山沢栄子『私の現代』(新装版)

山沢栄子『私の現代』(New Edition)


Book Design:大西正一

発行:赤々舎

Size:H297mm × W210mm
Page:224 pages
Binding:Hardcover

Published in July 2026
ISBN:978-4-86541-231-4

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About Book



2019年、西宮市大谷記念美術館と東京都写真美術館による共催で、生誕120周年に際し大規模個展が開催された山沢栄子。その後も「I’m So Happy You Are Here: Japanese Women Photographers from the 1950s to Now」展への出展などをはじめ、近年、国内外での再評価が進んでいる。

本書は、1970―80年代に手がけたカラーとモノクロによる抽象写真シリーズ<What I Am Doing>を中心に、抽象表現の原点を示す1960年代の写真集『遠近』を収載している。

1899年に大阪に生まれた山沢栄子は、1920年代にアメリカで写真を学び、1931年、日本初の女性プロ写真家として大阪にポートレートスタジオを開設した。
1960年に引退した後は、コンセプチュアルかつ実験的な表現へと到達する抽象カラー写真の制作に取り組んだ。しかし、その独自のスタイルは日本写真界の主流とは共通点を持たなかったため、これまで彼女の作品が詳細に検証されることはなかった。

本書の主な目的は、アメリカ写真との関係性を通してそのキャリアを検証することで、国家的枠組みを超えた写真史の中に彼女の仕事を位置づけることにある。
全4章は、山沢の抽象写真の背景を探るため、時間を遡る構成となっている。
第1章では、1970〜80年代の抽象写真シリーズ《What I Am Doing》を紹介する。そこには、撮影機材を被写体とした作品や、過去作品を再撮影した作品など、高度にコンセプチュアルで自己言及的な作品群が含まれている。
第2章では1962年の写真集『遠近』を完全収録し、第3章では彼女が接したアメリカ写真の実例を紹介、第4章では初期ポートレート作品と関連資料を通じて、その出発点を検証する。
この構成により、日本写真の主流とは異なる地平で制作を続けた写真家としての山沢の長いキャリアを辿ることができる。

「日本写真界に人多しといえども、山沢さんのような写真家は全く独自な存在である」(土門拳)


若くして米国に飛び立ち、日本の写真の流れとは異なる地平で創作を続けた芸術家の歩みを辿るとともに、女性写真家の草分けとして山沢栄子の「ひとつの道」を示す。
1920〜50年代に山沢自身が執筆した3本のテキストの再録の他、近年の研究に基づく二人のキュレーター(池上司・鈴木佳子)による論考も収録。戦前の活動を伝えるポートレートや、アメリカ近代写真との関連を示す資料、疎開中の写真など、158点の図版を収載した決定版。




“「日本にかえると日本の写真を改善しなければならないと考え、みんなのやっているような種類の写真はしたくないと思った。その気持ちが今でも私を動かしている。それから二十五年の時間がたっている。いろいろのことがあった。戦争という大きなことまでも。しかし私は写真の仕事とはなれた時はなかった。」”

(山沢栄子「女流写真家として40年」より)


未知の世界につづく道

今日をたしかに歩む道

遠く

近く

ひとつの道

EIKO YAMAZAWA

『私の現代3』(1986)より

Contents



 chapter 01  011  私の現代


 chapter 02  041  遠近


 chapter 03  129  山沢栄子とアメリカ

       03-1 コンスエロ・カナガと『カメラ・ワーク』
         コンスエロ・カナガの手紙
       03-2 西海岸の写真家たち
         イモジェン・カニンガムの手紙
         「イモージン・カニンガム女史の思い出」 山沢栄子
       03-3 アメリカの広告写真


 chapter 04  147  「写真家」 山沢栄子

       04-1 ポートレート
         「話しながらパチリ」
         「写真工房から」 山沢栄子
       04-2 疎開中の写真
         「山沢先生を語る」 浜地和子
       04-3 商業写真
         「女流写真家として40年」 山沢栄子



 chapter 05  185  参考資料

        「山沢栄子の『ひとつの道』」 池上司
        「山沢栄子とアメリカ近代写真」 鈴木佳子

         山沢栄子年譜
         主要参考文献
         作品リスト




 chapter 01    What I Am Doing


 chapter 02    Far and Near


 chapter 03    Eiko Yamazawa and America

       03-1 Consuelo Kanaga and Camera Work
         Letters of Consuelo Kanaga
       03-2 Photographers of the West Coast
         A Letter of Imogen Cunningham
         “Memories of Ms. Imogen Cunningham” Eiko Yamazawa
       03-3 American Advertising Photography


 chapter 04  Eiko Yamazawa the Photographer

       04-1 Portraits
         “Shooting While Talking”
         “From a Photography Studio” Eiko Yamazawa
       04-2 Wartime Photographs
         “Words on Ms. Yamazawa” Kazuko Hamachi
       04-3 Commercial Photographs
         “Forty Years as a Woman Photographer” Eiko Yamazawa


 chapter 05  Reference Materials

        “Eiko Yamazawa’s Path” Tsukasa Ikegami
        “Eiko Yamazawa and American Modern Photography” Yoshiko Suzuki

         Biography of Eiko Yamazawa
         Selected Bibliography
         List of Works



Related Exhibiton

「まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険 」展

会期:2026年7月4日(土) 〜8月26日(水)

時間:10:00〜21:00

会場:ヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)

会期中無休


山沢栄子 展「What I Am Doing」

会期:2026年7月3日(金) 〜7月25日(土)

時間:13:00〜19:00

会場:LAG(LIVE ART GALLERY)東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwa神宮前ビル1F

日月祝 休み


Artist Information

山沢栄子(1899-1995)

大阪に生まれる。1918年私立女子美術学校日本画科選科を卒業。1926年渡米し、カリフォルニア・スクール・オブ・ファインアーツで油絵を学ぶ。
同時にアメリカ人写真家コンスエロ・カナガの助手となり、写真技術を習得。
1929年帰国、1931年大阪に写真スタジオを開設し、ポートレート写真家として活躍。戦後は企業の広告写真などを手がけたのち、抽象写真の制作を始めた。
1968年神戸に移り、1970-80年代に「私の現代」と題した個展を多数開催。
1955年大阪府芸術賞、1977年日本写真協会功労賞、1980年神戸市文化賞を受賞。大阪中之島美術館、東京都写真美術館、川崎市市民ミュージアムなどに作品収蔵。



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