小谷泰子『青い闇』

小谷泰子『青い闇』

Book Design:大西正一

寄稿:伊藤俊治 植島啓司

発行:赤々舎

Size:H364mm × W257mm
Page:96 pages
Binding:Hardcover

Published in December 2019
ISBN:978-4-86541-108-9

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About Book

小谷泰子は1990年代に展示や受賞などの作家活動を展開していたが、2000年頃から長い休止の時間に入った。本書のタイトルでもある「青い闇」は約20年ぶりの作品となる。
神戸に暮らし阪神・淡路大震災を経験した喪失感、老い、病、ストレス、ハラスメントなどさまざまな経験が、この闇の中には渦巻くという。個人的な痛苦、そして沈黙の果てに、再びセルフポートレートの撮影は再開された。

青は、小谷にとって特別な色で、「青い破壊」「青の断片」などのシリーズもある。今回の鈍色に覆われた青い闇の 奥には、岩壁があり、洞窟の深い裂け目があり、水流の循環も見える。その中で蠢き、幾重にも折り重なり、落下し 飛翔するようにも映る裸体。今回からデジタルカメラによる多重露光での撮影に切り替わり、繊細なブレとコントラストが複雑な襞を生々しく伝えてくる。カメラと向き合い、自らの内側を覗き込みながらイメージをつくりだす長い時間。
切り出されたディテールが新たな息づきを得て、解き放たれるような動きも垣間見える。

沈潜し、彷徨う精神から放たれた、抽象的な青、普遍的な存在。
小谷泰子の軌跡は、ひとりひとりの扉と重なる。

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「青い闇」には、現実を痛切に生きる人の苦行と共に、この世から抜け出てゆく人間の軌跡もまた、最も物質的な抽象の色である青を通し鮮やかに写しだされている。

伊藤俊治(美術史家・東京藝術大学教授) 

それらの写真はみごとなブルーに閉じ込められているというのに、その反面なんとも淡い乳白色の世界をも連想させるのだ。まるで補色関係のように。自分の領域というか「自己」というか、その外には結局何かを見つけることなどできない、この自分の「肉体」にこそすべてが描きこまれているという彼女の決意表明のようなものを感じたのだった。そうしたイメージの響きあいこそが彼女の作品の多元性を表わしている。

植島啓司(宗教人類学者・京都造形芸術大学教授)


Related info

個展「青い闇」
会期:2019年12月3日(火)〜12月25日(水)
会場:The Third Gallery Aya

個展「青の断片から青い闇へ」
会期:2020年9月12日(土)〜 9月23日(水)
会場:ギャラリー島田

<中部経済新聞 2019年12月30日 掲載>
闇に溶け合う孤独 小谷泰子の個展「青い闇」から(竹内万里子 評)

<毎日新聞 2020年1月8日 大阪夕刊 掲載>
「青い闇」に見いだす光 沈黙20年経て写真集、小谷泰子 


Artist Information

小谷 泰子

1962 兵庫県西宮市生まれ

受賞歴 
兵庫県芸術奨励賞受賞
第3回 東京国際写真ビエンナーレ「記憶、記録の漂流者たち」優秀賞受賞

個展
2019「青い闇」The Third Gallery Aya(大阪)
1998「青の断片」バーソウ・フォト・ギャラリー(東京)
1998「青い自画像」新宿パークタワーギャラリー・1(東京)
1996「Pendulation in blue」プリンツ(京都)
1996「青い破壊」キリンプラザ大阪プラザギャラリー
1995「Destruction of blue」エキヴァレンス(兵庫)
1994「Silence of blue」エキヴァレンス(兵庫)
1993「Illusion of blue」画廊みやざき(大阪)

主なグループ展
2000「震災と表現 青い破壊」芦屋市立美術博物館(兵庫)
1999「第3回東京都国際写真ビエンナーレ-記憶、記録の漂流者たち」東京都写真美術館
1998「VOCA’ 98現代美術の展望一新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京)
1998「’98 新鋭美術選抜展」京都市美術館
1998「アワード・フィルムフェスティバル」キリンプラザ大阪
1997「兵庫アート・ウィーク・イン東京一地震のあとに生まれた芸術」新宿パークタワーギャラリー(東京)
1997「Cracow International print triennial Oktagon+1」ポーランド
1997「現代美術作家選抜展一潮風・アート」海文堂ギャラリー(兵庫)
1997「第4回六甲アイランド現代アート野外展」六甲アイランド・マリンパーク(兵庫)
1996「Photographs l,17~震災へのすべての思いに捧げる」エキヴァレンス(兵庫)
1996「’ 96写真表現の位相 CAMERA ・ 現在のリアリティー」ギャラリ一・ヒルゲート(京都)            
1996「プライベート.ルーム写真としての日常」水戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城)
1996「アワード・フェスティバル」キリンプラザ大阪
1996「デジタルフォト.コレクション」デジタルアートギャラリー(大阪)
1996「アート・ナウ ‘96在ることの根源へ」兵庫県立近代美術館

パブリックコレクション 
東京都写真美術館