佐藤 華連『Membrane』

佐藤 華連『Membrane』


Book Design:須山悠里

発行:赤々舎

Size:H267mm × W222mm
Page:88 pages
Binding:Hardcover, Swiss

Published in May 2026
ISBN:978-4-86541-228-4

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About Book


『Membrane』は、2009年から15年にわたり撮影された写真によって構成される、佐藤華連の初写真集である。

本書の出発点にあるのは、「見る」という行為そのものへの問いである。
自己を俯瞰しながら、世界と私がどのように接続され、どのようなイメージを結んでいるのか。
目に見えるものだけでなく、見えない像や記憶の層にも眼差しを向けながら、佐藤は写真というメディアを通して、その輪郭を探り続けてきた。

写真は世界を複製する。しかし、その複製は断片となり、重なり、あるいは剥ぎ取られることで、新たなイメージを立ち上がらせる。
本書には、繰り返された観察と思索の軌跡が、一冊の本というかたちのなかに静かに編み上げられている。
抽象的な問いから始まった写真は、ページをめくるなかで互いに呼応し、新たな意味を生み出していく。
写真と本というメディアが深く響き合うことで、見ることと世界との関係は、私たちの内側にも静かな共振をもたらすだろう。

“「Membrane」は、膜や膜状の構造を意味する。
自己という境界を経てイメージは時空を行き来し、対象も私も変わりゆく。
静かな共鳴を起点に、そこに現われるものを知るために、私は見ることを繰り返す。

── 佐藤華連

“2010年にデビューした佐藤華連の作品もまた、写真の写真という感性や、無人の日常風景を切り取って異化するスタイルをネオコンポラと共有しているが、そこに「クールで醒めた感覚」は欠けている。佐藤の写真世界は、クールでドライというよりは、メランコリックな薄暗がりに沈みがちであり、陽の差さないその世界の大気は湿っているからだ。(中略)

最後に、一群の静物写真(古道具、遺物、古びた展示品、オブジェ、果物、貝殻)がある。これらは、リミナルスペースのような不安というよりは、かつて大切にされていたかもしれない古道具の懐かしさ、あるいは見捨てられ切った遺物の安らぎとでも言うべき感情を引き寄せるものである。そこには、出口なき社会の閉塞感と絶望のなかで、しかしそういう社会から降りた生の、吹き溜まりの中のくつろぎがある。

清水穣(写真評論家)寄稿
「無人境のくつろぎ 佐藤華連の写真」より


Related Exhibiton

佐藤華連 「Membrane & Membrane Publication Exhibition」


会期:2026年4月30日(木)〜5月19日(火)

時間:12:00〜19:00

会場:BOOK AND SONS(東京都目黒区鷹番2-13-3キャトル鷹番)

水曜定休/入場無料



刊行記念トーク:5月9日(土) 14:00〜

佐藤華連 ✕ 姫野希美(赤々舎)✕須山悠里(デザイナー)
入場無料・予約不要

佐藤華連 写真展「Membrane」


会期:2026年6月9日(火)~2026年6月22日(月) 

時間:10:30~18:30(最終日は15:00まで)

会場:ニコンサロン(東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階)

日曜休み

【ギャラリートーク】2026年6月20日(土)14:00~

佐藤 華連、ゲスト:梅津 元(批評家/キュレーター)、菊田 樹子(インディペンデント・キュレーター)

会場:ニコンサロン(ニコンプラザ東京内)
定員:20名(当日先着順、参加費無料)



Artist Information

佐藤 華連

1983年神奈川県生まれ。早稲田大学芸術学校空間映像科写真コース修了。2010年にキヤノン写真新世紀グランプリ受賞、優秀賞(清水穣選)受賞。2026年に写真集「Membrane」を刊行。
主な個展に「I 波と影」(ふげん社 東京 2020)、「I」(kanzan gallery 東京 2016)、「cage」(E&C gallery 福井 2012)、「間、うつろう」(せんだいメディアテーク 仙台 2012)、「間、うつろう」(アートコートギャラリー 大阪 2012)、「間、うつろう」(東京都写真美術館 東京 2011)。
主なグループ展に、「showcase #9 curated by minoru shimizu “visions in and out”」(eNarts 京都 2021)、「HAKKA GROUP EXHIBITION VOL.3」(ミツバコウサクショ 東京 2017)、「創造海岸いなげ展」( 千葉市民ギャラリー・いなげ 千葉 2014) 「HAKKA GROUP EXHIBITION VOL.2」(BankART Studio NYK / 2A 横浜 2014)、「The 3rd International Art Photography Festival IN FOCUS 2011 「internalized」 (Vilnius Graphic Art Centre gallery ヴィリニュス リトアニア 2021)などがある。


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