去る8月2日、岩手県花巻でワークショップを開催したのですが
そちらの成果を発表したいと思います。

ワークショップについてはブログにて黒田光一さんが書いています。
http://akaaka.com/tohoku-tour/2011/08/bl-110802-tohoku.html


今回のワークショップをざっくり説明すると
「最高の一枚を撮り合おう!」というテーマで2人1組の応募を募り
そのペアに写真家が付きっきりになり、「最高の一枚」を撮るというものになります。

ここで見所なのは、付いた作家によって、そのペアの写真も変化を遂げるところです。

「最高の一枚」といっても、ちゃんとした定義がある訳でもなく、
また、限られたとても短い時間でのワークショップだからこそ、
それぞれの特徴が出て、とても面白いものになりました。

ペアごとに写真を載せたいと思います。
ご覧ください。

佐伯慎亮班
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旗手浩班
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髙橋宗正班
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山内悠班
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浅田政志班
浅田班は撮影に至る過程も含めて「最高の一枚」に仕上げていきました。
なので、過程の写真もアップします。(因に、ここは3人1組)
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そして、仕上がりの一枚。
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黒田光一班
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参加者の世代も様々で心配することも多々ありましたが、
こうして良い形になって本当に良かったです。





朝10時、山形を出発。今日から花笠祭りが始まる。ちょっと残念だけど、それでも旅立たなければならないのだ。目指すは、会津若松。

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カーナビに目的地を入力すると、猪苗代湖と磐梯山の麓をお昼ごろに通過することに気付いた。今日は移動だけで夕方までは時間がある。旅の仲間たちを連れて行きたい場所がとっさに浮かんだ。裏磐梯、五色沼あたり。個人的な話になって恐縮だけど、この場所にはとても大切な思い出がある。ひっそりとしていて、そしてとても美しい場所。その佇まいがとても好きな場所。みんなにも訪ねてほしかった。五色沼につくと、みんなそれぞれ(もしかするとこの旅ではじめてかな?)自然を満喫しようと散っていった。僕はどうしても訪ねてみたいところがあった。


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それはかって訪れたある一軒のホテル。とっても心地よい時間、そして最高に美味しい地産地消の料理をもてなしていただいた所。僕はこのホテルとの出会いを通じて 裏磐梯の、そして福島の魅力を体感した。震災(というか歴史上最悪最低の人災)以降、このホテルがどうなったのか、ずっとずっと気がかりだった。五色沼を満喫しているみんなに断って僕はこのホテルを訪ねてみた。
宿泊客でもない僕をホテルの支配人を快く迎えてくださった。そして震災以降のこのホテルについて語ってくださった。地産地消をもう辞めた方がいいんじゃないか、従業員には出来るだけ負担をかけたくない、スキーシーズンにはなんとかなればいいのだけど。赤裸々に話していただく支配人に感謝しながらも、いたたまれなくなる。でも、そう思いながらも、自分も一人の加害者なのだと改めて感じていた。


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このホテルにはとても美しい池がある。この池が見たかった。そして、それはやっぱり美しかった。何もできないけれど、この小さな池がいつまでもひっそりと静かに汚されることなくあってほしいと願った。


会津若松に到着。今日の会場は少し不便な場所にあったためお客さんの数はこれまでで一番少なかった。でも、個人的にはもっとも良い時間をお客さんと共有できた夜だったと思う。今夜のトップバッターは山内悠。接客業のプロらしく、笑いをとりながらもぐいぐいとお客さんを引き込んで行く。もちろん、ピュアで誠実な写真はやっぱり何回見ても素晴らしい。無敵だよなあ、山内くん。

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二番手は、黒田光一。僕は毎回黒田さんのスライドを見るのが楽しみでならない。さっき立ち寄った五色沼で録音したばっかりの音を黒田さんはBGMに使った。これが写真が持つ圧倒的かつ最強のスピード感だと思う。意味に絡み取られるまえにするりと滑り抜ける黒田さんの身のこなしに、やっぱり僕はいつも圧倒されてしまう。

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三番手は、高橋宗正。「楽しさが入り込むとアートからは遠くなるかもしれない。でも楽しい方がいいんじゃない?」 今回の旅で宗正くんといろんな話ができたことは本当に嬉しかった。こんなに写真を信じて愛している人はなかなかいないよ。

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四番目は、今日から参加の大畑祐子さん。『 Swimming in time』。大畑さんはプールガードをされている。「私は自分を写真家とは呼びません。プールガードと写真、私の人生にとってどちらも欠かせないから。」 写真家というのは写真だけ撮って仕事にしている人のこと? 僕は大畑さんのはっきりとした物言いはとても良いなと思った。BGMに使ったビル・エバンスのピアノが「プールで瞬くきらきらとした光に似ていると思う」というのもとってもいかしてた。

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五番目は、鷲尾和彦(つまり僕)。『Seas』という新作。モノクロームの海の写真。まあ自分のことは書きにくいのだけど、言いたかったことは、とても小さな、パーソナルな場所を深く掘って進んで行くと、かならず大きな世界につながるということ。井戸を掘り進むと必ず水脈に繋がるということ。

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六番目は、我らが浅田政志。このビデオ作品はなかなか凄い。徹底して「戦い抜く」姿勢に、いつも刺激をもらってます。必見!!

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そして今夜のトリは、佐伯慎亮。『コノキシ』という新しいシリーズは、『挨拶』以降の作品。そして今回の東北ツアー中に撮影した写真も積極的に入れ込んで見せてくれた。一瞬の刹那に「生」と「死」というダイナミックな振れ幅(レンジ)を垣間みることが出来る佐伯君の視線。「生」と「死」というテーマは沢山の写真家がテーマにしている。しかし、佐伯君の場合はそこに「喜び」や「楽しさ」も入ってくる。そこが他の写真家とは違うと思う。だいたいの場合、神妙で大仰になるのだから。佐伯君のピュアで無邪気な人柄だからこその作品だと思う。

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確かに今日はこれまでで一番少ないお客さんだった。でももっとも濃密で楽しい時間でもあった。

「こんなに近くで話せて良かったです」(浅田くん)
「みんな良い顔してますねえ」(お客さん)

そんな会話がマイクもなしに直接話すことが出来たのだから。
僕からいつでもそんな時間が大好きだ。 そして、僕らはいつでも写真の種をまきつづける。


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(鷲尾和彦)








山形にて新コンビ誕生!
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こんにちは、高橋宗正です。

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5日目は宮城県白石の「かつらや」を出発し、一路山形へ。
黒田さんはアウトドアひげ剃りです。


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山形まなび館は小学校を改装したものすごく素敵な場所でした。

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黒板にナイスな告知を書いてくれていました。
 

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まずはトークイベント「写真と人生の関わり方」
参加者一人ずつ写真とどう付き合ってきたかを話していきました。

 

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最初は髙橋宗正。
仕事としての写真との付き合い方。

写真学生を卒業してから、少しずつ仕事を始めて食べていけるようになったことの話。

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二番目は鷲尾和彦。

写真を撮り始めたきっかけから、独学で撮り続けてきたこと。様々な出会いの話や、
被写体との付き合い方の話。海が好き。

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三番目は山内悠。
常に旅の中にいる感覚を保持したい、ヒッチハイカーから飲食業を極めたが、
スタジオ勤務を経て、旅人という生き方になるまでの話。

そして10代のころ撮っていた写真作品「Uremix」を持参。

ほとばしる思春期。

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四番目は佐伯慎亮。

広島にいた頃、藤原新也の「東京漂流」と出会い衝撃を受けインドに行く。

そしていろいろあって写真を撮る人生に。

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山内さんと佐伯さんはなかよしです。


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番目は渋谷征司。
写真の仕事を始めるきっかけや、どんな風に撮影に向かうのか、仕事と作品の違いとつながりなど具体的な話をしました。

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番目は浅田政志。
三重に住んでる頃パチスロばかりやっていたころの話から、ある日そんな自分に嫌気がさし、写真の仕事を始める話と、いろんな場所でやってきたいろんな展示の話。

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最後は黒田光一。

小学三年の時に親にカメラをもらいそれから撮り続け、エロ本編集などを経て28歳くらいの頃に写真の道で生きていこうと決めた話。


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三時間半に及ぶトークイベントも多くの人がちゃんと聞いてくれた。

それぞれにいろんな道を歩んできているので、本当に幅広い話の内容でついつい時間を一時間くらいオーバーしてしまった。

いやあ疲れた〜、なんて思っていたらそのままスライドショーに突入。

 

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青森、秋田、岩手とスライドをやってきてプロジェクターの扱いにもだいぶなれたので、こちらはずいぶんスムーズにやれるようになった。

今回はぼくと佐伯さんが司会をまかされたので、みんなのいい部分や言葉になりづらい部分を、なんとか伝えてみようとがんばりました。

 

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イベント後はいろんな人が本を見てくれた。
 

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合計7時間に及ぶ超ロング写真イベントでしたが、お客さんも出演者もちゃんと向き合えていたと思った。
これってなかなか希有なことなんじゃないだろうか。

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打ち上げはみんなで焼き肉!!
 

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みなさま本当におつかれさまでした。
来てくれてありがとうございました。


これまで、八戸、秋田、と各地でたっぷりお風呂を堪能したが、花巻でももちろん堪能しました。
そして、ツアー4日目。
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いざ出発!目指すは宮城県山元町へ!
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今日はスライドショーはないが、被災した山元町の写真を残すということで僕たちが撮影することになりました。
高橋宗正君が山元町で写真の洗浄、返却のプロジェクトを行っているのでこのような機会になりました。
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各自バラけて町内を撮影する事に。
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久しぶりに訪れた被災地。宮城県には4月に一度訪れていたが、状況はほとんど変わらない印象を受けた。
しかし、瓦礫は山積みになり、その瓦礫に草が生えているのに気がついた。時間の流れをそこで感じたが、
状況とのギャップに今後の事を思わされた。
津波で更地だった所も草が生え、緑で一色になりその状態には驚いた。
人がいなくなると緑がすぐに戻るのだ。改めて人間のあり方を考えさせられる。

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各々の思いの中、撮影をした。
皆、山元町へ少しでも役に立てたかと気持ちを寄せ合う。
そして、日が暮れて本日の宿へ。
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なんと、今日も温泉!
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露天風呂に松本くんがいた!!
ここの露天もサイコーでした!!
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結局2時間も入りました。
明日も朝風呂!
そして、山形へ!

山内












東北スライドショーツアーも中日を迎えました。
大変申し訳ありませんが、諸般の事情により、当初予定されていた作家が欠席する会場がございます。

8月4日 山形まなび館・MONO SCHOOL

【欠席】 旗手浩

8月5日 会津アピオ アピオスペース
【欠席】 澁谷征司 ・ 旗手浩

8月6日 ベーカリーカフェ レンガ
【欠席】 浅田政志 ・ 澁谷征司 ・ 高橋宗正 ・ 旗手浩

楽しみにお待ちいただいた皆さまには、大変申し訳ありません。中には作品のみ上映する場合もございます。
何卒ご容赦くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
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