小野 啓
1977年京都府出身。
2002年より日本全国の高校生のポートレートを撮り続けている。
写真集に『青い光』(青幻舎)。『桐島、部活やめるってよ』、『少女は卒業しない』(著者:朝井リョウ)の装丁写真を手がける。
1977年 |
京都府生まれ。現在、東京在住。 |
2001年 | 立命館大学経済学部卒業 |
2003年 | ビジュアルアーツ専門学校・大阪写真学科卒業 |
受賞 |
|
2003年 | 第26回写真『ひとつぼ展』入選 |
2006年 | 富士フォトサロン新人賞奨励賞 |
ビジュアルアーツフォトアワード大賞 | |
個展 |
|
2006年 | 「青い光」 ビジュアルアーツギャラリー(東京・大阪・名古屋・福岡) |
2010年 | 「群青」新宿ニコンサロン(東京) |
2011年 | 「群青」大阪ニコンサロン(大阪) |
2012年 | 「NEW TEXT」ビジュアルアーツギャラリー(大阪) |
写真集 |
|
2006年 | 「青い光」(visual arts・青幻舎) |
小野啓 写真集『NEW TEXT』作って届けるためのプロジェクトに寄せて
日本中の高校生のポートレートを2002年から10年にわたって撮影してきました。募集という方法をとり、出会ったすべての高校生を、日本全国に赴いて撮り続けてきました。 彼らの持つイノセントと危うさに強く惹かれて、1人1人と向き合って撮影をしてきましたが、ある時に、個人的な意識を超えて、この作品が在ることに気付きました。10年間で500人の高校生と出会い、対峙してきた膨大なコンタクトプリントを見ながら、僕は高校生を通して「今の日本を撮っている」ということを実感するようになりました。
写真集の制作において、赤々舎の姫野さんと写真の構成のやりとりを重ねるうちに、300ページ、A4、ハードカバーという型に行き着きました。本の構想がある程度の型になった時に、この1人1人の高校生と対峙した写真は、僕や彼らの意識さえも超えた、より大きなものになっていると感じています。 写真集として後世に残したい。300枚に及ぶ構成の束を目の前にしてから、その思いをずっと強く抱き続けています。
応援プロジェクトで1冊をご予約いただくと、さらにもう1冊がご希望の図書館か個人の方へと寄贈されます。今、こうして写真集の行き先を想像していること、何よりも想像することができるということは、僕にとって心からの喜びです。近い将来、『NEW TEXT』がどこかの町の図書館の棚に置かれ、まだ見知らぬ誰かが手にしてくれていることを想っています。『NEW TEXT』が図書館を通じて人へ、あるいは、人から手渡されて人へと続いていくことを。
小野啓