ホンマタカシ、山崎博、吉野英理香、エリオット・アーウィット、エドワード・マイブリッジ







Artist Information 


浜田涼 

1966年 東京都生まれ。女子美術大学卒業。1990年の初個展以来、現在に至るまで展覧会多数。

近年の主な個展に「あたらしいばしょ」iGallery DC(山梨 2014)、「とぼとぼと」藍画廊(東京 2016)、「とろける times」藍画廊(東京 2019)、「image and matter」藍画廊(東京 2022)、「逡巡とひらひら」藍画廊(東京 2023)など。

主なグループ展参加に「Page after Page」Gallery Art Space(東京 1990)、「ニューヨーク日本祭」リンカーンセンター、アリス・タリーホール(ニューヨーク 1991)、「水戸アニュアル '96 "PRIVATE ROOM」水戸芸術館(水戸 1996)、 「寿限無'98 "世紀末 複製事件"」現代美術製作所(東京 1998)、「光をとらえた女性たち」ポーラミュージアムアネックス(東京 2003)、「VOCA展 2006」上野の森美術館(東京 2006)、「THE LIBRARY」足利市立美術館、多摩美術大学美術館(栃木、東京 2006)、「Episodes of Summer #1」CAI(ハンブルク 2006)、「Wings for Words: New Bookworks from Korea and Japan」San Francisco Center for the Book(サンフランシスコ 2009)、「川口 2009.09.26 吉増剛造ワークショップの記録・煙突、水門、古い橋、工場、支流 ー水のある風景を歩くー」ギャラリー 水・土・木(東京 2010)、「PLATFORM 2011 浜田涼/小林耕平/鮫島大輔 ー 距離をはかる」練馬区立美術館(東京 2011)、「2015 平昌ビエンナーレ」(江原道 2015)、「TOPコレクション シンクロニシティ 平成をスクロールする 秋期」東京都写真美術館(東京 2017)などがある。

作品は、ART BY XEROX 富士ゼロックス株式会社、足利市立美術館、東京都写真美術館にコレクションされている。



Ryo Hamada

Born in 1966 Tokyo. Graduated from Joshibi University of art and design, Major in Painting.

Since her first solo exhibition in 1990, she have been held many exhibitions up to the present.

Recent major solo exhibitions: "New Place" (iGallery DC, Yamanashi 2014), "tobotoboto" (Ai Gallery, Tokyo 2016), "torokeru times" (Ai Gallery, Tokyo 2019), "image and matter"(Ai Gallery, Tokyo 2022) and "hesitation and flutter(Ai Gallery, Tokyo 2023) 

Major group exhibitions: "Page after Page" (Gallery Art Space, Tokyo 1990), "New York Japan Festival" (Alice Tully Hall, Lincoln Center, New York, 1991), "Mito annual 96 PRIVATE ROOM Eight Japanese Artists in Photography" (Contemporary Art Center, Art Tower Mito, 1996), "JUGEMU" (Gendai Bijutsu Seisakujo, Tokyo 1998), "women who caught the light" (POLA museum annex, Tokyo 2003), "VOCA -The Vision Of Contemporary Art- 2006 " The Ueno Royal Museum, Tokyo 2006), "THE LIBRARY"(Ashikaga Museum of Art, Tochigi - Tama Art University Museum, Tokyo 2006)"Episodes of Summer #1" (CAI, Hamburg, 2006), "Wings for Words: New Bookworks from Korea and Japan" (San Francisco Center for the Book, San Francisco, 2009), "Kawaguchi 2009.09.26 Document of Gōzō Yoshimasu work shop"(Gallery Mizu To Ki, Tokyo 2010)," PLATFORM 2011 - Ryo Hamada, Kohei Kobayashi, Daisuke Samejima - " (Nerima Art Museum, Tokyo 2011), "2015 PYEONG CHANG Biennale", (Gangwon-do, Korea 2015), TOP Collection: Scrolling Through Heisei Part 3 Synchronicity" (Tokyo Photographic Art Museum, Tokyo 2017) and more.


Collection

ART BY XEROX, Fuji Xerox Co., Ltd.

Ashikaga Museum of Art (Ashikaga municipal museum of art)

TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM



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 「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容
  瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄
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  Book Design:須山悠里
  
  発行:赤々舎

  Size: H255mm × W180mm
  Page:240 pages
  Binding:Softcover


  Published in May 2023 
  ISBN
978-4-86541-169-0

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About Book


1930年代から80年代にわたり、瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄と引き継がれた

「前衛」写真の精神、その今日性(アクチュアリテ)─



本書は、瀧口修造(たきぐち・しゅうぞう、1903-79)、阿部展也(あべ・のぶや、1913-71)、大辻清司(おおつじ・きよじ、1923-2001)、牛腸茂雄(ごちょう・しげお、1946-1983)の4人の作家の交流と創作を辿りながら、戦前から戦後へと引き継がれていった、前衛写真として想起される技巧的なイメージを超えた「前衛」の在り方を示します。

1930年代、技巧的な前衛写真が活発に発表されるなか、瀧口は、写真におけるシュルレアリスムとは「日常現実の深い襞(ひだ)のかげに潜んでいる美を見出すこと」と語りました。
瀧口とともに1938年に「前衛写真協会」を立ち上げた阿部は、瀧口に共鳴し、『フォトタイムス』 誌上で瀧口の言説に呼応する作品を発表します。それらは、シュルレアリスムの詩情を重視する表現から、「街や野に役に立たぬものとして見捨てられた風景」に「新しく素直な調和」を見出して記録する写真へと変化を遂げました。
また、瀧口と阿部に強く影響を受けた大辻は、「なんでもない写真」と題したシリーズを手掛けます。そして、大辻の愛弟子・牛腸は、「見過ごされてしまうかもしれないぎりぎりの写真」という自身の言葉どおり、独自の視点で周囲の人々や風景を捉えました。

2023年は、瀧口修造生誕 120 年、阿部展也生誕 110 年、大辻清司生誕 100 年、牛腸茂雄没後 40 年の節目の年にあたります。
ウジェーヌ・アジェ、北代省三、小石清、斎藤義重、坂田稔、下郷羊雄、高梨豊、土屋幸夫、勅使河原蒼風、永田一脩、長谷川三郎、濱谷浩、山口勝弘などの作品をあいだに含む、図版157点、大日方欣一、松沢寿重、畠山直哉による寄稿、豊富な解説と資料からも、4作家の思想と作品をたどり、「前衛」写真の精神が持つ今日性(アクチュアリテ)を、わたしたちの現在に投げかけます。



 
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"十年程前に老齡で死んだ巴里の写真師ウジエーヌ・アトジエは近代写真の神話をつくつたものだ(中略)
シユルレアリズムが、現代に於いて、想像的な芸術、幻想の要素を追求するといふ特異な点に関しては何人もその功績を否定し得ないであらう。そして写真の偉大な機能は、人間の影像の機能をも解放する。"

瀧口修造


"私は作家のエスプリの問題に関しての、夢及びオートマチズム、作用するオブジエ、 パラノイアクリテイク、霊感のメカニズム等の実験や理論の元に作品を持つて強力に私達を動かして来るシユールレアリズムの不可思議な新しく美しいイマージユの世界を深く重んずる、と同時にそれが私の生活からの季候的 (ママ) な感動に肉付けられた言葉であらねばならないと考へてゐる。
シユールレアリスム の、オブジエや夢のメカニズム、幻想等の意味を単に奇怪な幻想とかグロテスクなものゝアンサンブルと云つた風な方向ばかりでなしに、私達の日常的なものゝ中での発見にもその可能な方向を考へることが出来ると思ふ"

阿部芳文


"彼は自分の写真を〈なんでもない写真〉と思ったのです。たしかにその意味では、他人にとって、これといって伝えてくれるものは何もないので、〈なんでもない写真〉かもしれません。その上彼にとってさえ、この写真が何であるか、言葉でうまく説明できないのです。彼にもこの写真がよくわからないのだ、といってもいい。なぜなら彼のぶらぶら歩きながらパッパッと撮る方法には、オートマチスム的な手法を積極的に採用しよう、という意図があるからです。(中略)
これは写真という一個の客体であること。その価値は写真自体に問うものであること。万人の関心に迎えられるとは、はじめから期待していないこと。なぜならここは娯楽場ではなく実験室なのだということ。これでは少々高飛車にすぎます。別な言葉でいい直します。心の内側でしか聞こえない叫びや吐息、つまりホンネを公表するのは、むしろ表現者の最も誠実な提示物であるだろう。"

大辻清司



"われわれ一人一人の足下からひたひたとはじまっている、この見慣れた街。逃れようにもまとわりついてくる日常という触手。見慣れた街角の雑踏、スキャンダラスな犯罪記事、あやしげな広告、甘くやわらかいファッション、軽い陽だまりの会話、数えあげれば限りない。そのような拡散された日常の表層の背後に、時として、人間存在の不可解な影のよぎりをひきずる。その〈かげり〉は、言葉の襞にからまり、漠とした拡がりの中空に堆積し、謎解きの解答留保のまま、この日常という不透明な渦の中で増殖しつづける生き物のようでもある。
私は意識の周辺から吹きあげてくる風に身をまかせ、この見慣れた街の中へと歩みをすすめる。そして往来のきわで写真を撮る。"

牛腸茂雄








目次|Contents




雑誌『フォトタイムス』にはじまる
── 瀧口修造、阿部展也と大辻清司──  大日方欣一 



第1章
1930-40年代 瀧口修造と阿部展也 前衛写真の台頭と衰退

瀧口修造 写真との出会い 
はじまりのアジェ 
瀧口修造と阿部展也の出会い 詩画集『妖精の距離』
阿部展也、美術作品を撮る 
『フォトタイムス』における阿部展也の写真表現 
阿部展也の大陸写真 
「前衛写真協会」誕生とその時代、その周辺──「前衛写真座談会」をきっかけに 


第2章
1950-70年代 大辻清司 前衛写真の復活と転調


前衛写真との出会い 
大辻清司、阿部展也の演出を撮る 
大辻清司の存在論のありか 「APN」前後の動向を手がかりとして 
(コラム)瀧口修造― ヨーロッパへの眼差し
(コラム)阿部展也の 1950 年代写真 
『文房四宝』― モノとスナップのはざまで 
私(わたくし)の解体― 「なんでもない写真」


第3章
1960-80 年代 牛腸茂雄 前衛写真のゆくえ


桑沢デザイン研究所にて 
大辻清司のもとで― 高梨豊の60年代 
日常を撮ること 
『SELF AND OTHERS』(1977) 
紙上に浮かび上がるかたち 牛腸茂雄と瀧口修造
(コラム)瀧口修造のデカルコマニーについて 
(コラム)牛腸茂雄の自筆ノート 
『見慣れた街の中で』(1981) 

 



あくなき越境の射程──遠ざかる主義の時代の地平から 松沢寿重

学生の頃 畠山直哉



作家の言葉──自筆文献再録

写真と超現実主義 瀧口修造 1938
前衛的方向への一考察 阿部芳文 1938
なんでもない写真 大辻清司 1975
見慣れた街の中で 牛腸茂雄 1981


年譜
主要参考文献
作家解説
掲載作品・資料リスト



編集:千葉市美術館、富山県美術館、新潟市美術館、渋谷区立松濤美術館
翻訳:クリストファー・スティヴンズ
校正:山田真弓




The Spirit of Avant-Garde Photography:

Transforming "Nothing Much"

TAKIGUCHI Shuzo, ABE Nobuya, OTSUJI Kiyoji, GOCHO Shigeo


During the 1930s, a large number of works influenced by Surrealism were shown in Japan under the heading of "avant-garde photography." Among these were works by Takiguchi Shuzo (1903-1979) who, based on his view of the photographic medium as "a deep fold in everyday reality," explored the potential of the surreal. In 1938, Takiguchi provided theoretical support for the Zen'ei Shashin Kyokai (Avant-garde Photography Association), which he formed with a group of photographers and painters.

One of the association's founding members, Abe Nobuya (1913-1971) created works in response to statements that Takiguchi had published in Photo Times magazine. Abe's works displayed a rapid shift away from the poetic sensibilities of Surrealism to photographs that documented a "new unembellished harmony" in "landscapes that have been abandoned as a useless part of the city and country." After the Second World War, Abe went on to inspire young photographers with his criticism, while exploring his own avant-garde expressions in photographs taken at various travel destinations.

Otsuji Kiyoji (1923-2001) had been involved with Photo Times during the late 1930s at the height of the Zen'ei Shashin Kyokai's activities. In about 1940, under the direct influence of Takiguchi and Abe, he began pursuing a career as a photographer. In 1958, while continuing to follow this path, Otsuji also began teaching at the Kuwasawa Design School. There, he encountered the new experimental approaches of his young students. As an educator, Otsuji broadened his perspective to include everything from his predecessors to photographers of the same era, while at the same time using his experiences as a first-hand observer of art journalism as a foundation for his work. His Experimental Workshop of Photography series signaled a dramatic change in direction with its emphasis on "Photo of Nothing Much" that focused on the commonplace.

Gocho Shigeo (1946-1983) was one of the students that Otsuji discovered at the Kuwasawa Design School. In 1967, Gocho began to major in photography on Otsuji's strong recommendation, and gradually set his sights on a career as a photographer. Otsuji also wrote forewords for two photo books that Gocho published after graduating from the school, and he keep a close eye on his former student's activities. As Gocho himself put it, he strove to make works that were "just barely photographs, something that might be overlooked," bringing a unique viewpoint to ordinary landscapes that were familiar to anyone.

This year, 2023, marks the 120th anniversary of Takiguchi Shuzo's birth, the 110th anniversary of Abe Nobuya's birth, the 100th anniversary of Otsuji Kiyoji's birth, and the 40th anniversary of Gocho Shigeo's death. While tracing the relationship between these four artists and their work, in this exhibition we hope to convey the actuality of the avant-garde photographic spirit championed by Takiguchi.



Section I

The 1930s to the 1940s:

TAKIGUCHI Shuzo and ABE Nobuya - The Rise and Fall of Avant-Garde Photography


Section II

The 1950s to the 1970s:

OTSUJI Kiyoji - Revival and Transposition of Avant-Garde Photography


Section III

The 1960s to the 1980s:

GOCHO ShigeoThe Development of Avant-Garde Photography

 

 Contribution

OBINATA Kinichi, MATSUZAWA Hisashige, HATAKEYAMA Naoya




Related Exhibiton



「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容

 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄


会期:2023年4月8日(土)〜 5月21日(日)

前期:4月8日(土)〜 4月30日(日)
後期:5月2日(火)〜 5月21日(日)


時間:10:00~18:00(金・土 20:00まで/入館は閉館時間の30分前まで)

会場:千葉市美術館(千葉県千葉市中央区中央3-10-8)

休室日:4月17日(月)、5月1日(月)


関連イベント多数、詳細は千葉市美術館WEBにて

巡回展:

2023年 6月3日(土)〜7月17日(月祝)
富山県美術館|主催:富山県美術館

2023年7月29日(土)〜9月24日(日)
新潟市美術館|主催:新潟市美術館

2023年12月2日(土)〜2024年2月4日(日) 
渋谷区立松濤美術館|主催:渋谷区立松濤美術館

特別協力:武蔵野美術大学 美術館 · 図書館
企画協力:株式会社アートインプレッション







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Artist Information 


瀧口修造 (TAKIGUCHI Shuzo) 1903-79


富山県姉負郡寒江村大塚(現・富山市大塚)生まれ。慶應義塾大学英文科卒業。美術評論家、詩人、芸術家として活動した。戦前 から日本における前衛芸術、とりわけシュルレアリスムの紹介と普及に大きく貢献するとともに、1930年代からさまざまな雑誌 に写真に関する文章も発表し38 年には前衛写真協会を組織、理論的な面で大きく貢献した。戦後は新しい芸術家たちの活動面、 精神面の支柱的存在となるが、ジャーナリズムに疑問を感じ、次第に対個人的な交流へと移行していった。


阿部展也 (ABE Nobuya) 1913-71


新潟県中蒲原郡五泉町(現・五泉市)生まれ。本名は芳文。1948 年以降は展也の名で活動した。29年頃に画家を志し、32年第2回独立美術展に初出品。戦前はキュビスムやシュルレアリスムの影響を受けた絵画を発表。36年頃、写真を撮り始める。37年、瀧口修造と共に詩画集『妖精の距離』(春鳥会)を刊行。38年前衛写真協会結成に参加。41-45年、陸軍写真班員として従軍。戦後は、絵画制作のかたわら、写真分野を含む評論活動を展開。49-52年には、美術文化協会写真部で大辻清司ら後進の指導を担った。53年以降は、インドや東欧を含む世界各地を訪れてルポルタージュ写真を撮影。62年ローマ移住。以後も、欧米の美術動向を『藝術新潮』などに発信し続けた。



大辻清司 (OTSUJI Kiyoji) 1923-2001


東京府南葛飾郡大島町(現・東京都江東区大島)生まれ。1940年、近所の書店に積まれた『フォトタイムス』と出会い、写真家を志す。42年に東京写真専門学校入学、翌年に陸軍応召。終戦後はお茶の水の写真店「高林スタジオ」に就職し、その頃に知り合っ た斎藤義重に誘われ家庭文化社に転職する。47年、自身の写真スタジオを新宿に開業した。この頃、美術文化展に出品するようになる。53 年には若手芸術家の領域横断的なグループ実験工房と、デザイナーを中心としたグラフィック集団に参加。58年か ら桑沢デザイン研究所で写真の授業を担当し。高梨豊や牛腸茂雄などの写真家を育てた。68 年には学生の間で流行している写真 表現に鋭敏に反応し、「コンポラ写真」と呼ばれるこの傾向を言説で後押しした。



牛腸茂雄 (GOCHO Shigeo) 1946-83


新潟県南蒲原郡加茂町(現・加茂市)生まれ。1965年、桑沢デザイン研究所リビングデザイン科入学。67年に卒業後、同研究所で主任講師を勤めていた写真家・大辻清司の強い勧めで写真専攻へ進学する。卒業後も、雑誌への写真掲載を続けながら、71年、桑沢時代の友人・関口正夫と写真集『日々』を自費出版。活動領域は写真にとどまらず、75年にはインクブロットによる個展「闇の精」を開催。77年、『SELF AND OTHERS』を自費出版。78年には個展「SELF AND OTHERS もう一つの身振り」を開催し、第28回日本写真協会賞新人賞受賞。80年、インクブロットによる画集『扉をあけると』を出版。81年、『見慣れた街の中で』 を自費出版。次作『幼年の「時間」』に着手するものの、83年、36歳の若さで死去した。

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 『ノノ かみと布の原郷』
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  Book Concept:工藝ぱんくす舎(前田征紀、石井すみ子)
  Book Design:吉村麻紀
  表紙和紙:中村 功
  
  発行:赤々舎

  Size: H265 mm × W210 mm
  Page:176 pages
  Binding:Hardcover with Kozo tree paper


  Published in March 2023 
  ISBN:978-4-86541-168-3


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About Book


原始の布とかみ、そしてそれらに共鳴して生み出された作品から見つめる未来


2021年3月、島根県立石見美術館で開催された「コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎  ノノ かみと布の原郷」展は、日本の様々な地域に残された「自然布」から、各地の風土と一体となった人々の暮らしや自然観、精神性をみつめ、人と自然とのこれからの関係について展望しようとするものでした。本書は、その展示に際し企画され、2年の歳月を経て刊行される図録にあたります。


展覧会の準備のため、前田征紀、石井すみ子による美術ユニット「工藝ぱんくす舎」は、 約2年にわたり、自然布、手漉きの紙、日本古来の精神が宿る場所を求めて日本各地を巡りました。その経験 ── 各地に残された布と紙に通じる精神性から構成された本書は、訪れた場所や出会ったものに宿る気配、私たちとそれらとの目に見えないつながりなど、精神的な領域で感取される印象も組み入れられています。また、これまで会を重ねながら、地球環境を成り立たせている根源と調和するように各地で開催されてきた特有のセレモニー、紙の音を聞き 、山の水と質朴な菓子を振る舞うなどする「ノノ お水え」の様子も収録しています。 


かつて人々は暮らしの身近にある草木から繊維を績み、布にして、衣服や暮らしの道具としていました。
生み出された地域ごとの特徴的な暮らしの文化が色濃く反映されている「自然布づくり」は繊維を取るところから全行程が手作業でなされ、藤織がなされた島根では、ボロになった布は叩いて紙にし、最後まで無駄なく使ったとも伝えられています。
すぐそばにある自然に包まれ、あるものを大切にして生きていた時代の布がいま、私たちに見せるのはどんな姿でしょうか。

本文と図版はオフセット印刷と孔版印刷、表紙は徳島県拝宮の中村功氏の和紙に活版印刷、さらに、中身ページに佐賀県唐津の前田崇治氏の大麻布紙を手作業により貼り込んでいます。
本書を捲る手を通しても立ち現れるだろう「自然布」や手漉き和紙に宿る気配には、私たちが選び得る未来の姿の一つが映されているかもしれません。





日、月、かみ、仏を尊ぶ言葉にノノがある

京都丹後の藤織りの里、上世屋では

かみから藤布の織り方を教わったという伝説がある

上世屋では藤織のことを親しみを込めてノノと呼ぶ

 

藤、葛、梶、楮、大麻、苧麻、榀、芭蕉、オヒョウ

人は草木から繊維を績み衣にした

 

地球の草木には、宇宙と地球の愛と叡智が内包されていて

私達は草木を布とし、纏うことによって

それらと一体となる感覚を身近に感じるものとしてきた

 

その働きは、無意識のうちに宇宙へと繋がり

人の意識はすべてと繋がってゆく

そこにノノが現れる

 

── コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎





執筆:工藝ぱんくす舎、安西篤子、廣田理紗(島根県立石見美術館)
編集:廣田理紗、奥田きく(COSMIC WONDER)
ノノ お水えの和紙(7p 貼込み):
大麻布紙 紙漉き:前田崇治
翻訳:江口研一、奥田きく、スティーブン・スプロット
写真:隅田正三、仲川あい、前田征紀、長島有里枝、志村信裕、加藤文崇
題字:石井直人


Texts:Kogei Punks Sha, Atsuko Anzai, Risa Hirota (Curator, Iwami Art Museum)
Editing:Risa Hirota. Kiku Okuda (COSMIC WONDER)
NONO OMIZUE Washi Paper (Included on p.7):
Taima (hemp) cloth paper
Paper making:Takaharu Maeda
Translation:Kenichi Eguchi, Kiku Okuda, Stephen Sprotto
Photography: Shozo Sumita,Ai Nakagawa,Yukinori Maeda, Yurie Nagashima, Nobuhiro Shimura, and Fumitaka Kato
Title logo: Naoto Ishii





NONO a native spirit of Kami and Cloth

COSMIC WONDER with Kogei Punks Sha



This publication is the catalogue of the exhibition "NONO a native spirit of Kami and Cloth" by COSMIC WONDER with Kogei Punks Sha. The exhibition was held at the Shimane Iwami Art Museum in March 2021. In preparation for the exhibit, Kogei Punks Sha spent two years traveling around Japan and researching native fabrics, handmade papers, and sites where ancient spirits dwell. The exhibition and this catalogue were shaped by their unique interpretations of spirituality.


In the past, people spun fibers from plants taken from their immediate surroundings, making fabrics, and then constructing clothing and tools to sustain their lives.

These native fabrics can be made from Fuji (wisteria), Kuzu (kudzu), Kaji tree (paper mulberry), Kozo tree (paper mulberry), Taima (hemp), Choma (ramie), Shina (linden), Basho (banana), and Ohyo (elm), to name a few deeply reflect the culture unique to each area and the practices nurtured them. Making native fabrics by hand starts with producing the fiber, which requires much perseverance, and one cannot imagine how much work it would take if it were done today. Such precious fabrics have been highly regarded and cherished in their home regions. In Shimane, where there is a tradition of fuji-ori (wisteria weaving), the worn boro fabric was battered back to pulp. When it is used to the end, nothing goes to waste. Today, we have come to a stage where we need to reevaluate the relationship we have between nature and man.


What do they show us now, these fabrics that exist from the times we were nurtured by the nature around us and cherished what we had? In present times, where there is an abundance of information, the future options we can choose from may be reflected in the very presence of these native fabrics and handmade papers.


The catalogue is offset printed with additional stencil printing. The cover is letterpress printed on washi (paper) by Isao Nakamura of the Haigyu Area, Tokushima Prefecture, Also included is a special insert of washi made of fibers from beaten taima-fu (hemp cloth) by Takaharu Maeda of Karatsu City, Saga Prefecture.






Related Exhibiton



コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎

「ノノ かみと布の原郷」 図録出版記念展


会期:2023年5月27日(土)〜 6月4日(日)

時間:11:00~18:00

会場:gallery白田京都府船井郡京丹波町森山田7)



コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎

ノノ かみと布の原郷

会期 : 2021年 3月20日(土・祝)- 5月16日(日)

会場:島根県立石見美術館 展示室C(島根県芸術文化センター「グラントワ」内)





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島根半島沖泊地区、漁の乾燥小屋
(藤布の漁網が使われていたと思われる昭和20-30年頃の風景)




Artist Information 


COSMIC WONDER 

1997年、前田征紀を主宰として設立。「精神に作用する波動」としての衣服、美術、書籍など多岐にわたる表現領域により展開。2007年、東京・南青山に「Center for COSMIC WONDER」を開設、活動と発表の拠点とする。2016年より京都・美山の重要伝統的建造物群保存地区の古民家と工場跡を製作スタジオにする。主な展覧会として、2017 年に「COSMIC WONDER 充溢する光」(島根県立石見美術館)、2019年に「COSMIC WONDER Harmonic Meditation」(香港・Taka Ishii Galley)を開催。


工藝ぱんくす舎

前田征紀と石井すみ子による精神の空間を創造する美術ユニット。工藝デザイナーの石井は手仕事の可能性を作り手と共に考え、紹介する場とし京都・京丹波にgallery 白田を開廊。2015年「ミエルかみ」展(京都・ gallery 白田)における「かみのひかりのあわ水会」を契機に工藝ぱんくす舎を結成。手漉きの紙、自然布について研究と制作を行う。主な展覧会として、2016年「お水えいわみのかみとみず」(島根県立石見美術館)、2017年「かみ」(銀座・資生堂ギャラリー)、2021年「ノノかみと布の原郷」(島根県立石見美術館)を開催。




COSMIC WONDER

COSMIC WONDER was founded in 1997 by Yukinori Maeda. COSMIC WONDER is a conceptual project comprising various modes of expression from clothing, artwork and publishing to performance. In 2007, The "Center for COSMIC WONDER," located in Minami Aoyama, Tokyo, functions as a site for activities and presentations. In 2016 COSMIC WONDER moved its studio to a traditional house and workshop in Miyama, a remote village in the mountains north of Kyoto, which is designated as a national preservation district of historic buildings. Exhibition include:"COSMIC WONDER: Lightness of Light" at the Iwami Art Museum (2017),"COSMIC WONDER Harmonic Meditation" at Taka Ishii Gallery, Hong Kong (2019).


Kogei Punks Sha

Kogei Punks Sha is an artistic unit creating space for human spirit. Formed by Yukinori Maeda and Sumiko Ishii. (Founder of gallery hakuden and Craft designer). Ishii opened gallery hakuden in Kyotamba, Kyoto, as a place to think about and introduce the possibilities of handmade work together with the artists. In 2015,"Kami-no-hikari-no-awa Water Ceremony" at the "MIERU kami" exhibition (gallery hakuden, Kyoto) was the occasion to form Kogei Punks Sha. We researches and produces handmade paper and native cloths. Exhibition include:"Omizue: Iwamino-kamito- mizu" at Iwami Art Museum (2016) and "Kami" at SHISEIDO GALLERY, Ginza (2017),"NONO a native spirit of Kami and Cloth" at the Iwami Art Museum (2021).





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 菅野純『Planet Fukushima』
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  Book Design:尾中俊介(Calamari Inc. 
  
  発行:赤々舎

  Size: H182mm × W257mm
  Page:304 pages (152pages + 152pages)
  Binding:左右両側スイス装、コデックス製


  Published in March 2023 
  ISBN
978-4-86541-162-1

¥ 7,000+tax 

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About Book


バラバラに時を刻むあらたな時空間とレイヤー

Fat Fish」と「Little Fish」━ Planet Fukushimaから


福島県伊達市出身の菅野純は、東日本大震災を経た郷里の人と風景を10年にわたり撮影し『Planet Fukushima』を編みました。写真集は、身近な人や光景を撮った「Fat Fish」というパートと、それと同じ場所で線量計を手に持ってスナップした「Little Fish」というパートから成ります。

「Fat Fish」には、2014年あたりから出現した新たな光景ー放射性物質の「仮置き場」を俯瞰で捉えた写真が繰り返し出てきます。偶然出会った山間にあるそれは魚の形をしていて、除染で除去した土や草木を入れたフレキシブルコンテナバックの一つ一つが魚の鱗のようにも見え、あたかも海から津波で流されてきた巨大な魚のようだと菅野は言います。
「Fat Fish」のコンテナバックが増えていくのとは逆に、近所の農家のおじさんが老いていき、震災後に生まれた少年が成長し、また毎年同じ時期に執り行われる地元の行事があります。船の形の植木は伸縮を繰り返し、一方で小さくなっていくように見える少女も現れます。
定期的に撮影されたそれらは、みな、時間の進行がバラバラで、一方向ではなく、被災後の福島に流れる独特な分断された時間の流れを体現しています。

また、撮影をつづける菅野には、同じ空間に存在するはずの事物が、層を成しているように見えてきます。手前の人(近景)と遠くの山(遠景)の間にある、放射能という異物(中景)。さらにカメラのレンズと人物の間の空間(接景)。「Fat Fish」は事故がもたらした非日常的風景ですが、日常的風景の中にも、見えない放射能のレイヤーが重なっていることを捉え、そうした空間にフォーカスしていきました。

「Fat Fish」と「Little Fish」は同じ場所を同じ時に撮影していますが、異なる視点によるものです。さまざまな視覚経験の集積である本書は、2つの「Fish」を分離した上で同じ表紙にくるみ、左右両開きで同時に展開することを可能にしています。
福島のことを見るとき、地球のことも考えられるー「Planet Fukushima」はミクロとマクロの関係を探りながら、新たな視点を投げかけています。





Planet Fukushima

Kanno Jun


"I think it was around December 29 or 30, during the last week of 2015, when I was driving from Soma to Date, the city where my parents live. Route 115 was usually thronged with vehicles due to the ongoing decontamination work, but during the New Year holidays there was hardly any traffic on the road, and it had gone back to what it used to be, a mountain pass meandering quietly through the peaks. 


Driving in an unfamiliar environment was a bit disconcerting, and since it was already late in the afternoon, I decided to take a shortcut along a narrow side road, indicated by the car navigation system, in order to get over the mountains before it got dark. As soon as I got on the road, I saw a large number of flexible container bags ahead of me and reflexively got out of the car to take a photo. However, even with a 24mm wide-angle lens I could not capture the entire scene, so I decided to climb up a nearby mountainside. 


The uphill slope was across from a flexible container bag storage area, and when I got to the top, the view below became clear. It was like a vast empire sprawling across a hidden mountainous region. The grid-like streets reminded me of ancient northern cities, the loose grid layout was like a labyrinth extending between houses, and I felt it would not be strange if smoke from evening fires was rising here and there. The peculiar outlines of white fences seemed somehow meaningful, and the flexible container bags dusted with fine grains of snow began looking to me like the scales of fish. I named the place "Fat Fish," and my newfound duties as its sentinel began.


It was in early May 2011 when I returned to my parents' house for the first time after the disaster, and at that time I was still struggling to grasp the seriousness of the situation. I had never thought much about radiation except in the context of war or nuclear weapons, my knowledge of it was vague, and even when I tried to imagine the characteristics of radioactive substances, which are odorless and invisible, it was difficult to come to grips with them.


A few days after I returned to my hometown, the dosimeter that I had long been eagerly waiting for, as production had not kept pace with demand, finally arrived, and I also began feeling the severity of the situation firsthand. My vision began to change in a very strange way, with each scene before my eyes composed of three layers: foreground, middle ground, and background. You might even call them three different dimensions. For example, suppose there was a person in front of me and a mountain in the distance. In the past, both of them would have existed in the same space at the same time. However, the nuclear accident caused the foreign substance called radioactive contamination (in the middle ground) to come between the person in the foreground and the mountain in the background, and the two were separated off into completely different dimensions. Somewhere along the way, a new layer (close-range view) was added between the person (foreground) and the camera lens, and I became aware of the space before me in layers, like those in Photoshop. If the dosimeter reading was unexpectedly high, the space behind the lens, that is, the space I (and the camera) occupied, formed one additional layer (perhaps as a barrier), and before I knew it, another space behind me, separate from the one occupied by me and the camera, was pressing against my back. I felt a sense of discomfort as if I had been gotten sucked into one of many layers in a Photoshop image on a computer monitor. 


From the many people I have met over the past 10 years, I have learned that each person has a different sense of time. For some it goes fast, for some slow, for some it is fragmented, and for some things have already gone back to how they were before the disaster. People's sense of time can differ depending on the type and scale of the disaster they experienced, as in the difference between coastal areas where tsunami damage is visible and inland areas where radiation damage is severe. There are also major differences between adults and children. Things also depend on the jobs people do. Of course, it is only natural that concepts of time and feelings about the disaster differ from person to person in regions outside of Fukushima. In Fukushima, though the presence of this invisible foreign substance has undoubtedly had some effect (even if only temporarily) on people's sense of time.


The middle ground is at the center, and there are many layers attached to it on either side. And there is a new space, seen from above, that of the "Fat Fish" that I encountered by chance. The layers seem to me to be fragmented and isolated, each ticking away time in its own way, without any rhyme or reason."


Extracted & Reconstructed from the text 

"Planet Fukushima" by Kanno Jun





About Binding





左「Fat Fish」、右「Little Fish」。
2つの「Fish」を分離した上で同じ表紙にくるんだ、左右両側スイス装、コデックス製による製本です。

"Fat Fish" was named after the fish-shaped outline of the  temporary storage sites for radioactive waste,
where Kanno Jun is conducting fixed-point observation. 
It is also an allusion to the atomic bombs dropped on Hiroshima and Nagasaki, known as "Little Boy" and "Fat Man," respectively.
The two series are bound in Swiss binding on both the left and right sides by Codex.



Related Exhibiton



菅野純 写真展「Planet Fukushima」


会期:2023年 6月14日(水)~7月2日(日)

時間:12:00~19:30(日曜日 17:00まで

会場:kanzan gallery(東京都千代田区東神田1-3-4 KTビル2F)

月曜定休/入場無料







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Artist Information 


菅野純

写真家。福島生まれ。アメリカで映像を学び、帰国後ポートレート、ランドスケープを中心に活動。2018 年より東京から福島に拠点を移し、震災以降の福島の自然と環境をテーマに作品制作を行っている。また動物と人間の関係性を扱った作品があり、その場合アーティスト名は「菅野ぱんだ」を使用している。受賞歴に、第13回Canon写真新世紀優秀賞荒木経惟選(1996)、第42回伊奈信男賞(2017)がある。主な写真展に、「Planet Fukushima」Nikon Salon(2017)、「福島の新世代2001 SEVEN ROOMS」福島県立美術館(2001)、「'99 プライベートルームII 新世代の写真表現」水戸芸術館(1999)。著書に「The Circle」自費出版 (2017)、「南米旅行」リトル・モア(2004)、など多数。


Kanno Jun

Artist Kanno Jun was born in Fukushima, studied film production in the US, and after returning to Japan worked primarily in the portrait and landscape genres. In 2018 she relocated from Tokyo to Fukushima, and has been producing works dealing with the natural scenery and environment of Fukushima since the 2011 earthquake and tsunami. Some of her works have the theme of relationships between animals and people, and she presents these works under the name "Kanno Panda".

Awards include the 13th New Cosmos of Photography Prize (selected by Araki Nobuyoshi)(1996) and the 42nd Ina Nobuo Award (2017). Major photography exhibitions include Planet Fukushima (Nikon Salon, 2017), Fukushima's New Generation 2001: Seven Rooms (group exhibition, the Fukushima Prefectural Museum of Art, 2001), and Private Room II - Photographs by a New Generation of Women in Japan (group exhibition, Art Tower Mito, 1999). Her many publications include The Circle (self-published, 2017) and Traveling Through South America (Little More, 2004).

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『Decades No.2 CONTEMPORAL JOURNAL 2021-22
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  発行:赤々舎

  Size: H257mm × W182mm
  Page:200 pages
  Binding:Codex
  Language:日本語、English

  Published in March 2023
  ISBN
978-4-86541-165-2 

  ※表紙は10種からお選び頂けます(中身は同一)
  You can choose from 10 different covers (the contents are the same).

  ※赤々舎もう一冊はりんご通信のみとなります。



¥ 2,700+tax 

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About Book


写真雑誌 〈Decades〉第2号 !!
それぞれの時間の変容から、積み重なる今に思いを巡らす


本誌 Decades は 2020 年、緊急事態宣言下の急激な社会規範の変化による体感時間の変容の認識/錯覚について写真で編むことを試みて、写真家 岩根愛氏により創刊されました。
他者との距離に緊張する日々が終わりつつある今日にはどのような未来の予兆があり、それらは次に起こるどんなことの前の記憶として思い返されるでしょうか。

第2号では、写真家と作家、同世代で組まれたそれぞれ10組に、2021-22年に撮影された写真、出来事についてのエッセイが依頼されています。
ひとつにはコロナ禍であったとも言える「時間」は、しかし、2011年3月11日から続く時間や、自然環境が都市の姿へと変貌していく時間、戦時下のウクライナにも個人の中を流れ、やがては眼差しを交わすだろう私たちの間にも流れるものになる。
福島、東京、北京、杭州、ソウル、シェムリアップ、プノンペン、石巻、ワルシャワ、ウクライナ、チェコ、モルドバ、カリフォルニア、高知──、それぞれの時間の変容を照らし合わせ、積み重なる今に思いを巡らします。






「コロナ禍」のものとして企画された日記や写真集などはしかし、どれもが2020年春の最初の緊急事態宣言の時期がほとんどで、そのあとは格段に少なくなる。ほんとうはそのあとのことを知りたいのに、まだ続いている「今」の連続のことを知りたいのに、手がかりはとても少ない。(中略)
始まりのそのあとも続いている「今」が積み重なって、押し潰していく時間のことを、支えていく時間のことを、2022年6月の私は書こうとしている。
p30 - p34 柴崎友香 寄稿より 抜粋 



さまざまな災害が地球規模で増大し、今どう生きるかを自分の問題として考え、前向きに取り組んでいかなければ生きられない時代に、岩根愛氏の必死の攻防が『Decades』という作品を生み出した。今、私たちはその第二部の一部分となり、私たちが共有している世界の還元方法を見つけ出そうとしている。

p136  榮榮&映里 寄稿より 抜粋



5秒以上視線を合わせると意識が覚醒し、体感時間がはるかに長くなるという実験結果を読んだ日、12 年前に 4 歳だったという福島の高校生に会った。大きな揺れ、商品が倒れたスーパーでつないだ母の手、避難所の天井、いま思い返せるのはそのぐらいの、断片的な記憶だけだという。
まもなく 80 歳になる友人は、1 年前と昨日はほぼ同じで、最近のことはすべて「15 年前」、それより前はすべて「40 年前」の出来事と記憶しており、成人以降の記憶は概ねその 2 つに分類されるという。
80 分の 1 と 16 分の 1 の時間に生きる彼らが視線を交わす時、或いはここ 3 年の(まるで自分の影ばかりと近づいたような)時間は、どのように同時に存在していたのだろう。

p200 岩根愛 あとがきより 抜粋





目次|Contents




       写真/文


      003 菅野 純 + 古川日出男
           Plume / 地震、テニス、猫

      023 長島有里枝 + 柴崎友香
           先にしか進めない / 2020, 2021, 2022

      043 陳哲 + 蒋斐然
           長い忘却をゆっくりと思い出す / 六月ダイアリー

      063 イ・ハヌル + シャロン・チョイ
           Boomers / 干満

      081 ナリン・サオボラ + ジェシカ・リム
           By The Way / 4本の木

      101 飯沼珠実 + 朝吹真理子
           写真と住処 / 2022年7月2日 石巻

      117 榮榮&映里 + 福永 信
           即非京都 / 去年の余韻

      137 小原一真 + ナターリャ
           Platform on the Border / 2022年3月 ワルシャワ・ポーランド

      153 岩根 愛 + 雨宮庸介
           The Farther Shore / 巻石サイファー

      177 畠山直哉 + 大友良英
           タイトル未定(高知) / 「みらい」11年目の福島


      195 Contirbutors




       Photograph/Text


      003 Kanno Jun + Hideo Furukawa
             Plume / Earthquake, Tennis, Cat

      023 Yurie Nagashima + Tomoka Shibasaki
             We Can Only Move Forward / 2020, 2021, 2022

      043 Chen Zhe + Jiang Feiran
             A Slow Remembering of a Long Forgetting / Diary of June

      063 Haneul Lee + Sharon Choi
             Boomers / Ebb and Flow

      081 Narin Saobora + Jessica Lim
             By The Way / Four Trees

      101 Tamami Iinuma + Mariko Asabuki
             Photography and Habitation / July 2, 2022 Ishinomaki

      117 RongRong&inri + Shin Fukunaga
             Jifei Kyoto / Last Year's Afterglow

      137 Kazuma Obara + Natalya
             Platform on the Border / March 2022 Warsaw

      153 Ai Iwane + Yosuke Amemiya
             The Farther Shore / Maki-Ishi Cypher

      177 Naoya Hatakeyama + Otomo Yoshihide
             untitled (Kochi)  / "Mirai" Fukushima in the 11th Year


      195 Contirbutors




編集:岩根愛、河西香奈、姫野希美
編集アシスタント:折笠純
アートディレクション/デザイン: 鵜飼悠太

翻訳:KANA KAWANISHI ART OFFICE / Sumin Chou / Zixuan Zhang
英文校正:Pablo Figueroa
協力:ルシール・レイボーズ & 仲西祐介/岡原功祐/The Reference





Decades No.2 CONTEMPORAL JOURNAL 2021-22



This magazine, Decades, was launched in 2020 in an attempt to weave together photographs about the perception/illusion of the transformation of experiential time due to rapid changes in social norms under restrictions and lockdowns.

I actually can no longer recall very well the summer of 2020 when we be- gan working for the magazine. What kind of future portends today when various infection-related restrictions are lifted, and days of tension over distance from others are coming to an end? And how will we remember today in the months, years, or decades to come as a memory before whatever happens next?


For the second issue of the photography magazine Decades, we asked ten photographers and ten writers, each around the same age, to contribute essays about their photographs/ events from 2021-22.

These happened in Fukushima, Tokyo, Beijing, Hangzhou, Seoul, Siem Reap, Phnom Penh, Ishinomaki, Warsaw, Ukraine, Czech Republic, Moldova, California, and Kochi in 2021-22.


── Ai Iwane          




But any journals or photobooks published as "Covid-19 pandemic related" were mostly all from around the first declaration of the state of emergency in the spring of 2020. There is almost nothing after that. What I want to know is what happened after that. That is, the sequences of "now" still ongoing. But there are very few clues.[...]
In June 2022, I am trying to write about the "now" that continues after the beginning, about the time that piles up and crushes, and the time that sustains.

Extracted from p30 - p34 Tomoka Shibasaki



In an age when various disasters are increasing globally, and we cannot live without thinking how to live as our own problems and tackle them positively, Ai Iwane's desperate defense produced the body of work, Decades. Now we are part of that second volume, trying to find methods to reduce back the world we share.

Extracted from p136  RongRong&inri



The day I read the results of an experiment that showed eye contact for more than five seconds wakes consciousness and makes the sensory experience much longer, I met a high school student from Fukushima who said she was four years old twelve years ago.
She told me all she can recall now are fragmented memories--the big quake, her mother's hand holding her in a supermarket where merchan- dise had fallen over, the ceiling of the evacuation shelter, and such.
My friend, who will soon turn 80 years old, recognizes a year ago as yesterday. To him, all recent events are remembered as "15 years ago," and anything before is "40 years ago," and his memories from adulthood onward generally fall into those two categories.
What would happen if the 16-year-old and 80-year-old looked into each other, each living their 1/80th and 1/16th lifetime experience, or how had the last three years--when it seemed we were only getting closer to our own shadows--occur simultaneously?

Extracted from  p200  Ai Iwane Afterword





Artist Information 


Kanno Jun

菅野 純 


b. Fukushima, Japan


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写真家。アメリカで映像を学び、帰国後ポートレート、ランドスケープを中心に活動。2018年より東京から生まれ故郷である福島に拠点を移し、震災以降の福島の自然と環境をテーマに作品制作を行っている。第13回 Canon写真新世紀優秀賞(荒木経惟選)受賞、第42回伊奈信男賞受賞、 主な写真集に『The Circle』(自費出版)、『南米旅行』(リトルモア、いずれも菅野ぱんだ名義)がある。2023年『Planet Fukushima』を赤々舎より出版。

Kanno Jun is a photographer. She has focused on portraits and landscapes as her main practice since returning to Japan from the US where she studied video production. In 2018, she moved her base from Tokyo to her birthplace, Fukushima. Since then, she has been working with the theme of nature and environment of Fukushima after the Great East Japan Earthquake. Kanno was awarded the 13th Canon New Cosmos of Photography Excellence Award (selected by Nobuyoshi Araki), and the 42nd Ina Nobuo Award. Her major monographs include The Circle (self-published) and Traveling through South America (Little More), which were both published under the name Panda Kanno. Her latest book Planet Fukushima was published by Akaaka Art Publishing.

Hideo Furukawa

古川日出男 


b.1966 in Fukushima, Japan


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Photo by Eisuke Asaoka

作家。1998年、長篇小説『13』でデビュー。『アラビアの夜の種族』『 LOVE』『女たち三百人の裏切りの書』といった文学賞受賞作のほか『ベルカ、吠えないのか?』『聖家族』『南無ロックンロール二十一部経』『木木木木木木 おおきな森』『曼陀羅華X』など著作多数。2021年には東日本大震災から10年目の福島を取材したノンフィクション作品『ゼロエフ』を発表。朗読を中心に他分野の表現者とのコラボレーションも継続的に行なう。

Hideo Furukawa made his debut in 1998 with the full-length novel 13. In addition to the award-win- ning works such as The Arabian Nightbreeds, Love, and Onna tachi sanbyakunin no uragiri no sho (The Book about Betrayal of 300 women), he also authored Belka, Why Don't You Bark?, Holy Family, Namu rokkunroru nijuichi bu kyo (Namu Rock 'n' Roll Twentyone-Part Sutra), FFFForesTTTT, and Mandarage X. In 2021, Furukawa released the non-fiction work 0f (Zero F) where he had conducted interviews and research in Fukushima in the 10th year after the Great East Japan Earthquake. Furukawa has also repeatedly conducted collaborative readings and other projects with artists from other fields.



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Yurie Nagashima

長島有里枝 


b.1973 in Tokyo, Japan


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主な個展に「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」(東京都写真美術館、2017年)、近著に『Self-Portraits』(Dashwood Books, 2020年)、2022年に日本写真協会学芸賞を受賞した『「僕ら」の「女の子写真」から私たちのガーリーフォトへ』(大福書林、2020年)などがある。2021年には金沢21世紀美術館で「ぎこちない会話への対応策̶ ─第三波フェミニズムの視点で─」展のキュレーションを務めた。京都芸術大学大学院客員教授、早稲田大学、東京大学、武蔵大学非常勤講師。

Major solo exhibitions include "And a Pinch of Irony with a Hint of Love" (Tokyo Photographic Art Museum, 2017), and her recent monographs include Self-Portraits (Dashwood Books, 2020), and Against 'Bokura''s 'Onnanoko-Shashin,' it's OUR Girly Photo Movement (Daifukushorin, 2020) which won the Curatorial Award in the Photographic Society of Japan Awards in 2022. In 2021, she curated the exhibition "Countermeasures against Awkward Discourses: From the Perspective of Third Wave Feminism" at the 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa (Japan). Nagashima currently serves as a visiting professor at Kyoto University of Arts, Graduate School, and a part-time lecturer at Waseda University, the University of Tokyo, and Musashi University.

Tomoka Shibasaki

柴崎友香 


b.1973 in Osaka, Japan


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Photo by Takeshi Funayose

小説家。2000年の初の単行本『きょうのできごと』が 2003年に映画化。2010年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、2014年『春の庭』で芥川賞受賞。著書に『わたしがいなかった街で』『千の扉』『百年と一日』など。

Tomoka Shibasaki is a novelist. Her first book Kyo no dekigoto (A Day on the Planet)(2000) was adapted for the screen in 2003. She was awarded the Noma Literary Newcomer's Prize for Nete mo samete mo (Asako I & II) in 2010, and the Akutagawa Prize for Spring Garden in 2014. Her other major publications include Watashi ga inakatta machi de (In a Town Where I Wasn't), Sen no tobira (A Thousand Doors), and Hyakunen to ichinichi (A Hundred Years and a Day).






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Chen Zhe

陳哲 


b.1989 Beijing, China


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アート・センター・カレッジ・オブ・デザイン(ロサンゼルス)卒業(写真専攻)。写真を基盤にしながら近年は表現をさらに発展させ、さまざまなメディウムや環境が持つ儚さというテーマに焦点を当て制作に取り組む。受賞歴にインゲ・モラス賞(マグナム・ファンデーション主催、2011年)、第3回三影堂撮影大賞(2011年)、Foam Talent(2018年)など。展示歴にリレハンメル美術館(ノルウェー)、横浜トリエンナーレ、Plug In ICA(カナダ)、 バーデン=バーデン州立美術館(ドイツ)、ホワイト・ラビット・ギャラリー(オーストラリア)、第9回アジア・パ シフィック・トリエンナーレ(オーストラリア)、東京都写真美術館、第11回上海ビエンナーレ、ユーレンス現代 美術センター(北京)など。

Chen Zhe received her B.F.A. in Photography and Imaging from Art Center College of Design in Los Angeles. Springing from and expanding on her photographic work, Chen's recent projects focus on the expressive potential of temporality in different mediums and environments. Chen Zhe is the recipient of the Inge Morath Award from the Magnum Foundation (2011), Three Shadows Award (2011), Foam Talent (2018), and more others. Her works has been exhibited at Lillehammer Art Museum, Norway; Yokohama Triennale, Japan; Plug In ICA, Canada; Staatliche Kunsthalle Baden-Baden, Germany; White Rabbit Gallery, Australia; the 9th Asia Pacific Triennial of Contemporary Art, Australia; Tokyo Photographic Art Museum, Japan; the 11th Shanghai Biennial, Shanghai; Ullens Center for Contemporary Art, Beijing and more.

Jiang Feiran

蒋斐然 


b.1987 in Zhejiang, China


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アーティスト、キュレーター。中国美術学院現代美術・社会思想研究所(ICAST)博士課程在籍。現代アートおよびキュレーション、前衛理論、カルチュラル・スタディーズを研究テーマとする。2021年、ジメイ×アルル・キュ レートリアル・アワード・フォー・フォトグラフィー・アンド・ムービング・イメージ受賞。

Jiang Feiran is an artist, curator, and currently a Ph.D. candidate at Institute of Contemporary Art and Social Thought (ICAST) in China Academy of Art. Jiang's research interests include contemporary art and curatorial studies, avant-garde theory and cultural studies. She is the winner of the 2021 Jimei × Arles Curatorial Award for Photography and Moving Image





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Haneul Lee

イ・ハヌル 


b.1994 in Seoul, South Korea


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写真家。韓国、ソウルを拠点に活動。写真を自分自身と他者とをつなぐ接点として捉え、作品を通してその両 者間にある様々な関係の形を探求する。見知らぬ他者との関わりの中で抱く形容し難い小さな不安感を起点とした作品を多く発表し、その代表作に約400人の人物を被写体にした〈Strangers〉シリーズや、続いて制作された新作〈Boomers〉などがある。デジタル時代への変遷が写真に与える影響に着目し、写真と私たちの住む世界との関係性をテーマに制作を続ける。2017年慶一大学校(韓国、大邱)写真学科卒業、2021年弘益大学校 大学院(ソウル)写真学科修士課程修了。

Haneul Lee is a photographer based in Seoul. She uses photography as an interface for exploring various modes of relationships between herself and others. Her works are often inspired by the subtle insecurities arising during her interactions with strangers, such as Strangers, whereby she documented about 400 people and subsequently a new project Boomers. She is intrigued by how our transition into the digital era has impacted photography and is constantly studying linkages between images and the world we live in. She received her B.F.A. in Photography from Kyungil University in Daegu in 2017 and subsequently an M.A. in Photography from Hongik University's Faculty of Design in Seoul in 2021.

Sharon Choi

シャロン・チョイ 


b.1993 in Seoul, South Korea


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映画監督、通訳。韓国映画『パラサイト』が映画賞を受賞した際の通訳として広く知られるようになる。南カリフォルニア大学映画芸術学部を卒業後、短編映画、ミュージックビデオ、ポッドキャストの脚本、監督、製作に携わる。韓国と世界の架け橋として、言語、文化、アイデンティティの境界を問う作品の脚本と監督を多く手がける。

Sharon Choi is a South Korean filmmaker and interpreter. She received widespread recognition as the award season interpreter for the South Korean film Parasite. After graduating from the USC School of Cinematic Arts, she has written, directed, and produced several short films, music videos, and podcasts. Frequently serving as a bridge between Korea and the rest of the world, she writes and directs films that test the boundaries of language, culture and identity.




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Narin Saobora

ナリン・サオボラ 


b.1983 in Kampong Thom,

Cambodian


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カンボジア人映画監督、シネマトグラファー、写真家。クメール・ルージュ崩壊後のコンポントム州に生まれ、 1980年代の内戦の中で育つ。カンボジアの映画界で10年以上にわたりキャリアを積み、フェローとしてサンダンス・インスティテュートに携わる。アカデミー賞ノミネート歴のあるリティ・パン監督とともに数々のドキュメ ンタリー作品および長編映画を手がけるほか、複数の映画祭で賞を獲得したリダ・チャンの長編ドキュメンタリー作『Red Clothes』でシネマトグラファーを務める。また、個人のプロジェクトとしては現代社会をテーマにした作品を制作。2019年アンコール・フォト・ワークショップ修了。

Narin Saobora is a Cambodian filmmaker, cinematographer and photographer. Born in Kampong Thom province after the fall of the Khmer Rouge, he grew up during the civil war in the 1980s. Saobora is a Sundance Institute Fellow with over a decade's experience in the film industry in Cambodia. He has worked on various documentaries and feature films with Academy Award nominated director Rithy Panh and was a cinematographer on Lida Chan's feature documentary Red Clothes, which has won several festival awards. For his personal work, Saobora deals with the issues of contemporary society. He is also an Angkor Photo Workshop alumni from 2019.

Jessica Lim

ジェシカ・リム 


b.1983 in Hougang, Singapore


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カンボジア拠点の非営利団体、アンコール・フォト・フェスティバル&ワークショップでディレクターを務める。 15年にわたり世界各地を視覚芸術の領域でアーティスト支援の活動に取り組む。社会的平等に向けた活動に重点を置くバングラデシュ、ダッカの報道機関ドリック・ピクチャー・ライブラリーにて記事および写真の編集、 外部写真家のマネジメントに携わった後、カンボジアに移住。2006年南洋理工大学(シンガポール)卒業(ジャー ナリズム専攻)。

Jessica Lim is the director of Angkor Photo Festival & Workshops, a non-profit association based in Cambodia. She has spent the past 15 years, and the most part of her professional career, working to provide support and opportunities to visual storytellers in the majority world. Her move to Cambodia built on her previous experience with Drik Picture Library in Dhaka, Bangladesh, a media organization uniquely dedicated to advocating for social equality, where she served as a news and photo editor and photographer liaison. She received her B.A. in journalism at the Nanyang Technological University of Singapore in 2006.



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Tamami Iinuma

飯沼珠実 


b.1983 in Tokyo, Japan


「建築の建築」をテーマに、人々の記憶の集積としての建築物、建築物の住処としての都市や風景を被写体として写真撮影に取り組む。2008年から一年間、ライプツィヒ視覚芸術アカデミーに留学、2013年までライプツィヒに在住(2010年度ポーラ美術振興財団在外研修員)。2014年から一年間、シテ・アンテルナショナル・デ・ザー ル・パリに滞在。2018年、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。2020年、版元「建築の建築」を設立。現在は東京を拠点に活動。

Under the theme of "House of Architecture," Iinuma photographs architecture as accumulations of people's memories, and cities and landscapes as habitations of architecture. From 2008, Iinuma studied abroad at the Academy of Visual Arts Leipzig for a year and resided in Leipzig until 2013 (received the Grant for Overseas Study, Pola Art Foundation in 2010). She resided in Cité internationale des arts for a year in 2014. She received her Ph.D. at Tokyo University of the Arts, Graduate School in 2018. In 2020, Iinuma established the publishing label "House of Architecture." Iinuma currently lives and works in Tokyo.

Mariko Asabuki

朝吹真理子 


b.1984 in Tokyo, Japan


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Photo by Kenshu Shintsubo

2009年、『流跡』でデビュー。2010年、同作で第20回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を最年少受賞。2011年、『きことわ』で第144回芥川賞を受賞。近刊に小説『TIMELESS』(2018)、エッセイ集『だいちょうことばめぐり』 (2021)などがある。2012~14年、国東半島アートプロジェクトにて発表された飴屋法水(演出・美術)による演劇『いりくちでくち』のテキストを担当し、共同制作。

Mariko Asabuki is a novelist. She made her debut with Trajectory in 2009, and became the youngest winner of the Prix Bunkamura des Deux Magots for the same work in 2010. She was awarded the Akutagawa Prize for Kikotowa. Other works include Timeless. She has also carried out readings of her works across multiple genres, including the session at the exhibition "Japanorama" at the Centre Pompidou-Metz.




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RongRong&inri

榮榮&映里 


RongRong: b.1968 in Fujian, 

China

inri: b.1973 in Kanagawa, Japan


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榮榮と映里によるアーティストユニット。人と自然との関係性を自身の身体を媒体として表現した作品や、生活を通して中国の社会的現実を捉えた作品などを発表。2015年、アルル国際写真フェスティバルと正式提 携した国際写真祭「ジメイ×アルル国際摂影季」を立ち上げる。主な展覧会に「大地の芸術祭越後妻有アー トトリエンナーレ 2012」(新潟、2012年)、「写真のエステー五つのエレメント」(東京都写真美術館、2013年)、 「LOVE展:アートにみる愛のかたちシャガールから草間彌生、初音ミクまで」(森美術館、2013年)、「即非京都」 (KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭、2021年)、など。日本写真協会賞国際賞(2022年)受賞。

RongRong and inri started collaborating as the artist unit "RongRong&inri" in Beijing in 2000. They have presented works that express the relationship between humans and nature using their own bodies as a medium, as well as works that capture the social reality of China through their daily lives. In 2015, they launched the "Jimei × Arles International Photo Festival" under the official partnership with the Rencontres d'Arles in 2015. Major exhibitions include "Trace: The Photographic Journey of RongRong&inri" (Chengdu Contemporary Image Museum, China, 2021), "Jifei Kyoto" (KYOTOGRAPHIE International Photography Festival, Kyoto, Japan, 2021), "All You Need Is LOVE: From Chagall to Kusama and Hatsune Miku" (Mori Art Museum, Tokyo, 2013), "The Aesthetics of Photography--Five Elements" (Tokyo Metropolitan Museum of Photography, 2013), and "Echigo-Tsumari Art Triennale 2012" (Niigata, Japan, 2012). RongRong&inri received the Photography Society of Japan Awards in 2022.

Shin Fukunaga

福永 信 


b.1972 in Tokyo, Japan


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Photo by Munemasa Takahashi

主な小説の著書に『アクロバット前夜』『コップとコッペパンとペン』『星座から見た地球』『一一一一一』『実在の娘達』など。編著として、子供と大人の読者のための現代美術アンソロジー『こんにちは美術』、短編小説とビジュアルによる現代文学アンソロジー『小説の家』など。2015年、第5回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞。

Major novels include Acrobat zenya (Acrobat Eve), Koppu to koppe-pan to pen (Cup and Coppepan and Pen), Seiza kara mita chikyu (Earth Seen from the Constellations), Ichi ichi ichi ichi ichi (One One One One One), and Jitsuzai no musume tachi (Real Daughters). His editorial and writing works include Konnichiwa bijutsu (Hello Art) and Shosetsu no ie (House of Novels). In 2015, Fukunaga received the Encouragement Prize at the 5th Waseda University Tsubouchi Shoyo Award.





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Kazuma Obara

小原一真 


b.1985 Iwate, Japan


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写真家、ジャーナリスト。ロンドン芸術大学フォトジャーナリズム修士課程修了。東日本大震災と福島第一原発事故を記録した写真集『RESET』(Lars Müller Publishers、スイス)を2012年に出版。2015年よりチェルノブイリ原子力発電所事故の長期的影響を記録するため継続的にウクライナを訪れる。2022年3月よりポーランドでウクライナ難民取材を開始し、現在もプロジェクトを継続する。世界報道写真賞をはじめ、国際的な賞を多数受賞。

Kazuma Obara is a photojournalist. He received his M.A. at the University of the Arts London, London College of Communication, Photojournalism and Documentary Photography course. He published the monograph Reset (Lars Müller Publishers, Switzerland) in 2012, documenting the Great East Japan Earthquake and the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident. Since 2015, he has repeatedly visited Ukraine to document the long-term impact of the Chernobyl Nuclear Accident. He started interviewing Ukrainian refugees in March 2022, and continues this project. He has received numerous international awards, including the First Prize (stories) at the World Press Photo Contest.

Natalya

ナターリャ 


b.1986 in Kviv, Ukraine


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ロシア軍のウクライナ侵攻の翌日に祖母のリュドミーラ、娘のソフィアと共にポーランドに向けて避難を開始した。現在は首都ワルシャワのホテルで避難生活を送る。

The day after the Russian invasion of Ukraine, Natalya began fleeing to Poland with her grandmother Lyudmila and daughter Sophia. They currently live as evacuees in a hotel in the capital city of Warsaw.







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Ai Iwane

岩根 愛 


b.1975 in Tokyo, Japan


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写真家。1991年単身渡米、ペトロリアハイスクールに留学し、オフグリッド、自給自足の暮らしの中で学ぶ。帰国後、1996年より写真家として活動を始める。ハワイ移民を通じた福島とハワイの関わりをテーマに、2018年 『KIPUKA』(青幻舎)を上梓、第44回木村伊兵衛写真賞、第44回伊奈信男賞等受賞。離れた土地の見えないつながりを発見するフィールドワーク的活動を続ける。最新作品集に『A NEW RIVER』(bookshop M)。 アジアン・カルチュラル・カウンシル 2022フェロー

Ai Iwane is a photgrapher. In 1991, Iwane went to the United States to study abroad at Petrolia High School. She led an off-grid and self-sufficient life while studying. After returning to Japan, She began her career as a photographer in 1996. In 2018, she published her first monograph KIPUKA (Seigensha Art Publishing) in which she had focused on the theme of the relationship between Hawaii and Fukushima through immigration, and received numerous awards including the 44th Kimura Ihei Award and the 44th Ina Nobuo Award with this project. Her latest book is A NEW RIVER (bookshop M). Asian Cultural Council Fellow, 2022.

Yosuke Amemiya

雨宮庸介 


b.1975 in Ibaraki, Japan


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Photo by Shin Natsuhara

山梨/東京在住。サンドベルグ・インスティテュート(アムステルダム)修士課程修了。彫刻、ビデオインスタレー ション、パフォーマンスなど多岐にわたる方法で作品を制作。リンゴや石や人間などのありふれたものをモチーフに、超絶技巧や独自の話法などを用い「いつのまにか違う位相にふれてしまうかのような体験」や、「認識の アクセルとブレーキを同時に踏み込むような体験」を提供する----それらを通じて「現代」や「美術」について再考を促す作品制作をし続けている。

Yosuke Amemiya is based in Yamanashi and Tokyo, Japan. He received his M.F.A. at Sandberg Institute (Amsterdam), Fine Arts Department. His practice consists of various mediums including drawing, sculpture, video installation, and performance. Using mundane motifs such as apples, stones, and human figures, he presents experiences that give the audience a sense of "being transported to a different scene before they know" or "stepping on the accelerator and break of their perception at the same time" through his superb techniques and unique storytelling methods. With such experiences, he continues creating artworks that encourage viewers to reconsider the "contemporary era" and "art."



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Naoya Hatakeyama

畠山直哉 


b.1958 Iwate, Japan


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筑波大学時代に大辻清司に出会い写真を始める。1983年日本橋ツァイト・フォト・サロンでの初個展「等高線」 以来、主にアートギャラリーや美術館などで作品を発表する。ヴェニス・ビエンナーレ、アルル国際写真フェス ティバルなど海外での展示も多い。都市・自然・写真の関係に重きを置いた表現を展開してきたが、2011年の東日本大震災以降は、そこに個と集団、記憶などの込み入った話題が含まれるようになった。

Hatakeyama started photography after meeting Kiyoji Ōtsuji while studying at the University of Tsukuba. Since his first solo exhibition "Contour Line" at Zeit-Foto Salon (Nihonbashi, Tokyo, 1983), he has showcased his artworks at art galleries and museums. He has participated in many exhibitions outside of Japan including the Venice Biennale and the Rencontres d'Arles. While his focus was always on the relationship among cityscapes, nature, and photography, since the Great East Japan Earthquake in 2011, he has also incorporated more complex themes which deal with individuals, groups, and memories.

Otomo Yoshihide

大友良英 


b.1959 in Kanagawa, Japan


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Photo by Peter Gannushkin

音楽家。1980年代より音楽活動を始め、海外での演奏活動から、映画やドラマの音楽制作、芸術祭等のディレクター等も務める。『あまちゃん』では東京ドラマアウォード2013特別賞、第55回日本レコード大賞作曲賞など数多くの賞を受賞。その他の代表作として『その街のこども』『いだてん~東京オリムピック噺~』『花束みたいな恋をした』『犬王』など。また東日本大震災を受けて立ち上げたプロジェクトFUKUSHIMA!の活動で2012年には芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門を受賞。2019年には福島を代表する夏祭り「わらじまつり」改革のディレクターも務めた。

Otomo Yoshihide is a musician. He started his career in the music industry in 1980s, and has conducted various projects from live performances in the international scene and music production for films and TV shows to direction of an art festival. Otomo received the Special Award at the Tokyo Drama Awards 2013 and the Best Composer Award at the 55th Japan Record Awards for the soundtrack of Amachan. His other major works include Sono machi no kodomo (Children in This Town), Idaten, We Made a Beautiful Bouquet, and Inu-Oh. In 2012, his Project Fukushima! was awarded the Art Encouragement Prize in the Development of the Arts division of the Minister of Education, Culture, Sports, Science and Technology Award. In 2019, Otomo directed the reformation of one of the biggest summer festivals in Fukushima "Waraji Festival."





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