中山博喜『BORODINO』

中山博喜『BORODINO』

Book Design:大西正一

発行:赤々舎

Size:H188mm x W262mm
Page:80 pages
Binding:Hardcover

Published in September 2025
ISBN:978-4-86541-209-3

¥ 4,500+tax

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About Book


『中山博喜による写真集『BORODINO』は、那覇空港からプロペラ機で約1時間、太平洋に浮かぶ絶海の孤島・南大東島を舞台に制作されたシリーズである。

南大東島に人が住み始めたのは、今からおよそ130年前。島の人口は長らく、大きく増減することなく、1000人前後を保ち続けてきた。
この島には高校がなく、進学のためには誰もが一度、島を離れなければならない。にもかかわらず人口が変わらないということは、出ていく人と同じ数だけ、島に入ってくる人がいるということを意味している。
なぜ、絶海の孤島で、そのような循環が成立しているのか。
その理由を紐解くために、著者はカメラを携え、島を歩き、島の時間に身を委ねた。
そこで出会ったのが、島に最初に上陸した23名の開拓団が発見した「水」の存在だった。
淡水池という希少な恵みが、この島での暮らしを可能にし、人々の営みを支えてきた。現在では、その水は島内の水耕栽培施設にも受け継がれ、野菜を育て、生活を循環させている。
移民の歴史、水の発見と循環、濃密な緑の奥行き。
それらに静かに触れながら、本作は「必要な分だけを受け取り、豊かに生きる」という、島に息づく「ほどほど」の精神を浮かび上がらせていく。

中山は、前作『水を招く』では、中村哲医師とともにアフガニスタンの地で、水と人間の関係を見つめてきた記録を著した。本作『BORODINO』は、その視線を日本の南端へと移しながら、水と土地、そして人の営みを、長い視座で捉え直し、確かな手触りで写し取った一冊である。

「BORODINO」という名は、島に最初に与えられた外部の呼称である。1820年にロシア海軍の軍艦「ボロジノ号」によって発見され、その艦戦の名をとって地図に記されたときから、島は世界と接続された。本作は、その長い時間の層を踏まえながら、いまも続く島の呼吸を伝えている。


Artist Information

中山 博喜

福岡生まれ。大学卒業後5年間にわたり、NGO団体・ペシャワール会の現地ワーカーとして活動に参加。活動の傍ら、パキスタン、アフガニスタンの日常を撮影する。帰国後は撮りためた写真を個展などで発表するとともに、色彩をテーマとしたカラー作品の制作を行っている。著書に「水を招く」(赤々舎)。京都芸術大学教授。


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