若山忠毅『閾』

若山忠毅『閾』

Book Design:木村稔将

発行:赤々舎

Size:H228mm×W300mm
Page:136 pages
Binding:Hardcover

Published in January 2026
ISBN:978-4-86541-218-5  

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About Book


若山忠毅による写真集『しきい|Threshold』 は、2013年以降、成田空港周辺で継続的に撮影されてきた写真作品から構成されています。
そこに写し出される風景は、出来事を説明したり、特定の立場を主張したりするものではありません。むしろ、何かが起きた「あと」にもなお残り続けている場所の気配や、意味が定まらないまま佇む空間のあり方が、静かに差し出されています。

成田空港とその周辺は、激しい反対運動の歴史を内包し、長い時間をかけて姿を変えながら、いまもなお更新され続けている場所です。
本書に収められた写真は、その変化の過程を記録するというよりも、過去と現在、内と外、公と私といった境界が曖昧になる地点に立ち現れる風景を見つめています。

撮影に際して、明確な結論や物語を設定することなく、空港周辺を歩き、主に飛行機の発着の方向に視線を向ける── 場の既存のイメージを分節化し、その背後にある別の空間性を静かに浮かび上がらせようと試みる撮影の積み重ねによって浮かび上がってくるのは、どこかに属しているようで、同時にどこにも回収されない空間の姿です。

また、写真の並びは撮影日ではなく撮影地点に基づいています。空港の北側を起点として概ね西側から東側へ反時計回りで空港を一周するなかで、同じ場所を別日に撮影した写真が複数現れる一方、ときに写真は撮影年の降順にも現れます。
空港敷地内に反対派住民の土地があることや、そこから空港の外へ通じる道があること── 本書の構成における複雑さは、未だ完成せずに在る成田空港という存在の複雑さでもあり、撮影地点に沿った順路にもかかわらず、ときに逆行するシークエンスは、行きつ戻りつしながら進んできた空港の歴史を想起させます。

写真集のタイトルである「閾(しきい)」は、ある場所から別の場所へと移る際に立ち止まる境界であり、また、認識が定まる直前の不確かな領域をも示唆しています。
本書は、風景を理解するための答えを提示するのではなく、その手前に立ち、見る者それぞれの感覚や記憶を静かに呼び起こす一冊となっています。

なお巻末には、若山忠毅によるテキストとともに、松田貴子による寄稿文を収録しています。異なる視点から紡がれる言葉が、写真と緩やかに呼応しながら、本書の射程を広げています。




Related Exhibitons

若山忠毅 写真展「閾|Threshold 


会期: 2026年1月7日(水)〜1月21日(水)

時間:13:00〜19:00

会場:PURPLE(京都市中京区式阿弥町122-1 3F)


トークイベント 若山忠毅 × 中澤有基
日時:1月10日(土)15:00〜16:30
詳細


Artist Information

若山 忠毅

1980生まれ。2011年早稲田大学芸術学校空間映像科卒業。
主な個展、2024「閾」ニコンサロン(東京)、2023「パスとエッジ」 Alt_Medium(東京)、2020「離合/集散」Kanzan Gallery (東京)など。
主なグループ展、2014「第10回写真 1_WALL」ガーディアン・ガーデン(東京)など。
TAP Gallery元メンバー。 


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